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海老澤剛の生い立ち65-沖ヨガ道場2日目 沖正弘導師の講義

道場の生活は、スケジュールは決まっていませんが、午前中は大体前回にご紹介した流れでした。

午後は、講義が中心ですが、ボクシングや太極拳、農作業など体を動かす時間もありました。
講義の内容は、食事、体の仕組み、病気の概念などでした。

そして、2日目の夜に道場主である沖正弘導師の講義がありました。
指導員も勢揃いし、受講生の並び方が縦にも横にもまっすぐになるように注意され、全員正座で待ちます。なんだかものすごい緊張感でした。

質問がある人は事前に紙に書くように言われたので、わたしは、「感謝」「懺悔」「下座」「奉仕」の最後の言葉、「奉仕」について質問しました。

「好意で協力をしているはずが、その好意につけ込んでくる人がいます。」と書きました。

わたしの質問に対して、沖導師はご自身のお母様に対してとられた行動を例にお話してくださいました。
以下、沖導師の口調で...

「お母さん、僕の肩を揉みなさい」というと母は一所懸命、俺の肩や背中を揉んでくれたよ。
俺は気持ち良くなって眠ってしまったんだ。しばらくて起きたら、母はまだ一所懸命に俺の背中を押してくれてたよ(笑)
お母さんに、あれしなさい、これしなさい、俺は次々と頼みごとをしたんだ。

しばらくして、弟夫婦がお母さんを引き取るというから、母は弟の家に行った。
弟たちは「お母さん、お兄さんの家では、大変でしたね。うちではゆっくりしてくださいね」って何もさせなかったんだ。
そしたら、お母さん、コロッと死んじゃったよ。
俺は弟夫婦に「お母さんを殺したのは、お前らだ!」って言った。

最近になってやっと「兄さん、わかった」って言ってきたよ。



他にもいくつかの例をお話してくださいました。
そして、
奉仕とは、自他共に喜びを感じることを行うこと。自己犠牲の行いではない。
と教えてくださいました。

他にも印象的だったお話は、ある女性の回復のお話です。
I.Kさんというヨガの世界では有名な人から、自分には手に負えない人がいるので助けてくださいとお願いされて、道場でその人を預かったそうです。

以下、沖先生の口調を思い出しながら書きます。

道場に、女性が運ばれてきたよ。
横になって全然動かないんだ。
顔はこんな顔(しかめ面で口を開けている)して、手はこんなんだ(指が曲がって固まっている)
俺は、その人に会ったとき「やい、くそババア!」って声をかけた。
「くそババア?私がくそババアですか?」といい返してきた。
だから「くそババアって顔しとる!」って言った。
その人は、まわりがなんでもしてくれるって思ってるから、何もできなくなった。
スタッフには「何もしてやるな」と言ったよ。



この方も、少しずつ動けるようになり、最終的には、自分で身の回りのことができるまで回復されたそうです。
一見、言葉も行動も乱暴なように見えますが、本当にその人のためを思って接してくれていることが伝わってきました。

お話の内容も迫力あるのですが、腹の底から出されている声に圧倒されました。

後に道場の指導員の方から「沖先生のお話って型破りでしょう」と言われました。
確かに、型破りで聞いていて楽しい気持ちになりました。

動画を見つけましたので貼っておきます。

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