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【落語見聞録note版】2023/6/13 立川生志独演会 ひとりブタじゃん 横浜にぎわい座

①開口一番『元犬』立川生ぼう

落語立川流の前座さんは、一味違う。流石に、落語会の東大といわれる程の厳しい修業をこなしているだけある。生ぼうさんも見る度に成長しているので、本当に嬉しくなってしまう。
元々ベビーフェイスともいえる愛らしい顔つきに、キリッとした表情が交互に顔を出す『元犬』。犬の可愛らしさと、旦那のキリッとした威厳を使い分けていて楽しい。旦那の顔をなめまわす所作も面白いです。

開口一番の立川生ぼうさん

立川生志 ニュース落語『岸田総理の息子 首相公邸に悪ノリ撮影で集まる批判』

福岡のラジオ局ではじめたニュースを落語にする試みが、出版されたりして、高座でもかけるようなったニュース落語。元々、最新の時事ネタをまくらにして爆笑の漫談にする力がある師匠だから、この手の新作はお手のもの。内容は、与太郎噺なので新作が苦手の方も楽しめる。

ニュース落語を口演する立川生志師匠

『青菜』立川生志

流石、古典落語の名手!ニュース落語で笑わせた後は、たっぷり古典の世界を堪能させます。
この噺、本来のサゲに使われる『弁慶』という言葉は、上方でいうケチの隠語。上方落語のご通家ならば、説明の必要もないと思いますが、江戸の落語家はサゲの分かり難さに苦労していた。
生志師匠の師匠である談志師匠も、サゲの分かり難さから、高座でかけようとはしなかったけど、『談志百席』という今まで演ってなかった噺を百席録音するCD企画の際に、録音技師の草柳氏からの提案の「静かにしろ!」っていうサゲのアイデアを採用して、録音が無事に終了した。
生志師匠のサゲの工夫も素敵なので、是非生でご覧あれ。

『青菜』立川生志師匠

『Z世代の流行語ランキング1位は蛙化現象』立川生志

仲入り後は、再びニュース落語で再開。この落語、よく聴くと最新の流行語の解説になっているので、落語会では珍しく「為になる」噺だと感じている。こちらも、時事ネタがテーマの新作だけど形式は、「根問いもの」なので、古典落語ファンにも敷居が低くて素敵でした。

ニュース落語を口演する立川生志師匠

『品川心中』立川生志

トリネタは、やっぱり古典落語の『品川心中』!時間の関係で、(上)だけだったけど、十分堪能できました。談志師匠の『品川心中』は、勿論素晴らしいけど、死への恐怖の感情が重いと思われる方には、軽めにサラッと語る生志師匠の『品川心中』がおススメです。心中相手を見つけたときのお染の可愛らしさも、必見です!

『品川心中』立川生志師匠

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