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【令和5年合格者執筆】15日で完了!技術士二次試験の合格に向けた最高のスタートを実践形式で解説

「たけゆう、やるじゃん!」
海外販社に出向していて、おそらく年収1000万円以上を貰っている技術士の先輩からの一言だった。いつも気さくで軽いメールを送ってくれるが、技術や論文の意見は鋭い先輩。そんな先輩の背中を追って、私は4回目になる技術士二次試験に臨んだ。

・・・今年こそは合格する。いつもと違うんだ。このnoteに書いてあることは、全て実践してきた。

令和4年11月1日の午前6時。筆記試験の合格者が文部科学省のホームページに掲載される。筆記試験の合格率は約15%だ。思わずページをめくる手が震える。今まで一度も合格したことがない筆記試験。やっぱ今年もダメか…?
そう思った瞬間、…あった…!あった、あった!!うおおおおお!!!
ついに、私は難関の技術士筆記試験に合格した。結果は必須科目Ⅰと選択科目Ⅱ、Ⅲで全てAのオールA。すぐに先輩に報告した。
「たけゆう、やるじゃん!」
※この後、口頭試験で不合格となる大波乱。しかし翌年令和5年度に、筆記はオールAで再度合格。口頭試験もリベンジを果たし、技術士合格者の仲間入りを果たしました。

【結論:私が筆記合格できた理由】
・3月から7月まで毎週1回必ず添削を受けた
・今年こそは絶対合格する覚悟を持った
・よき指導者に出会えた

【このnoteで手に入ること】
・添削を受ける前の準備が15日で完了する
・基礎力が付いて答案を書きたくなる


1.はじめに

数ある書籍や講座の中から、当noteを手に取っていただき、ありがとうございます。この技術士noteは、3回の不合格後、令和4年度に機械部門・機械設計分野で筆記合格した私が、技術士二次試験をなるべく早く安く合格したい方に向けて書きました。(口頭試験は令和5年度に合格)

【当noteの特徴】
・noteを読みながら、例題を通じて実践的に学べます
・合格までのスケジュールが明確になり、やるべき事が絞り込めます
・当noteの学習は、2週間で完了します
・当noteの学習後は、受験申込書や論文を書き、添削を受けていただくことを推奨します
・当noteの学習は、1~2月が最も効果的となります
・口頭試験用のnoteは、別途作成予定です

【当noteの特典】
・機械部門の必須Ⅰと機械設計の選択Ⅱ,ⅢのR4年A判定再現答案つき

なぜ技術士になりたいか

まず、技術士試験の攻略の話をする前に、「なぜ技術士になりたいか」その根幹を話させてください。あなたは、なぜ技術士になりたいですか?面接用の受験動機ではなく、本心に迫ってください。

・難しい技術を分かりやすく伝える能力が欲しい
・もっと専門技術で社会に貢献したい
・会社で出世したい
・お金と時間の自由を手に入れたい

実は以前、Twitterで技術士試験をなぜ受験するか。忖度の無い意見をアンケートで募りました。その結果、「時間とお金の自由を得る」が55%を占めていました。この結果には驚きました。

技術士二次試験は、難易度が高く、簡単に合格はできません。
少なくとも私の場合は、3回の不合格を経験しました。
人は、本能レベルで欲求しなければ、努力が長続きしないと聞きます。

今こそ学びたい技術士

口頭試験では言えませんが、私の受験動機の根幹は、「時間とお金の自由が欲しい」です。私は、激務と育児の狭間で、心身が参ってしまったことがあります。職場の環境は、長時間労働が常態化していました。私は体調を崩し、産業医が勧める精神科へ通った結果、心身症と診断。機械設計の花形部署から、保守企画の窓際部署への異動が決まりました。

その経験から、「FIRE:Financial Independence Retirement Early」(経済的自立と早期退職)に興味を持ちました。生活費は可能な限り切り詰め、3人家族で生活費を年間120万円まで圧縮しました。すると、年間300万円ほど貯金や投資に回せるようになりました。今までほど給料を貰わなくても、満足した生活が送れることに気が付き、残業代は不要と感じました。幸い、異動後の部署が激務ではなかったため、残業がほぼ0になるよう努めました。会社が黒字なら、仕事ができている社員に、残業を強要することはできません。(当時は残業する人が多数派だったので、私は少し白い目で見られましたが、毎晩家族と夕ご飯を食べる方を優先しました。)

定時で帰って家族と過ごせ、時間も余裕がある。こんな時間が永遠に続けば良いのに…。しかし、定時で帰って勉強も何もしないと、「使えない社員の仲間入り」になる不安がありました。仕事ができなければ、結局周囲の不満を強く買い、ストレスを抱えるかもしれません。それから、仕事の貢献がイマイチだと、奮闘している同期に申し訳ない気持ちが湧きます。

そこで、私はスキマ時間にyoutubeを見るのではなく、資格勉強とブログ運営を全力で取り組むことにしました。資格で勉強すれば、専門知識が向上し、ブログ運営すれば、お金を稼ぎながら人に伝えられる文章力が身に付くと考えました。

このスキマ時間活用は、私の人生を大きく変えました。

年間労働時間は、2400時間から1800時間へと減少しました。更に本業と副業を合わせた収入は大台を目前という水準に達しました。技術士二次の筆記試験に合格し、年間の貯蓄額を増やしながら定時で帰り続けることに成功しました。この成功は、技術士二次試験の以下特性から導き出されました。

・技術士資格の報奨金額も待遇も、社内上位クラスだった
・技術士の形式が筆記と面接なので、アウトプット力や仕事力が向上した
・仕事力が向上したので、定時帰りしながら職位と給料を上げられた

筆記合格した後は、情報発信をしたときに、より話を聞いてもらえるようになりました。※和5年度に口頭試験も合格したことでより一層です。このようなメリットを感じるからこそ、皆様にも技術士を取得して欲しいです。このnoteを手に取ったあなたが、願いを叶えられれば、嬉しいです。

今こそ学びたいことは、技術士の資格勉強の中にありました。

【本日のタスク(第1日目)】

 技術士の受験動機を、本能レベルで考えてください。1日で答えがでなくても良いです。受験勉強しながらボンヤリ考えてみましょう。心の底からワクワクするような未来を考えましょう。

・あなたはなぜ技術士になりたいですか?
・技術士の勉強をすることが、願いを叶えるための必要ピースだと思いますか?
・あなたが本当に得たいものは何ですか?

他に優先したいことがあれば、技術士の勉強をすることが正解ではないかもしれません。技術士試験に合格する事・試験勉強することが、自分の本能レベルで満足いかないと、挫折するかもしれません。

【参考となる考え方】
・今よりもっと話を聞いてもらえるようになりたい
 →話を聞いてもらえるのは、承認欲求に直結するので、効果が大きいです。人は、実績を持っている人の話を聞きます。例えば、目の前で内閣総理大臣がスピーチすれば、多くの人が耳を傾けるでしょう。

・上司から「成長したね」と言ってもらえるようになりたい
・技術士は取得者数が少なく、希少な資格なので、それを活かして技術コンサルでの時給や訴求力を上げたい

2.技術士二次試験の概要

2.1.技術士の概要と受験資格

2.1.1.技術士とは

技術士は、技術士法により以下のとおり定義されています。

第一条 この法律は、技術士等の資格を定め、その業務の適正を図り、もって科学技術の向上国民経済の発展に資することを目的とする。

第二条 この法律において「技術士」とは、第三十二条第一項の登録を受け、技術士の名称を用いて、科学技術(人文科学のみに掛かるものを除く。以下同じ。)に関する高等の専門的応用能力を必要とする事項についての計画、研究、設計、分析、試験、評価又はこれらに関する指導の業務を行う者をいう。

技術士法より引用

法の文章なので、少し難解ですが、技術士を知る上で最重要な条文です。「高等の専門的応用能力」を必要とする事項の「計画、研究、設計、分析、試験、評価またはこれらに関する指導」の業務を行うのが技術士です。

技術士の役目を一言で言うと「科学技術を用いて、安全で快適な社会を継続させること」となります。

2.1.2.技術士制度とは

技術士は、技術士法に基づいて行われる国家試験に合格し、登録した人に与えられる称号です。(文部科学省所轄)
技術士制度は、「科学技術に関する技術的専門知識と高等の専門的応用能力及び豊富な実務経験を有し、公益を確保するため、高い技術者倫理を備えた、優れた技術者の育成」を図るための国による資格認定制度(文部科学省所管)です。科学技術に関する高度な知識と応用能力及び技術者倫理を備えている有能な技術者に技術士の資格を与え、有資格者のみに技術士の名称の使用を認めることにより、技術士に対する社会の認識と関心を高め、科学技術の発展を図ることとしています。

2.1.3.技術士試験の受験資格

技術士二次試験を受験するためには、下図の緑枠、つまり修習技術者である必要があります。


次の経歴1〜3のうち、どれかに該当する必要があります。ほとんどの受験生が、経路3に該当すると聞きます。私も経路3で受験しました。
【経路1】指導技術士の基で実務経験4年以上
【経路2】職務上の監督者の下での実務経験4年以上
【経路3】実務経験7年以上

なお、実務経験○年以上は、修習技術者になる前の期間をカウントしてもOKです。例えば、実務経験を7年積んだあと一次試験に合格すれば、次の機会で二次試験を受験することができます。

2.1.4.部門と専門分野

技術士二次試験の試験科目は、以下の通り全21種類に及びます。

21個の部門がありますが、「総合技術管理部門」だけは別物です。総合技術管理部門は、出題範囲が広く、通常は他の20部門に合格したあとに受験します。

21部門の下に、さらに専門分野が分かれます。各専門分野と、専門分野のキーワードは、技術士会からこのように提示されています。

1.機械部門
1-1 機械設計
設計工学、機械総合、機械要素、設計情報管理、CAD(コンピュータ支援設計)・CAE(コンピュ ータ援用工学)、PLM(製品ライフサイクル管理)その他の機械設計に関する事項

1-2 材料強度・信頼性
材料力学、破壊力学、構造解析・設計、機械材料、表面工学・トライボロジー、安全性・信頼性工学 その他の材料強度・信頼性に関する事項

1-3 機構ダイナミクス・ 制御
機械力学、制御工学、メカトロニクス、ロボット工学、交通・物流機械、建設機械、情報・精密機器、 計測機器その他の機構ダイナミクス・制御に関する事項

1-4 熱・動力エネルギー 機器
熱工学(熱力学、伝熱工学、燃焼工学)、熱交換器、空調機器、冷凍機器、内燃機関、外燃機関、ボイラ、太陽光発電、燃料電池その他の熱・動力エネルギー機器に関する事項

1-5 流体機器
流体工学、流体機械(ポンプ、ブロワー、圧縮機等)、風力発電、水車、油空圧機器その他の流体機器 に関する事項

1-6 加工・生産システム・ 産業機械
加工技術、生産システム、生産設備・産業用ロボット、産業機械、工場計画その他の加工・生産システム・産業機械に関する事項

その他の部門は、こちらの技術士会HPを参照してください。
https://www.engineer.or.jp/c_topics/002/attached/attach_2255_1.pdf

しっかりと、技術士会のHPを見て、キーワードをチェックしてください。適性が無いことに気が付かず、他の専門分野で不合格となる方がいます。恥ずかしいことに、私は3回「材料強度・信頼性(材料力学)」の専門分野で受験して落ちています。「機械設計」の専門分野に切り替えたところ、合格できました。「勉強してみたい分野」ではなく、「今までの経験で回答できる分野」を選んだことが、上手くいった理由だと思います。

【本日のタスク(第2日目)】

あなたの業務内容で、「高等の専門的応用能力」に合致している事項を挙げましょう。「特許、学会発表、あなたの技術的アイデアが伴う業務」などは、高等の専門的応用能力に当たりやすいです。

ただし1点注意事項があります。

計画、研究、設計、分析、試験、評価又はこれらに関する指導の業務としてください。開発、実験、検証は技術士の業務に当たりません。あくまでも言葉の定義の問題ですが、技術士を受験するなら技術士法に従いましょう。業務経歴の文言は、一言一句責任をもって書く。試験官も恐らくそれくらいの熱意で読んでいます。口頭試験で合否に影響します。

業務の事項を挙げた後、どの部門、どの専門分野で受験するか考えてください。「過去問が解きやすい」で選ぶと失敗します。「自分の業務経歴に合致する」「業務経験を思い出せば回答できる」ような専門分野を選択してください。1日で決める必要は無いです。専門分野のキーワードは、こちらの技術士会HPを必ず確認してください。
https://www.engineer.or.jp/c_topics/002/attached/attach_2255_1.pdf

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