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『STOPOVER -Dedicated To SHAL- 』楽曲解説 (前編)

はじめに


THE UNCROWNEDの3rdアルバム、STOPOVER ~Dedicated To SHAL~のリリースから4ヶ月ほど経ちました。

このアルバムに関する記事をずっと書きたいと思ってはいましたが、今年1月のSHALのバースデーイベントの準備や、お手伝いさせてもらってるプロジェクトの事やらでそれなりに忙しくしていた為、なかなかまとめ上げる時間が取れずにいました。

SHALと共に作品を作ってきた背景を忘れないための自分用の記録、というのが今回記事をまとめた第一の目的なのですが、コアなファンの方なら楽しんで読んで頂ける内容かもしれないし、アルバムをより深く楽しんで頂くための助けになるんじゃないかと思います。

今回の記事は前編・中編・後編の3回に分けてお送りしたいと思います。
このアルバムの収録曲の殆どが2ndアルバム、WITNESS以前に書いたものなので記憶が曖昧な部分もありますが、楽しんで頂けたら幸いです。

01. ITOMAGOI

ITOMAGOIを書いたのは2018年でした。

この頃からメタルリスナー以外の人達にも自分達の作品を聴いてもらいたいという思いが強くなり、新しいTHE UNCROWNEDの音を模索し始めていました。
この曲はそんな模索の第一弾となった曲です。

タイトルのITOMAGOI (暇乞い) は別れを告げるという意味があって、「これまでのTHE UNCROWNEDに別れを告げて新しい道を歩んで行こう」という決意を表した曲でもあります。
…にもかかわらず、個人的にはどうもこの曲に自信が持てなかったので2ndアルバムへの収録を見送り、お蔵入りとなってしまっていました。
SHALはこの曲を気に入っていたので2ndアルバムに収録したがっていましたけどね。
当時の自分は、1stアルバムに比べてサウンドやアレンジがかなりポップになったこの曲を受け入れてもらえるかどうか不安だったのかもしれません。
2ndアルバムの路線がある程度受け入れてもらえたからこそリリースに踏ん切りがついた部分はあると思います。

最後のサビの前に一度演奏がストップして「サヨナラ」というセリフが入りますが、あれはSHALのアイデアだったと思います。

そう言えばサビに「舞い散った夢のカケラ」という歌詞がありますが、3:08〜のギターって結構舞い散ってる感がありませんか?
THE UNCROWNEDは歌詞よりもアレンジが先に上がってる事が多いので、もしかしたらアレンジにインスパイアされた歌詞だったりして…とか思ったりもしますが、今となっては確認のしようがありませんね。

ギターに関しては8小節にまとまったコンパクトでキャッチーなギターソロが気に入っています。
間奏でちゃんと山場を作りながらも、アピールしすぎることなくボーカルにバトンタッチするという役割が果たせているんじゃないかなぁ、と。

02. RESONATE

RESONATEはITOMAGOIに続き、新しいTHE UNCROWNEDの模索第二弾として書いた曲でした。
これも2018年に書いたと思います。

この曲を書いた当初はインパクトのあるアレンジにしてやろうと思って、めちゃくちゃとっ散らかったアレンジになっていました。
何て説明すれば良いのかわかりませんが、悪い意味で「芸術は爆発だー」って感じのアレンジだったと思います。
さすがにそのアレンジは自分でも全然気に入ってなくて、もっと歌メロがスッと入ってくる無難な(?)アレンジに作り直しました。
ちょっとday after tomorrow (misonoさんが在籍していた音楽ユニット) っぽい感じを狙ったのですがどうでしょうかね?(笑)

実はこの曲のサビメロは結構気に入ってて、このサビメロを使った曲を2ndアルバムのリード曲にしたいなぁ…なんて初めは考えていました。
なのに結果はお蔵入り。
なかなかうまく行きませんね。(苦笑)

サビ頭の歌詞は初めは英語でしたが、仮歌録りをしているときに"何だかハマリが悪い"ということでその場で即興で考えた歌詞がそのまま採用されています。(私の声よあなたに届け!の部分)
その部分の歌詞は後日書き直すと言っていましたが、その後に歌の本録りをする事はなかったので結局そのままになっています。

この曲に限らずですが、このアルバムの歌モノの曲は元々お蔵入りのものだったので、SHALの歌は全て仮歌のテイクとなっております。

間奏のベースソロは元メンバーで俺の弟でもあるNaoki氏が弾いています。
彼の本職はギターですが、彼はベースを持った時の方が良いフレーズを弾くような気がします。
そのベースソロに続くギターソロはアンニュイな雰囲気というか、譜面には表し難い感じの間の取り方がわりとうまくいったと思っていて気に入っています。

03. U.K.R.

U.K.R.は3rdアルバムの収録曲の中ではいちばん古い曲で、もともと1stアルバムの収録候補曲でした。
ということで、この曲を書いたのは2016年です。

最終的に1stアルバムに収録されることはありませんでしたが、SHALも当時メンバーだった弟もこの曲を気に入ってくれていたので、今回収録することにしました。

歌詞の内容はSHALの友達に宛てたメッセージらしく、タイトルのU.K.R.はその友達の愛称を略したものになっています。
アレンジ的には若干プログレハードの匂いがするかもしれませんね。

1stアルバムのときは"メタルアルバムを作る"と意気込んでいた事もあってか、間奏のギターソロは若干長めになっています。

ところでこの曲の間奏と1stアルバム収録のBRAVE MY HEARTの間奏の雰囲気が似ていると感じた人はいますかね?
いたとしたらその人はかなりのTHE UNCROWNEDマニアと言えるでしょう。
実はこのU.K.R.をボツにした後にBRAVE MY HEARTを書いたのですが、締切までの時間が無かったので間奏のアイデアをそのままBRAVE MY HEARTに使ったんです。(笑)
今回U.K.R.をリ・レコーディングするにあたって間奏のアレンジは若干変更しましたが、基本的な構成はそのままなのでやはり雰囲気はだいぶ似てるなぁと思います。

余談ですがアルバムのミックス、マスタリングを担当してくれたエンジニアで凄腕ギタリストでもある橋本氏がこの曲のギターソロを褒めてくださって嬉しかったです。(笑)

サポートして下さるファンの皆様、いつも本当にありがとうございます! 頂いたサポートはバンドの活動費として大切に使わせて頂きますm(--)m