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01. MOON BEAMS

個人的にはこの曲がリード曲で、MVになるんだろうなって思っていました。

曲の最初の静かな部分(0:00~)は、この曲がアルバムの1曲目になると決定した時点で付け加えたものです。
アルバムを再生していきなりその後のキメ(0:23~)が入ってくると、聴き手の気持ちが着いてこないかな、と。
なのであの静かなパートは聴き手の心の準備期間みたいなものですかね。
あまり深く考えずに、それこそ5分くらいで仕上げたパートですが、偶然にもアルバムのジャケットの海の中の世界に似た雰囲気があって、良いんじゃないかと。(このパートを作成した時点ではジャケットの作成にはまだ取り掛かっていなかった。)

曲調に関してはTHE UNCROWNEDの名刺になり得るようなものを目指しました。
キャッチーでパワーがあって、でも哀愁感もあって…みたいな。
そう言えばこの曲のデモを聴いたときにSHALは「感心した」と言って褒めてくれたのですが、何に感心したのかは今となっては完全に謎です。

各サビの最後の部分(1:52~)ではちょっとした遊び心で小室哲哉が作曲した華原朋美の名曲、「I Believe」へのオマージュをしてみたんですけど、気付いてくれた人はいましたかね?
I Believeのサビの最後もこんな感じのコード展開&メロディーになっているので興味があればチェックしてみてください。

最後のサビ前の転調する箇所(4:18~)で、マイナースケールの速いキメフレーズをギターとベースとキーボードでユニゾンしているのですが、フレーズの途中で無理矢理に転調する強引さが気に入っています。
その後のサビを全部歌わせずにギターソロへ繋がる流れもドラマティックで良いな、と。

SHALの歌唱に関しては、このアルバムの他のロック系の曲に比べると、ややパワーを抑え気味の歌い方をしていますね。
これまでのTHE UNCROWNEDとは違う世界観を作り上げるに当たって、彼女は歌い方を模索していたように感じました。
彼女自身、手探り感のある歌だと感じていたのか、後から歌い直したいと言っていたのですが、首を手術してからはこの曲のキーの声を上手く出せなくなってしまい、結局歌い直すことが出来ませんでした。
とは言え、個人的には特にサビの歌い方とか好きですけどね。
ロック的なエッジがありながらも温かさもあるというか。
声のかすれ具合も良いじゃないですか。

そう言えばサビ導入部の「何も言わずに」という歌詞に関してはちょっとしたエピソードがあって…。
SHALが言うには、あの部分のメロディーがゴールデンボンバーの「咲いて咲いて切り裂いて」という曲に似ているらしいんです。(確認してみたら確かに音の並びは同じだった)
その曲のサビの頭は「何も言わずに」という歌詞から始まるのですが、MOON BEAMSのデモを初めて聴いたときから「何も言わずに」というフレーズが頭から離れなかったらしく、結局オマージュという形でそのまま採用したという経緯があります。
俺はそういうファースト・インプレッションみたいなものは大事にしたい派なので「別に良いんじゃない?」という感じでしたが、彼女は「何だかパクったみたいで嫌だなぁ」と言っていました。
この歌詞の件と、歌い直しが出来なかった事もあって、彼女はこの曲をMVにする事に前向きではなかったですね。

そんなこんなで、ほんの一部ですがお互いに好きなミュージシャンへのオマージュを盛り込んだ、ちょっと遊び心のある曲になりました。

ギターに関しては、3:19~の中間のギターソロはコンパクトにまとまってて良いなって思いますがちょっとカッチリと弾き過ぎたかな?
もう少しラフな雰囲気があっても良かったかもしれないです。
逆に4:24~のギターソロは結構気に入ってて、今回の作品の好きなギターソロTOP3に入るかな?
この曲のテンポはBPM=171なんですけど、個人的にはあまり馴染みのないテンポで、ビブラートの掛け方とか結構苦労して何度も録り直した記憶がありますね。

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