タケトピ徒然草 婦人科と世代交代の壁
ショックより安堵感の方が大きかった。
婦人科に予約を入れてくれたし、MRIの予約までとってくれている。私の反応に警戒し緊張してくれた先生方にとっては肩透かしを食らったような気持ちだったのではないかと思うほど、この時の私の表情に悲観的な要素は微塵も感じられなかったに違いない。
一応神妙な面持ちで大海原を後にしたが、気持ちは花丸だった。
とにかく治療してもらえる。
よく考えてみると以前からちょっと気になっていた。脳の片隅で子宮!至急!と食べられなくなるずーっと前から警報が鳴っていた気がする。今年は女性検診行ってみようかなという気になっていた。
柱にかじりついてでも行きたくない病院に自ら行こうかという気になるというのは、きっと虫の知らせ的な本能的なものだったのではないかと今なら思う。今なら。
婦人科で名前を呼ばれて扉を開ける。
次はどんなの出てくる?!
なんだか気分は箱の中身はなんじゃろな状態だ。
そろそろ安定の女医さんとか出て欲しい。
この年になるとほとんどの若者がイケメンに見える。そしてイケメンにこの腹をさらす、うえにここは婦人科。私の最後の羞恥心が悲鳴をあげる。
ガラガラガラ
やっぱりイケメンだよ。
少し茶髪な西川きよし師匠という感じのイケメン。手を見ると指輪があるから結婚していそうだ。大学生よりは大人に見える。
ここまできてやっと気がついた。
この年になると、世の中で働いている人のほとんどが年下なのだ。高校球児が年下になり、アイドルが年下になり、大物芸能人の名前が通じなくなり。世代交代をヒシヒシと感じるイベントを乗り越えてきたが、身近で起こる世代交代には疎かったようだ。観念するよきよし師匠。
「下着を脱いで椅子にかけてお待ちくださいね。」
婦人科なんて何年ぶりだろう。
双子さえ見落としたと言われるヨボヨボのお爺さん先生に診てもらって以来だ。
先生が来て羞恥心のカケラも砕け散った時にふとよぎる不吉な影、、、
私、脚 剛毛じゃね?
(つづく)
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