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過去の経験に固執せず、”今”の最適を考える大切さ


自分の過去の経験は、少なからず「今」の判断に影響を与えますよね。その時に、過去の経験を理由に、当時と同じことを選択することないですか?でもその判断って、本当に「今」適切なのでしょうか?

そんな疑問を持った話を本日はします。

先週、商品を独自に比較検討して評価を公表する雑誌「MONOQLO」をコンビニで立ち読みしていました。すると、今回は見慣れな突っ張り棚が掲載されていました。競合メーカーが製造しているDCMオリジナルの突っ張り棚で、棚部分に半透明のプラスチックパネルが取り付けられる仕様になっていて、棚がフラットになる点を高く評価していました。

↓この商品
https://item.rakuten.co.jp/dcmonline/433208/

記事を見た瞬間、私はかずさん(常務)に、

「これ●●社が前からやってるやつで、あかんやつやん」と、過去売れなかった理由を並べて、「どうせ、こんなん売れへんって」と笑って雑誌を閉じました。それに対してかずさんは、「でも、フラットやと洗剤置いてもぐらつかんし、伸縮部分も棚になるのって良くない?」と不思議そうにぼそり。

それでも私は「ずっとうちの方が売れてんねんし、こんなん意味ないって」と一蹴。納得いかない表情のかずさん。私もモヤモヤした気分になり、悶々としながら原因を感がていると、しばらくして気づきました。

私はコンビニでの出来事に対して、過去の経験を根拠に思考停止していて、かずさんの素朴な意見に何も答えていませんでした。今一度、過去の経緯と切り離して考えると、雑誌の評価には説得力があり、かずさんの指摘の通りでした。

なんでこんなことが起きるのか、考えていると、実はこういったことってこれまでも身近によく起きていることに気づきました。

例えば、DRAW A LINEの開発では過去に黒い突っ張り棒は売れなかったという実績から、プロジェクトを不安視する声が社内にありました。またLABRICOの時も、過去にカスタマイズ性の高い商品は売れなかったという経験から、DIYをテーマとした商品は難しいという意見もありました。

もちろん、過去の経緯は事実で否定しようがありません。でもそれは当時の流通環境や消費者のライフスタイルを前提として結果でした。必ずしも、今と同じではないのです。

DRAW A LINEの場合は、「便利なアイデアグッズ」から「家具」として、位置づけや販売先を変えることで、新しい価値が生まれました。LABRICOも、インターネットで使用例を探せる時代だからこそ、カスタマイズ性が受け入れられました。

ついつい過去の経験に影響されることは誰しもあることです。私も日常的に過去の経験に判断が引っ張られることはよくあります。

だからこそ、今何が適切か、過去の経験と今の判断を意識して切り離すことが重要だと思います。

このコラムを社内に発信した後、スタッフからこんなコメントがありました。

「コストや、競合との比較、プロジェクトのスケジュールなどが優先されて、検討が浅くなることがありますが、今一度『お客さんのため』の軸をブレさせないように、自分を戒めたいです」

私自身も、「今」必要とされている価値を提供できるように、いつでも初心に帰れる柔軟な姿勢を持ちたいと感じました。

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