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【令和5年合格者執筆】15日で完了!技術士二次試験の合格に向けた最高のスタートを実践形式で解説

「たけゆう、やるじゃん!」
海外販社に出向していて、おそらく年収1000万円以上を貰っている技術士の先輩からの一言だった。いつも気さくで軽いメールを送ってくれるが、技術や論文の意見は鋭い先輩。そんな先輩の背中を追って、私は4回目になる技術士二次試験に臨んだ。

・・・今年こそは合格する。いつもと違うんだ。このnoteに書いてあることは、全て実践してきた。

令和4年11月1日の午前6時。筆記試験の合格者が文部科学省のホームページに掲載される。筆記試験の合格率は約15%だ。思わずページをめくる手が震える。今まで一度も合格したことがない筆記試験。やっぱ今年もダメか…?
そう思った瞬間、…あった…!あった、あった!!うおおおおお!!!
ついに、私は難関の技術士筆記試験に合格した。結果は必須科目Ⅰと選択科目Ⅱ、Ⅲで全てAのオールA。すぐに先輩に報告した。
「たけゆう、やるじゃん!」
※この後、口頭試験で不合格となる大波乱。しかし翌年令和5年度に、筆記はオールAで再度合格。口頭試験もリベンジを果たし、技術士合格者の仲間入りを果たしました。

【結論:私が筆記合格できた理由】
・3月から7月まで毎週1回必ず添削を受けた
・今年こそは絶対合格する覚悟を持った
・よき指導者に出会えた

【このnoteで手に入ること】
・添削を受ける前の準備が15日で完了する
・基礎力が付いて答案を書きたくなる


1.はじめに

数ある書籍や講座の中から、当noteを手に取っていただき、ありがとうございます。この技術士noteは、3回の不合格後、令和4年度に機械部門・機械設計分野で筆記合格した私が、技術士二次試験をなるべく早く安く合格したい方に向けて書きました。(口頭試験は令和5年度に合格)

【当noteの特徴】
・noteを読みながら、例題を通じて実践的に学べます
・合格までのスケジュールが明確になり、やるべき事が絞り込めます
・当noteの学習は、2週間で完了します
・当noteの学習後は、受験申込書や論文を書き、添削を受けていただくことを推奨します
・当noteの学習は、1~2月が最も効果的となります
・口頭試験用のnoteは、別途作成予定です

【当noteの特典】
・機械部門の必須Ⅰと機械設計の選択Ⅱ,ⅢのR4年A判定再現答案つき

なぜ技術士になりたいか

まず、技術士試験の攻略の話をする前に、「なぜ技術士になりたいか」その根幹を話させてください。あなたは、なぜ技術士になりたいですか?面接用の受験動機ではなく、本心に迫ってください。

・難しい技術を分かりやすく伝える能力が欲しい
・もっと専門技術で社会に貢献したい
・会社で出世したい
・お金と時間の自由を手に入れたい

実は以前、Twitterで技術士試験をなぜ受験するか。忖度の無い意見をアンケートで募りました。その結果、「時間とお金の自由を得る」が55%を占めていました。この結果には驚きました。

技術士二次試験は、難易度が高く、簡単に合格はできません。
少なくとも私の場合は、3回の不合格を経験しました。
人は、本能レベルで欲求しなければ、努力が長続きしないと聞きます。

今こそ学びたい技術士

口頭試験では言えませんが、私の受験動機の根幹は、「時間とお金の自由が欲しい」です。私は、激務と育児の狭間で、心身が参ってしまったことがあります。職場の環境は、長時間労働が常態化していました。私は体調を崩し、産業医が勧める精神科へ通った結果、心身症と診断。機械設計の花形部署から、保守企画の窓際部署への異動が決まりました。

その経験から、「FIRE:Financial Independence Retirement Early」(経済的自立と早期退職)に興味を持ちました。生活費は可能な限り切り詰め、3人家族で生活費を年間120万円まで圧縮しました。すると、年間300万円ほど貯金や投資に回せるようになりました。今までほど給料を貰わなくても、満足した生活が送れることに気が付き、残業代は不要と感じました。幸い、異動後の部署が激務ではなかったため、残業がほぼ0になるよう努めました。会社が黒字なら、仕事ができている社員に、残業を強要することはできません。(当時は残業する人が多数派だったので、私は少し白い目で見られましたが、毎晩家族と夕ご飯を食べる方を優先しました。)

定時で帰って家族と過ごせ、時間も余裕がある。こんな時間が永遠に続けば良いのに…。しかし、定時で帰って勉強も何もしないと、「使えない社員の仲間入り」になる不安がありました。仕事ができなければ、結局周囲の不満を強く買い、ストレスを抱えるかもしれません。それから、仕事の貢献がイマイチだと、奮闘している同期に申し訳ない気持ちが湧きます。

そこで、私はスキマ時間にyoutubeを見るのではなく、資格勉強とブログ運営を全力で取り組むことにしました。資格で勉強すれば、専門知識が向上し、ブログ運営すれば、お金を稼ぎながら人に伝えられる文章力が身に付くと考えました。

このスキマ時間活用は、私の人生を大きく変えました。

年間労働時間は、2400時間から1800時間へと減少しました。更に本業と副業を合わせた収入は大台を目前という水準に達しました。技術士二次の筆記試験に合格し、年間の貯蓄額を増やしながら定時で帰り続けることに成功しました。この成功は、技術士二次試験の以下特性から導き出されました。

・技術士資格の報奨金額も待遇も、社内上位クラスだった
・技術士の形式が筆記と面接なので、アウトプット力や仕事力が向上した
・仕事力が向上したので、定時帰りしながら職位と給料を上げられた

筆記合格した後は、情報発信をしたときに、より話を聞いてもらえるようになりました。※和5年度に口頭試験も合格したことでより一層です。このようなメリットを感じるからこそ、皆様にも技術士を取得して欲しいです。このnoteを手に取ったあなたが、願いを叶えられれば、嬉しいです。

今こそ学びたいことは、技術士の資格勉強の中にありました。

【本日のタスク(第1日目)】

 技術士の受験動機を、本能レベルで考えてください。1日で答えがでなくても良いです。受験勉強しながらボンヤリ考えてみましょう。心の底からワクワクするような未来を考えましょう。

・あなたはなぜ技術士になりたいですか?
・技術士の勉強をすることが、願いを叶えるための必要ピースだと思いますか?
・あなたが本当に得たいものは何ですか?

他に優先したいことがあれば、技術士の勉強をすることが正解ではないかもしれません。技術士試験に合格する事・試験勉強することが、自分の本能レベルで満足いかないと、挫折するかもしれません。

【参考となる考え方】
・今よりもっと話を聞いてもらえるようになりたい
 →話を聞いてもらえるのは、承認欲求に直結するので、効果が大きいです。人は、実績を持っている人の話を聞きます。例えば、目の前で内閣総理大臣がスピーチすれば、多くの人が耳を傾けるでしょう。

・上司から「成長したね」と言ってもらえるようになりたい
・技術士は取得者数が少なく、希少な資格なので、それを活かして技術コンサルでの時給や訴求力を上げたい

2.技術士二次試験の概要

2.1.技術士の概要と受験資格

2.1.1.技術士とは

技術士は、技術士法により以下のとおり定義されています。

第一条 この法律は、技術士等の資格を定め、その業務の適正を図り、もって科学技術の向上国民経済の発展に資することを目的とする。

第二条 この法律において「技術士」とは、第三十二条第一項の登録を受け、技術士の名称を用いて、科学技術(人文科学のみに掛かるものを除く。以下同じ。)に関する高等の専門的応用能力を必要とする事項についての計画、研究、設計、分析、試験、評価又はこれらに関する指導の業務を行う者をいう。

技術士法より引用

法の文章なので、少し難解ですが、技術士を知る上で最重要な条文です。「高等の専門的応用能力」を必要とする事項の「計画、研究、設計、分析、試験、評価またはこれらに関する指導」の業務を行うのが技術士です。

技術士の役目を一言で言うと「科学技術を用いて、安全で快適な社会を継続させること」となります。

2.1.2.技術士制度とは

技術士は、技術士法に基づいて行われる国家試験に合格し、登録した人に与えられる称号です。(文部科学省所轄)
技術士制度は、「科学技術に関する技術的専門知識と高等の専門的応用能力及び豊富な実務経験を有し、公益を確保するため、高い技術者倫理を備えた、優れた技術者の育成」を図るための国による資格認定制度(文部科学省所管)です。科学技術に関する高度な知識と応用能力及び技術者倫理を備えている有能な技術者に技術士の資格を与え、有資格者のみに技術士の名称の使用を認めることにより、技術士に対する社会の認識と関心を高め、科学技術の発展を図ることとしています。

2.1.3.技術士試験の受験資格

技術士二次試験を受験するためには、下図の緑枠、つまり修習技術者である必要があります。


次の経歴1〜3のうち、どれかに該当する必要があります。ほとんどの受験生が、経路3に該当すると聞きます。私も経路3で受験しました。
【経路1】指導技術士の基で実務経験4年以上
【経路2】職務上の監督者の下での実務経験4年以上
【経路3】実務経験7年以上

なお、実務経験○年以上は、修習技術者になる前の期間をカウントしてもOKです。例えば、実務経験を7年積んだあと一次試験に合格すれば、次の機会で二次試験を受験することができます。

2.1.4.部門と専門分野

技術士二次試験の試験科目は、以下の通り全21種類に及びます。

21個の部門がありますが、「総合技術管理部門」だけは別物です。総合技術管理部門は、出題範囲が広く、通常は他の20部門に合格したあとに受験します。

21部門の下に、さらに専門分野が分かれます。各専門分野と、専門分野のキーワードは、技術士会からこのように提示されています。

1.機械部門
1-1 機械設計
設計工学、機械総合、機械要素、設計情報管理、CAD(コンピュータ支援設計)・CAE(コンピュ ータ援用工学)、PLM(製品ライフサイクル管理)その他の機械設計に関する事項

1-2 材料強度・信頼性
材料力学、破壊力学、構造解析・設計、機械材料、表面工学・トライボロジー、安全性・信頼性工学 その他の材料強度・信頼性に関する事項

1-3 機構ダイナミクス・ 制御
機械力学、制御工学、メカトロニクス、ロボット工学、交通・物流機械、建設機械、情報・精密機器、 計測機器その他の機構ダイナミクス・制御に関する事項

1-4 熱・動力エネルギー 機器
熱工学(熱力学、伝熱工学、燃焼工学)、熱交換器、空調機器、冷凍機器、内燃機関、外燃機関、ボイラ、太陽光発電、燃料電池その他の熱・動力エネルギー機器に関する事項

1-5 流体機器
流体工学、流体機械(ポンプ、ブロワー、圧縮機等)、風力発電、水車、油空圧機器その他の流体機器 に関する事項

1-6 加工・生産システム・ 産業機械
加工技術、生産システム、生産設備・産業用ロボット、産業機械、工場計画その他の加工・生産システム・産業機械に関する事項

その他の部門は、こちらの技術士会HPを参照してください。
https://www.engineer.or.jp/c_topics/002/attached/attach_2255_1.pdf

しっかりと、技術士会のHPを見て、キーワードをチェックしてください。適性が無いことに気が付かず、他の専門分野で不合格となる方がいます。恥ずかしいことに、私は3回「材料強度・信頼性(材料力学)」の専門分野で受験して落ちています。「機械設計」の専門分野に切り替えたところ、合格できました。「勉強してみたい分野」ではなく、「今までの経験で回答できる分野」を選んだことが、上手くいった理由だと思います。

【本日のタスク(第2日目)】

あなたの業務内容で、「高等の専門的応用能力」に合致している事項を挙げましょう。「特許、学会発表、あなたの技術的アイデアが伴う業務」などは、高等の専門的応用能力に当たりやすいです。

ただし1点注意事項があります。

計画、研究、設計、分析、試験、評価又はこれらに関する指導の業務としてください。開発、実験、検証は技術士の業務に当たりません。あくまでも言葉の定義の問題ですが、技術士を受験するなら技術士法に従いましょう。業務経歴の文言は、一言一句責任をもって書く。試験官も恐らくそれくらいの熱意で読んでいます。口頭試験で合否に影響します。

業務の事項を挙げた後、どの部門、どの専門分野で受験するか考えてください。「過去問が解きやすい」で選ぶと失敗します。「自分の業務経歴に合致する」「業務経験を思い出せば回答できる」ような専門分野を選択してください。1日で決める必要は無いです。専門分野のキーワードは、こちらの技術士会HPを必ず確認してください。
https://www.engineer.or.jp/c_topics/002/attached/attach_2255_1.pdf

2.2.技術士試験の概要

2.1.1.受験申込書の概要

✔4月に提出し、主に業務経歴を記載する
✔口頭試験の合否審査に含まれる

実は、受験申込書を提出する時点で、技術士二次試験の審査が始まっています。受験申込書の出来が悪いと、口頭試験で本当に苦しい試験が待っています。受験申込書の内容は、大きく以下の通りです。

1.住所や生年月日、受験科目などの基本情報
2.技術士二次試験を受験する資格の証明(一次試験の合格証など)
3.実務経験証明書
→口頭試験での審査対象
4.業務内容の詳細
→口頭試験での審査対象

受験申込書は4月の限られた間のみ、日本技術士会のホームページから入手可能です。参考のために、令和4年度の受験申込の手引きURLを掲載します。https://www.engineer.or.jp/c_topics/008/attached/attach_8545_2.pdf

受験申込書は、4月に提出します。
5つの業務経歴を短文で紹介し、そのうち1つの業務を720字で詳細説明します。この720字の業務詳細が、口頭試験の審査で大変重要な項目です。そして、720字の論文を仕上げることが、最初の技術士試験の壁となります。

たかが720字、されど小論文。自分で課題設定をし、解決策と効果の評価を論述する必要があります。対策方法は後述しますが、2月から受験申込書の作成に着手し、3月頭からは毎週受験申込書の添削を受けましょう。例えば、「開発」の業務は、技術士としての業務に当たりません。「開発」の中で、「設計」なのか「計画」なのか「試験」なのか、自分が行った技術士業務を明確にする必要があります。このような気づきは独学では難しいので、講師に添削いただくのが一番です。

2.1.2.筆記試験の概要

✔600字原稿用紙を1日で9枚書き上げる
✔合格率は15%程度と非常に難関
✔7月に試験があり、合格発表は10〜11月

  筆記試験は「記述形式」です。600字の原稿用紙を複数枚一気に書き上げます。正直、時間との戦いです。筆記に慣れていないと、手が痛くて記述が追いつきません。
令和4年度の筆記試験は、次のようなスケジュールでした。
・10:00〜12:00 必須科目Ⅰ(600字原稿用紙3枚)
・13:00〜16:30 選択科目ⅡとⅢ(600字原稿用紙6枚)
例年このスケジュールですが、念の為技術士会のHPでチェックしてください。

筆記試験の合格率は、部門で差がありますが、平均15〜20%です。合格率は、こちらで公開されています。令和5年の筆記試験は、7月17日(月,祝)に行われます。合格発表は10月です。

他にも筆記試験の雰囲気を把握するために、過去問や当note末尾の再現答案を見ると良いでしょう。過去問は、技術士会のHPにアップされています。

2.1.3.口頭試験

✔20分間、複数人の面接官から面接を受ける
✔合格率は80%程度と高め
✔12月~1月に試験があり、筆記試験の合格者のみ受験する

口頭試験は、筆記試験の合格者のみ受ける面接形式の試験です。20分間、2〜3人の面接官から質問を受けて、素早く回答します。口頭試験は東京で行われるため、多くの方が新幹線や飛行機を利用して受験する一大イベントとなります。なお、私の口頭試験は、以下の会議室風な場所で試験がありました。

口頭試験の合格率は公表されていませんが、筆記試験の合格者と全体の合格者が公表されているため、算出可能です。私調べですが、令和2年度の口頭試験の平均合格率は、80%程度です。しかし、機械部門は近年70%程度で推移しており、機械部門は厳しいと言われています。

令和2年度 口頭試験の合格率

合格率が高い口頭試験ですが、難関の筆記試験を突破した人でも落ちるため、厳しい試験です。私は7回ほど模擬口頭試験を受け、約70個の想定問答に応えられるよう準備しました。

口頭試験は、12月〜1月に実施されます。筆記試験の合格発表後、約1週間後に合格通知が郵送され、その合格通知に試験日が記載されています。私の場合は、11月1日に筆記試験の合格が分かり、12月11日が口頭試験でした。つまり、試験の準備期間は、1ヶ月と少しです。この短期間に集中して対策するので、非常に心身が疲れます。

【本日のタスク(第3日目)】
筆記試験の当日と、口頭試験の当日をイメージしてください。
筆記試験・・・当日に新しいことを考える余裕はありません。試しに600字答案を2枚模写してください。何分かかったか、タイムを計測してください。模写する答案は、記事末尾にある「7.付録 7.3.選択Ⅱ-2-1(R4機械設計)再現答案」を参照して構いません。ゆっくり書くと、40分くらいかかると思います。本番は、構成と内容を考えた上で、60分で書く必要があります。

口頭試験・・・恐らく用意していない質問が数個来ます。相手はベテランの技術士です。筋の通っていない説明は、見抜かれます。2分間目をつむって、当日をイメージしてください。

3.試験準備

3.1.技術士にふさわしい人物像とは

技術士二次試験を受験するに当たって、最重要ワードとなる「コンピテンシー」。技術士試験の「審査項目」になっているコンピテンシーは、試験合格を目指すなら理解が必須です。「審査項目」は、受験申込書に明記されています。参考までに、令和4年度のURLを貼り付けます。https://www.engineer.or.jp/c_topics/008/attached/attach_8545_2.pdf

例えば選択科目Ⅱ-1の評価項目は、専門的学識とコミュニケーション

3.1.1.広義のコンピテンシー

コンピテンシーとは、結果を出し続ける人の行動特性の事を言います。技術士に関係なく、コンピテンシーという言葉はアメリカでよく使われているようです。日本ではあまり浸透していませんが、人事に関わる人に使われています。

「コンピテンシーとは、組織の置かれた環境と職務上の要請を埋め合わせる行動に結びつく個人特性としてのキャパシティ、あるいは、強く要請された結果をもたらすものである」。

アメリカ:ボヤティズ(1982)

3.1.2.技術士に求められる資質「コンピテンシー」とは?

では技術士にはどんな資質が求められるでしょうか?以下、文部科学省のホームページから引用した説明文です。

【本日のタスクでは、以下の説明文を、音声読み上げアプリに貼り付けてください】
 
技術の高度化、統合化等に伴い、技術者に求められる資質能力はますます高度化、多様化している。
 これらの者が業務を履行するために、技術ごとの専門的な業務の性格・内容、業務上の立場は様々であるものの、(遅くとも)35歳程度の技術者が、技術士資格の取得を通じて、実務経験に基づく専門的学識及び高等の専門的応用能力を有し、かつ、豊かな創造性を持って複合的な問題を明確にして解決できる技術者(技術士)として活躍することが期待される。
 このたび、技術士に求められる資質能力(コンピテンシー)について、国際エンジニアリング連合(IEA)の「専門職としての知識・能力」(プロフェッショナル・コンピテンシー、PC)を踏まえながら、以下の通り、キーワードを挙げて示す。
 これらは、別の表現で言えば、技術士であれば最低限備えるべき資質能力である。 技術士はこれらの資質能力をもとに、今後、業務履行上必要な知見を深め、技術を修得し資質向上を図るように、十分な継続研さん(CPD)を行うことが求められる。

専門的学識
技術士が専門とする技術分野(技術部門)の業務に必要な、技術部門全般にわたる専門知識及び選択科目に関する専門知識を理解し応用すること。技術士の業務に必要な、我が国固有の法令等の制度及び社会・自然条件等に関する専門知識を理解し応用すること。

問題解決
業務遂行上直面する複合的な問題に対して、これらの内容を明確にし、調査し、これらの背景に潜在する問題発生要因や制約要因を抽出し分析すること。複合的な問題に関して、相反する要求事項(必要性、機能性、技術的実現性、安全性、経済性等)、それらによって及ぼされる影響の重要度を考慮した上で、複数の選択肢を提起し、これらを踏まえた解決策を合理的に提案し、又は改善すること。

マネジメント
業務の計画・実行・検証・是正(変更)等の過程において、品質、コスト、納期及び生産性とリスク対応に関する要求事項、又は成果物(製品、システム、施設、プロジェクト、サービス等)に係る要求事項の特性(必要性、機能性、技術的実現性、安全性、経済性等)を満たすことを目的として、人員・設備・金銭・情報等の資源を配分すること。

評価
業務遂行上の各段階における結果、最終的に得られる成果やその波及効果を評価し、次段階や別の業務の改善に資すること。

コミュニケーション
業務履行上、口頭や文書等の方法を通じて、雇用者、上司や同僚、クライアントやユーザー等多様な関係者との間で、明確かつ効果的な意思疎通を行うこと。海外における業務に携わる際は、一定の語学力による業務上必要な意思疎通に加え、現地の社会的文化的多様性を理解し関係者との間で可能な限り協調すること。

リーダーシップ
業務遂行にあたり、明確なデザインと現場感覚を持ち、多様な関係者の利害等を調整し取りまとめることに努めること。海外における業務に携わる際は、多様な価値観や能力を有する現地関係者とともに、プロジェクト等の事業や業務の遂行に努めること。

技術者倫理
業務遂行にあたり、公衆の安全、健康及び福利を最優先に考慮した上で、社会、文化及び環境に対する影響を予見し、地球環境の保全等、次世代に渡る社会の持続性の確保に努め、技術士としての使命、社会的地位及び職責を自覚し、倫理的に行動すること。業務履行上、関係法令等の制度が求めている事項を遵守すること。業務履行上行う決定に際して、自らの業務及び責任の範囲を明確にし、これらの責任を負うこと。

文部科学省のホームページ

上記のように、8つのコンピテンシーが挙げられており、これを図解します。

3.1.3.コンピテンシーの覚え方

8個もあるので、すべて覚えるのは大変ですよね。そこで簡単に覚えるコツが有ります!

「専門マ評コリ技継」と覚えましょう!

頭文字を並べただけですが、1分間呪文のように読み書きすれば覚えられます。「メラ」「メラミ」「メラゾーマ」とドラクエの呪文は覚えられますよね。それより文字数は少ないので覚えられるはずです!

さあ、鉛筆と紙を用意して、1分間書き続けましょう!
「専門マ評コリ技継」
「専門マ評コリ技継」
「専門マ評コリ技継」
はい!本日のタスクで確認しますね!

3.1.4.問われるコンピテンシーを意識する

覚えたコンピテンシーが、どの設問で審査されるか、把握しておきましょう。令和4年度の受験申込書を見ると、審査されるコンピテンシーが把握できます。

例えば選択科目Ⅱ-1の評価項目は、専門的学識とコミュニケーション

Ⅰ必須科目の評価項目・・・
専門的学識、問題解決、評価、技術者倫理、コミュニケーション

Ⅱ選択科目の評価項目・・・
専門的学識、マネジメント、リーダーシップ、コミュニケーション

Ⅲ選択科目の評価項目・・・
専門的学識、問題解決、評価、コミュニケーション

口頭試験の評価項目・・・
コミュニケーション、リーダーシップ、評価、マネジメント、技術者倫理、継続さん

ここで重要な事は、各問題で評価対象のコンピテンシーが明記されている事です。言い方を変えれば、問われていないコンピテンシーをアピールしても、評価されません。私の失敗談ですが、令和2年の問題Ⅱにて「問題解決」と「評価」を熱心に回答してしまいました。しかし「マネジメント」と「リーダーシップ」を答えていないので、得点は2/4つまり50%以下です。
これを読んだ皆様は、各問題番号でのコンピテンシーに過不足なく答えられるようにし、得点してください。

【本日のタスク(第4日目)】
「専門マ評コリ技研」を1分間に30回言ってください。
その後、「専門マ評コリ技研」を1分間に10回書いてください。
コンピテンシーの説明文を、スマホの音声読み上げアプリに貼り付けて聞いてください。できれば、スキマ時間に聞く癖をつけましょう。
技術士補向けガイダンスを一読してください。
https://www.engineer.or.jp/c_topics/003/attached/attach_3637_1.pdf

3.2.学習計画と講師の見つけ方

3.2.1.学習計画

技術士二次試験の学習計画は、「受験申込書」「筆記試験」「口頭試験」のポイントで考えます。受験申込書は4月中旬提出、筆記試験は7月中旬、口頭試験は12〜1月です。これらを起点に、全体スケジュールを立てると、次のようになります。

全体スケジュール
~1月 準備期間です。
2月 申込書を書きます。
3月 申込書対策の佳境です。
4月~7月 筆記試験対策の佳境です。
8月~9月 お休み期間です。
10月 口頭試験対策を開始します。
11月~12月 口頭試験対策の佳境です。

上記の全体スケジュールは、全ての受験生で共通です。ここからは、1年で合格するためのスケジュールを紹介します。私の場合では、2枚論文のⅡ-2、3枚論文のⅠとⅢで、合格レベルの答案を各5種完成させました。

ポイントは、毎週1回添削を受け、1週間に1種答案を完成させることです。そして、本番2週間前に模試を受け、1回分の答案を完成させます。

すると、4月頭から筆記試験対策をすれば、答案作成が間に合います。

詳細スケジュール
2023年のカレンダーに合わせた詳細スケジュールは次の図のとおりです。なお、私はこのスケジュールどおり試験対策を行いました。前倒しも後ろ倒しもしていません。

3月の勉強スケジュール
4月の勉強スケジュール
5月の勉強スケジュール
6月の勉強スケジュール
7月の勉強スケジュール

平日月曜〜金曜に答案を作成し、金曜に答案を提出します。講師の方に土日で添削してもらい、月曜に返却(可能なら講評)してもらいます。添削してもらっている土日の間に、キーワード学習や選択科目Ⅱ-1など基礎学習を行います。答案作成は、パソコンで行いました。本番は筆記なので、腕の筋トレのために本番1ヶ月前から毎日2枚以上答案を書きました。受験申込書対策や、筆記試験対策の具体的な内容は、5章と6章を参照してください。

3.2.2.学習に対する姿勢と周囲の理解
添削を受けて合格する気で受験するなら、必ず1年で合格する覚悟を持ちましょう。何年かかっても良いと考えると、一生受かりません。

ご家庭を持っている方は、家庭に理解が得られるよう、家事育児の積極参加を推奨します。仕事は、無理して残業する必要はないと思いますが、確実に成果が出せるよう集中して取り組みましょう。社内や家庭で理解が得られないと、受験勉強も身が入らないと思います。ここは試験準備と考え、限られた時間の中で、バランスを得られる時間配分をご自身で研究してください。

私の場合は、定時中は集中して仕事に取り組む。子供が寝るまでは家庭を優先する。移動時間は音声での学習に充てる。答案作成は、平日の朝に1時間早く出勤して、答案作成の時間を優先する。土日は家庭を優先しつつ、余裕があれば選択Ⅱ-1など基礎学習をする。という具合に時間を確保しました。

3.2.3.自分に合った講師の出会い方
技術士二次試験を突破するに当たって、講師を見つけることは大変重要だと考えます。なぜなら、試験形式が記述式と面接なので、択一式のように暗記での対応が難しいからです。なかには、独学ですぐに合格する天才もいるでしょう。しかし私の場合は、独学では歯が立たず、3回落ちました。良い講師を見つけて、効率よく合格することを推奨します。

では、どのように講師を見つけるか。まずは、社内の関係者など、身近なところからツテを探すと良いです。社内で技術士がいれば、合格の秘訣を聞きましょう。ひょっとすると、講師の紹介があるかもしれません。ここは合否の最重要ポイントなので、貪欲に講師を探しましょう。遠慮する必要はありません。講師も、やる気があって、一発で合格する熱意のある人を求めています。私の場合は、社内の先輩に合格の秘訣を聞いたところ、社内の講師を紹介してもらえることとなりました。

どうしても身近に講師が見つからなければ、有料の講座を受けることを勧めます。ただし、高額なお金を払う必要はありません。毎週添削を受けても、10万円を超えない通信講座を選びます。

高いお金を払えば合格できると考える人もいるかもしれませんが、私は決してそう思いません。中身が全く同じでも、価格が高い物の方が、価値があると信じるのが人間の心理です。その心理を悪用した業者は、枚挙にいとまがありません。

毎週添削を受けつつ、10万円以内で合格するなら、スタディングかアガルートだと思います。初期コストが低く無難な講座が良ければスタディング、確実に合格する自信があればアガルートが良いです。
私は社内の講師から添削を受けつつ、スタディングとアガルートも受講しました。両講座とも価格が低い上に、大変良い講座だと感じました。

初期費用はスタディングが安い
合格すればアガルートが安い

スタディングでは、同じ部門の講師から、細かい専門用語の違いまで指摘を受けました。社内講師は電気電子部門、アガルート講師は経営工学部門だったので、同じ機械部門講師からの指摘は値千金でした。

アガルートでは、受験申込書のレベルを引き上げ、模擬口頭試験で新たな視点を得られました。講師と住む場所が近く、模擬口頭では雑談に花が咲いたのは想い出です。

講座はこちらの記事で徹底比較しているので、よければ参照してください。

スタディングとアガルート2社のみの比較は、この記事を参照してください。

【本日のタスク(第5日目)】
・あなたのスケジューラに、「申込書提出日」「筆記試験日」「筆記合格発表日」を書きましょう。
・あなたの宣言を、手帳やスケジューラに書いてください。トイレに張り紙してください。
・あなたが今年技術士試験に合格することを、会社の同僚や上司、奥様もしくは旦那様に宣言してください。Twitterをしている方は、Twitterで宣言してください。
・社内に講師がいるか、探し始めてください。社内で技術士がいる方は、その人にコンタクトを取りましょう。

noteの無料はここまでです。令和4年度のA判定再現答案など、これから先は有料とさせていただきます。

4.論文作法を学ぶ

4.1.正しい文章作法

まず、論文作法の前に、日本語として正しい文章作法を確認しましょう。正しい日本語の例は、新聞があります。言葉の意味を調べる場合は、広辞苑を使用します。私の技術士講師は、ネット検索で手に入る「口語的な」表現を鵜呑みにせず、広辞苑を引く癖を付けていました。
 技術士試験の受験生が不合格な理由は、技術論文の文章作法を無視している、との意見も某講座の先生から聞きました。技術論文の文章作法は、以下を留意します。

(1) 問われたことにだけ答える
(2) 主語、述語を明確にする
(3) 短く歯切れの良い文章とする
(4) この,その,これ,それ,指示語を明確にする
(5) 現代表記法を正しく使用する

恥ずかしい事に、私は受験4回目にしてやっと、文章作法をしっかり学びました。私の場合は、添削を受けた際に、大幅な修正をいただくという形で学びました。文書作法は理解していたつもりですが、実際に添削で指摘されて、初めて気が付くこともあります。
それでは、技術論文作成のための文章作法を説明します。

(1) 問われたことにだけ答える
 試験では、問われていないことに対する解答は、得点が入りません。どんなに技術的に素晴らしい事を書いても、問われていなければ0です。例題から説明します。

【令和3年度 機械部門 機械設計】
Ⅱ-1-1 非破壊試験の方法を2つ挙げ、それぞれの原理、特徴及び主な適用可能な対象について述べよ

この設問を読んで、非破壊試験の方法が4つも5つも思い浮かぶかもしれません。しかし、この問題で求められているのは、①非破壊試験の方法を2つ挙げること ②それぞれの原理、特徴、主な適用可能な対象を述べること です。そのため、答案の枠組みは、以下のように決めることができます。

非破壊試験の方法として、○○法と△△法を説明する。
1-1.○○法の原理
1-2.○○法の特徴
1-3.○○法の主な適用可能な対象
2-1.△△法の原理
2-2.△△法の特徴
2-3.△△法の主な適用可能な対象
※冒頭の「非破壊試験の方法として、○○法と△△法を説明する。」の前置きは、章立てを見れば既知であり答案スペース確保の観点から、不要と言う先生もいます。
 この枠組みを書くことを習慣化してください。そうすると、残りの回答スペースがどれだけ有るか把握でき、問われていない無駄な回答を書くことが無くなります。答案の枠組みは、章立て番号を付ければそのまま論文になります。章立て番号は、ご自身の専門分野の論文を見て確認してください。機械部門は、1・1・2 のような番号の振り方でした。章立て番号の振り方が違ってるからと減点されることは無いと思いますが、試験官が違和感を覚えないような自然な番号としてください。

(2) 主語、述語を明確にする
 論文作成に慣れても、本当によくやるミス…。それが、「主語」と「述語」が明確になっていない。というミスです。メールやブログでは、口語での文書作成となるため、「主語」と「述語」を曖昧にしがちです。

まずは、悪い例を紹介します。こちらの悪い例は、助詞の「は」「が」がありません。

悪い例:製品例として、図1の巻上機ブレーキ(以下、BK)を想定する。綱車を摩擦保持しカゴを静止させる安全機械である。

続いて、良い例がこちらです。「は、」を使うことで、主語の場所がはっきりと分かります。

良い例:製品例、図1の巻上機ブレーキ(以下、BK)を想定する。BK、綱車を摩擦保持しカゴを静止させる安全装置である。

もう一例紹介します。

悪い例:定期的に品証・資材・工作担当者を集め、データの変更点や他機種への展開等コミュニケーションを図り、次製品の開発もスムーズに行える。

良い例:製品の開発円滑化では、定期的に品証・資材・工作担当者を集め、データの変更点や他機種への展開などコミュニケーションを図る。

少しの改善ですが、効果は大きいです。恥ずかしいことに、私は何回も添削で指摘され、主語と述語が書けるようになりました。

(3) 短く歯切れの良い文章とする
 短く歯切れの良い文章とします。筆記試験の原稿用紙は、1行で24文字です。3行(72字)以上の長文は、避けましょう。

句読点「、」は2個まで。多くても3個が許容限度です。短すぎて要点が伝わらないことは良くないですが、長すぎる文章は読みにくいです。

こちらは、私が最初に書いた悪い答案です。

悪い例:PDM(プロダクトデータマネジメント)を活用し、品証・資材・工作部門と常に最新のデータを共有することで後戻りを防ぐとともに、定期的に関係者を集め、データの変更点や他機種への展開などコミュニケーションを図ることで、次製品の開発もスムーズに行える。

長すぎて、何が何だか分かりません。主語も曖昧です…。先ほどの文章は、赤ペンを貰って、次のように修正しました。

良い例:後戻りのない開発では、PDM(プロダクトデータマネジメント)を活用し、品証・資材・工作部門と常に最新情報を共有する。次製品の開発円滑化では、定期的に関係者を集め、データの変更点や他機種への展開などコミュニケーションを図る。

文章を切ることで、主語と述語の関係も明確になりました。

(4) この,その,これ,それ,指示語を明確にする

この,その,これ,それ,の指示語を何を示しているか、指示語を明確にしましょう。恥ずかしながら、私は添削で何回も指摘されました。皆様はここでしっかり学び、論文作成に活かしてください。

まず、指示語が明確になってない、悪い例を示します。

例:ブレーキの制動力不足により、戸開走行し、人が圧死した事故例がある。これを防ぐため、UCMPなどの認定規約が定める事項を調査する。

皆様は、上の文章を読んだ時、どう感じたでしょうか?何も違和感を感じなかったとすれば、「日本語の曖昧さ」に浸かっています。

・これを防ぐってどれを防ぐのか?

制動力不足を防ぐのか、戸開走行を防ぐのか、人が圧死することを防ぐのか曖昧です。

この文章例を添削で修正した結果は、以下の通りです。

ブレーキの制動力不足により、戸開走行し、人が圧死した事項例がある。この制動力不足の防止では、UCMPなどの認定規約が定める事項を調査する。

この文例の通り、指示語を曖昧にしない癖を付けたところ、添削での評価が上がってきました。

(5) 現代表記法を正しく使用する

(5)-1 符号の使い方
普段は符号の正しい使い方を意識しないと思います。技術論文を書くときは、符号を正しく使うよう注意しましょう。

「。」句点
 文の終わりに打ちます。しかし、箇条書や題目には打ちません。

「、」読点
 主語を明確にするために打ちます。(効果的)
 接続詞、副詞のあとに打ちます。
 その他、文の切れ目に打ちます。

「・」なかぐろ
 複数の単語を並列するときの区切りに使います。
 例:品質・コスト・納期

「」かぎかっこ
 語句を「」で包み、強調します。字数が限られる技術士の技術論文では、「」が効果的です。

()かっこ
 補足や注釈に使います。

(5)-2 ひらがなを正しく使う

○以下のとおりである。 ×通り
○設計することに留意する。 ×事
○提案していく。 ×行く
○したがって、以下とする。 ×従って

論文では使用を控えたい副詞
△まったく、すべて、もっとも、ついに、たびたび、さまざまな、いろいろな、単に、決して、依然、突然、結局

【本日のタスク(第6日目)】1月27日までに追記予定
次の文章は、ダメな文章の典型例です。どこがダメか、ダメ出ししてください。

悪い例1:DR実施時はVRを活用し、組立時の作業手順や現場での作業性の確認を行う。後工程の知見を設計にフィードバックし、品質を作り込む。

悪い例2:製品例として図1のブレーキを想定する。綱車を摩擦保持しカゴを静止させる安全装置である。

悪い例3:開発の各工程では関連部門の関係者とDRを実施する、その際にVRを活用し、組立時の作業手順や現場での作業性の確認等を行う。

悪い例4:ブレーキの制動力不足により、戸開走行し、人が圧死した事故例がある。これを防ぐため、UCMPなどの認定規約が定める事項を調査する。

悪い例5:従って、疲労強度の設計は、以下の通りとする。

例1の悪い点:主語と述語が明確になっていない。
例1の改善例:DR実施時はVRを活用し、組立時の作業手順や現場での作業性の確認を行う。品質の作り込みでは、後工程の知見を設計にフィードバックする。

例2の悪い点:主語と述語が明確になっていない。
例2の改善例:製品は、図1のブレーキを想定する。ブレーキは、綱車を摩擦保持しカゴを静止させる安全装置である。

例3の悪い点:指示語が明確になっていない(その際が不明)
例3の改善例:開発の各工程では、品証・資材・工作部門の担当者とDRを実施する。DR実施時はVRを活用し、組立時の作業手順や現場での作業性の確認を行う。

例4の悪い点:指示語が明確になっていない(「これ」とは何?)
例4の改善例:ブレーキの制動力不足により、戸開走行し、人が圧死した事項例がある。この制動力不足の防止では、UCMPなどの認定規約が定める事項を調査する。

例5の悪い点:ひらがなが正しく使われていない
例5の改善例:したがって、疲労強度の設計は、以下のとおりとする。

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