プロレスをロジックで考える 〜説明会〜

プロレスという競技はスポーツとして捉えたとしても、エンタテインメントとして捉えたとしても、様々な側面を持っている。それは今だに一ファンとして客観的に見ていても、一レスラーとして主観的に見ていても、プロレスとはわかりそうでわからない“なにか”である。

私は昔から何かしたらの答えを見つけ出したい人間で、例えば見ている人に疑問を残すような結末を迎える映画を見たとする。エンドロールが終わった直後にはすぐに考察を調べたり、パンフレットのインタビューのページを読み漁ったり、本屋に向かって関連書籍を探してみたり、自分が考えたこととの答え合わせをしたくなってしまう。自分が知らない・わからないことがあることが嫌なのかもしれない。逆説的に言うと、わからないことが残されているから夢中になり続けているのだが。

細分化すると様々な要素があると思うが、私はこれまで11年間のキャリアの中でプロレスを大きく3つの側面に分けて学び、研究をしてきた。それが形になってきたのはこの1年くらいのこと。

その3つの要素とは
①文化系プロレス
②理数系プロレス
③体育系プロレス

この単語だけを見ても意味はさっぱりわからない。それもそのはず、私が作った造語だ。

実はこれにプラスして④美術系プロレスというのも存在すると最近は考えているが(いわゆるプロレスの試合はアートだ。的な)まだ発表する過程には至っておらず、現段階では①文化系プロレスに分類している。それについては次回の記事で書こうと思う。

そしてこれらの記事はどちらかというと、プロレスを見ている人にとってはあまり参考にならないかもしれないが、プロレスの見方という点においては視野が広がる可能性がある。どちらかと言うと目に止まって欲しいのは、プロレスラーかプロレスラーを目指している人たちだ。幼少期から活字中毒でプロレスが好きだった私は様々な媒体でプロレスラーの情報を入れていた。プロレスラーになりたかった竹下少年は、そのための努力の仕方が知りたかったのだ。でもなかなか見つけることができなかった。プロレスラーのブログも当時は読みまくっていた。そこにヒントがあるかもしれないと思って。

でもそんな簡単には書いてなくて、結局自己流でやってた部分も多かった(結果的にそれで考える癖がついて自分で学べたのはよかったけれど)。だからなるべくテキストでもプロレスを伝えられるようにしたいと思って研究を重ねて少しではあるけれどここに書いてみようかと思った。

プロレスの参考書を作れ!と言われれば作れる気もするし、プロレス学校のカリキュラムを作れと言われれば国数英社理体それぞれのプロレス授業を開講する自信もある。それくらいにプロレスのことを考えてきた自負もある。

いつかは完全にプロレスラー向けのプロレストレーナーになれたらおもしろいと思っている。日本でプロレスの練習というのは、所属している団体の道場で、その団体の練習をしてデビューしてキャリアを重ねていくという方法しかない。むしろいろいろ多方面から学ぶのはデビューしてからということが多いだろう。もしひとつの団体にしか、ひとつのカリキュラムしか受けられないことになる。その点、フリーの選手はいろんなところから学ぶことができるがそれは一貫するものを見つけられないと知識だけが蓄えられて、試合で実際にアウトプットするのは難しくなるかもしれない。だからプロレスにも学校(団体)の先生以外にも、塾の講師がいてもいいんじゃいかというのが私の考えだ。アメリカの団体ではゲスト選手を呼んでセミナーという形で開催されるプロレス塾があるが、それをもっとパーソナル化したものが私のイメージするプロレストレーナー。受験生が受験勉強に赤本で勉強するように、タイトルマッチの前には一緒に作戦を練ってあげる助け舟があってもいいと思う。

どれだけ前置きを置いたところで、具体的に話をしないとその意味はわからないと思うので次回はまず何より大事な“体育系プロレス”について書こう。プロレスは大前提として格闘技であり、スポーツであり、運動だ。ここでいくつも疑問が生まれる。

プロレスラー専門のパーソナルトレーナーがこの世に何人いるだろうか?

プロレスの試合における首への負荷の論文があるだろうか?

ぶっちゃけデカくなるにはどうしたらいいのか?そもそもデカい方がいいのか、絞れてる方がいいのか?

他のメジャースポーツではその種目専門のパーソナルトレーナーがそれぞれいるのは当たり前だし、そもそもプロレスの試合の論文って私が大学の時に書いた『ジャーマンスープレックスにおけるスポーツバイオメカニクス』しか見たことないし(経済学としての論文などはありますね)、他のアスリートのトレーニングに比べてかなり遅れていると感じるし。


プロレスラーにとって身体すなわち筋肉は商売道具なので、自身の身体をフルパワーで活かして尚且つ怪我をせずに長く保つように研究してきました。プロレスラーに必要な筋肉とトレーニングついてもわかってきたので参考になる人がいたら研究者としては嬉しいです。

では次回は体育の授業で。偉そうに長々と失礼しました。このシリーズはこれからも偉そうに長々と書きます。

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