23.脳幹転移

 3年目の最初の変異は8月に脳幹部分に、4.5ミリ及びその周辺に3ヶ所の新たな腫瘍が発症し、脳への圧迫も生じていることが熊本での定期検査で判明しました。
脳幹は生命、生活維持の根幹にかかわる大切な箇所であり、手術も困難との説明もあり、これまでの脳腫瘍治療期間よりは長く、早々に翌月から熊本放射線外科にて10回程の治療をスタートすることになりました。

 まずは私の顔、頭部に合わせたマスク作りから。それはフェンシングの競技で使用するフェースガードのようなメッシュ模様となっており、そのマスクで顔、頭部の一部を強く固定するので、毎回約一時間弱の治療の間は顔面にも強く圧力がかかると同時に、不自由さを感じ、治療が終わったあとは、私の顔は半魚人の鱗のような型がくっきりと残ってしまいます。またフェースガードの影響で私は暗闇と音のみの世界。もともと閉所恐怖症気味であり、この治療時間は長く感じ、経過時間の感覚も薄れ、毎回治療途中に残り時間を告げてもらうようにしました。

 何とか10回の通院治療を終え、その2ヶ月後に状況確認の為の検査があり、その時は周辺の2個の腫瘍は消えていましたが、脳幹部分にはまだ残っており、雲のような影とともに、まだ脳も腫れている状態の様でした。
さらに翌月MRI検査で脳幹部は傷跡として診れるが、脳の腫れは減少していて、今後ステロイド系の薬物の服用を勧められました。

 その後の2ヶ月おきの脳幹部検査は特に異常もなく過ごすことができています。後で聞いた話では、同クリニックの水上先生は発症した箇所が危険だったため、随分と心配されたとの話でした。

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