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企業の社会貢献活動って何?島根の会社を見学して考えたこと

参加させていただいているセミナーで、島根県の石見銀山にある中村ブレイス株式会社さんにお伺いさせていただく機会がありました。
中村ブレイスさんは義肢装具・医療用装具の製造販売をされている会社です。先代で創業者の中村俊郎さん(現在は会長)がアメリカなどで義肢装具の勉強をし、地元の石見銀山に戻ってきて創業されました。

義肢装具の事業発展×地域の古民家再生?

石見銀山、世界遺産にも登録されていますが皆さん行ったことはありますか?
私も今回初めてお伺いしたのですが、出雲空港から車で一時間、公共交通機関だともう少しかかるでしょうか。言葉を選ばずにいうと辺鄙な立地です。
事業をするのも賑わいを作るもの普通であれば難しい場所、一緒に働いてくれる人を探すのも大変でしょう。

でも、この街で事業をしたい、街を活性化させたいと考えた中村さんは、本業の製品・サービスを展開させながら、事業で出た利益を少しずつ街の古民家の購入と改修に充てて街並みを再生していったんです。

義肢装具の事業発展と地域の古民家再生。一見すると何も関係が無いように感じますよね。

でも、実は繋がっていて。

改修した古民家を、県外から入社された社員さんの寮や、義肢装具を買いに来られたお客様の宿泊施設にされたそうです。
社員さんは住む場所があるし、お客様も安心して街にくることができる。
そうやって改修した古民家が増えてくると石見銀山が採掘でにぎわっていた頃の街並みが復活、観光客も訪れるようになり、飲食店や土産物屋も増えてくる。住んでいる方のためにコミュニティ施設や保育園も整備するとまたさらに定住者が増え、街に賑わいが戻ってくる。すると、この会社で働きたいという働き手も増えてくる。

本業でも、オーダーメイドが主流の義肢装具業界でいち早く既製品の開発に着手し、結果的に、中村ブレイスさんは島根県にありながら従業員80名を抱え、全国で展開する企業に。「日本でいちばん大切にしたい会社」大賞にも選ばれました。

凄い…会社も見学させていただきましたが、社員さんもあたたかく、穏やかで優しい空気の流れるとても素敵な会社でした。

作業の様子も見学させていただきました。

社会貢献と企業活動のシナジーを見つけていく

今回、お話を伺って、改めて企業の社会貢献活動について考えました。

社会貢献活動って、ひとことで言ってもいろんな手段がありますよね。
規模も大小あるし、環境、地域、経済…貢献できる分野もさまざまです。

ただ、どんな手段をとるにせよ、中村ブレイスさんのように長期的な目線で本業とシナジーを見出しながら実行していくことが大事なんじゃないかなと思いました。

でないと、社会貢献も事業存続も成り立たないですよね。
小手先の活動では本当の意味で社会に貢献できないし、地域のお役にも立てない。かといって事業と何ら関係のないことに投資していくと今度は会社が存続できません。

長期的な目線を持って、本業とのシナジーも考えながら、私たちが社会に貢献できることは何かを考え、実行していく。

なかなか簡単にできるものでもないと思います。
実は、平安伸銅業でも、どういう領域で社会に貢献していくかについて、「サステナビリティ宣言」を策定したのですが、これも今の事業や私たち経営者の思いを形にするためにかなり時間をかけました。(夏前にはHPでも公開予定です)

ここから、それを具体的に実行していくにはまた時間がかかるでしょう。
でも、やっていきたいし、一企業としてやらねければならないと思う。
そんな思いは、冒頭の文章にも込めました。

私らしい暮らしを世界に届け続ける

私たちは「アイデアと技術で『私らしい暮らし』を世界へ」をビジョンに掲げ、そのビジョン達成に向け「『暮らすがえ』の文化をつくる」ことをミッションとしています。
手軽に、自分たちの手で暮らしを変え、いつでも、十人十色のその人らしい暮らしが実現できる。
そんな未来をつくりたい。
そして、誰もが、そんな風に末永く暮らし続けられる世界を実現するためには、この世界自体もまた、持続可能なものであることが必須だと考えています。
「私らしい暮らし」と「持続可能な社会」の両立のために、私たちがするべきことは、私たちが社会に提供すべき価値とは何か。
その考えを「サステナビリティ宣言」にまとめました。 これは、私たちの、世界に対する約束です。

平安伸銅工業 「サステナビリティ宣言」より

私が次世代にバトンを渡すときには中村会長や奥様のようになる。それを一つの目標にして、こつこつ行動に移していきたいと思います。


中村会長ご夫妻と、その跡を継がれた息子さんと。

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