[Climate Change] 2050年までに、実質ゼロ排出にするには?
先週、気候変動の第6次評価レポートが出て、11月にイギリスで行われる第26回目の気候変動会議COP26があるので、これからどんどん気候変動の話で盛り上がってくるでしょう。一般紙などでも、気候変動を題材にした企画がいくつも見受けられます。New Scientistに、国際エネルギー機関(IEA)とオックスフォード大学の研究者のレポートとインタビューをもとにした気候変動特集がありました。わかりやすい数字が載っていたので、いくつかあげておきます。
まず、産業革命以降に起こった気候変動を1.5度以下に抑える事を実現するためには、今世紀の真ん中までに実質排出量ゼロにする必要があります。これは私が大好きなアポロ計画よりも難しい目標のように思えます。1960年代で低炭素のエネルギーは6%程度で、それが1994年にようやく14%になったのを見ると難しい目標なのがわかります。再生可能エネルギーの絶対量は多くなっているのですが、エネルギー需要が多くなっているので、生半可な再生可能エネルギーの推進だけでは追いつきません。60年代から90年代まで、再生可能エネルギーはようやく2倍位になったのですが、同期間に世界のエネルギー事業は4万テラワットから16万テラワットの4倍になっています。
これを実現するためには4つのアプローチが必要だと述べています。
1. 電気は再生可能エネルギーで作られる。
2. 電力で提供できるものは、そうでなかったものも電力で供給するようにする。
3. 飛行機や輸送船など電力会社が難しい交通手段でクリーンにする方法を探す。
4. エネルギー消費の効率を徹底する。
この4つのアプローチが実現できたら、今世紀の真ん中までに実質排出量ゼロにできるかもしれません。実際にイギリスでは過去10年間で再生可能エネルギーの比率が20%から50%まで増えました。しかし、これには相当の投資がかかっており、イギリスはその恩恵を受けたことになります。2019年に再生可能エネルギーに投資された金額は280億ドルと言われておりますが、その90%はOECDと中国、インド、ブラジルなどの比較的裕福な国に集中しています。インドネシアを含めた途上国にこのような恩恵が行き渡るには、さらに多くの投資が必要になるでしょう。年間100億ドルの適応策資金を途上国に送る国際的な約束も守られていないのが現状です。 途上国への再生可能エネルギー投資は、世界に新たなコミットメントを与えることになるのです。
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