アップサイクルについて今一度考えてみる①「アップサイクルという言葉の意味」

僕は月日工作舎というアップサイクル家具屋です。

なので当然アップサイクルを生業にしているのですが、ここで一度アップサイクル(Up-cycle)という言葉の意味や、各業界の動きについて何回かに分けて整理してみたいと思います。

始めに断っておきますが、ここで発信していることは個人的な私見ですのであしからず。

まず、アップサイクルという言葉の意味についておさらいを。

とりあえずwikiで調べてみましょうか。

アップサイクリングは、創造的再利用とも呼ばれ副産物、廃棄物、役に立たない、または不要な製品を、より良い品質と環境価値の新しい材料または製品に変換するプロセスである。

なるほど。

アップサイクリングは、 リサイクルプロセスのもう1つの側面であるダウンサイクリングの逆の意味の言葉である。 ダウンサイクリングには、材料と製品をより低品質の新しい材料に変換することを含んでいる。 ほとんどのリサイクルでは、製品を原料に変換したり、取り出すことで別の製品または材料にする。ふるい肌着を雑巾にしたり、古新聞、古雑誌を再生紙にしたりするのは、元のものよりも価値や質が下がり、いずれはごみになって廃棄されることになり、継続性がない。

ダウンサイクルという言葉は普段あまり触れる機会が少ないと思いますが、内容自体はとても馴染み深いものですよね。古紙再生とか。

ここで少し私見を。

アップサイクルはより良い価値を与えて(価値を高めて)再生し、ダウンサイクルは価値を下げて再生ということで定義されていますが、この「価値」っていう言葉がモヤモヤします。

ものの価値って人それぞれ感じ方が違うから。

例えば、僕はこの椅子を「アップサイクルしました。」と言っても、

ある人が見たら「前のほうが良かったなあ」という人ももちろんいるわけです。

その人からしたら、それは「ダウンサイクル」になるわけですね。

悲しいかな、わざわざ手をかけてものの価値を落としているということに…。

昔は誰かに自分のお店の紹介をするときに、そういうことが頭をよぎって「アップサイクルした家具を作っています」と言うのが小恥ずかしい時期もありました。

思わず「リメイクしてます」と説明してしまったり。(リメイクも大枠ではアップサイクルに含まれると思っていますが)

(こういうモヤモヤした感情、僕以外にアップサイクルを仕事にしている人も感じたことがあるのでは…?教えてアップサイクルしてる人たち!)

でも、これはアップサイクル云々に限らず、すべてのクリエイターが抱えるモヤモヤかもしれませんね。

クリエイターは自分の価値感を信じて自信を持って作らないといけません。

じゃないと、買ってくれたお客さんに失礼ですよね。

これが月日工作舎のアップサイクルです(オーダー品)。

古い階段に古材で折りたたみの脚を付けて陳列棚を作りました。

陶芸家であるご依頼主さんは僕のセンスを信じてくださって、基本的な条件だけ軽く相談した以外は完全おまかせでオーダーしていただきました。

どうでしょう。価値、上がってますか?笑

僕は上がってると思って作ってますよ。

まだ納品前ですが、完成写真をお見せしたらご依頼主さんもとても喜んでくださいました。

そんなわけで、今日は「アップサイクル」という言葉の意味について改めて考えてみました。

ご覧いただきありがとうございました。

②につづく。

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