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「デジタル看護入門」看護のDXに必要な100のポイント

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数年前から、「看護教育のDX」を研究テーマとして活動している筆者が、できるだけわかりやすく「看護とICT」について解説していきます。実際の看護学校で活用できるようなさらにポイント…
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#業界あるある

「デジタル看護入門」第19回 〜看護師さんのICT?〜

 なぜ看護師さんはICTが苦手なのかな~とふと考えることがあるのですが、もしかしたら、看護師さんそのものがICTな部分があるんじゃないかなと思うようになりました。おそらく、こいつは何をわけのわからないことを言っているのか、と感じている人がほとんどでしょうが、わりと真面目に考えたので、ぜひ聞いてください。  通常のICT(Information and Communication Technology)は「情報通信技術」の略ですが、私の考える看護師さんのICTは、「Infor

「デジタル看護入門」第18回 〜在宅における点滴管理とICT〜

 前に中心静脈栄養の点滴についてお話ししましたが、今回は輸液ポンプの説明をします。輸液ポンプは人工呼吸器と同様に、ほぼ病院などで使用されますが、在宅療養で決められた量や速度で点滴を行う場合、在宅でも輸液ポンプを使用することがあります。  輸液ポンプは、ひと昔前までは、機械も大きく、音もうるさく、きちんと点滴のルートを機械につなげても、すぐに「気泡」や「閉塞」などでアラームが鳴ったり、再確認しても、アラームが鳴り続けたりと、なかなか管理が大変でした。いまでは、さまざまなセンサ

「デジタル看護入門」第13回 〜人工呼吸器とICT〜

前回は、呼吸の観察に関する医療機器を解説してきましたが、今回は、おそらく看護師さんが一番苦手とする医療機器である「人工呼吸器」です。なぜ苦手なのか、それは人工呼吸器の種類や機能がとても多く、さらにICT技術の進化により、どんどん人工呼吸器もバージョンアップされているからです。進化が遅い医療機器も紹介してきましたが、人工呼吸器に関しては、進化がとても速い医療機器のひとつです。 人工呼吸器は、呼吸不全の患者さんへ使用されます。人工呼吸器を使用する目的は、呼吸の状態を改善する

「デジタル看護入門」第9回 〜血圧測定とICT〜

 今回は、血圧測定です。これも看護師さんにとっては、ごく普通の看護技術かと思います。血圧測定も、バイタルサインのひとつでありますが、体温測定や脈拍測定とは違い、実際の血圧測定には、ある程度の訓練が必要であり、看護師をはじめとする、ごく限られた医療従事者でなければ、血圧測定はできません。少し特殊なバイタルサインであるといえます。  いまでこそ血圧計はアネロイド式が主流になっていますが、一昔前までは、体温計と同じく、水銀を使用した水銀柱型血圧計が一般的でした。「コロトコフ法」に