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海老澤剛の生い立ち21-野球が好きになる2(長嶋選手)

自分が野球をやるようになり、ルールなどを知っていくと、テレビで放送されているプロ野球にも興味を持つようになりました。
昨年までは野球中継で仮面ライダーの放送が翌週に延期されると怒っていたわたしが「野球って面白いな」と思い始めました。

時は昭和49年、前年48年に巨人軍がV9を達成し、王選手が三冠王を獲得、49年は長島(長嶋)選手が引退する年でした。(当時は島という字を使われてましたが、長嶋さんが正しいそうです)
引退する年でも長嶋さんのプレーは輝いていました。
強烈なゴロを全身を躍動させながら取り、美しいフォームで送球する。
それを一塁手の王選手が体をいっぱに伸ばして捕球する。
ONの打撃はもちろん素晴らしいのですが、華麗な守備も魅力でした。
特に長嶋さんの守備は、リズムと躍動感があり、打球を待つ姿からボールを取って送球し、投げ終わった後の余韻まで全てカッコ良かったです。

ちょっと失礼な例えかも知れませんが、丸めた紙を転がして、それをネコのチロが追いかけるときの姿と長嶋選手の守備の姿が私には重なりました。

ボールのバウンドに合わせて体を震わせて、全身を使ってボールを取り、送球した後は地面に柔らかく落ちていく様子を見て、長嶋さんとネコは体の使い方に似ているなと思いました。
この30年後に、バスケットボールのスーパースター、マイケルジョーダンのプレーを生で見る幸運に恵まれますが、ジョーダンがダンクをしたあと柔らかく着地する様子が、長嶋選手が送球した後、グラウンドに胸から落ちるときの姿と重なりました。
二人の共通点は、並み外れた運動神経の良さとネコのような体の柔らかさだと思います。


長嶋選手のカッコ良さに惹かれ、野球がどんどん好きになりました。
長嶋さんが引退する試合はリアルタイムでテレビを観て、後日、父にレコードと本(写真集)を買ってもらいました。
レコードも本も近所のお店では売り切れで、父が会社帰りにあちこちの回って、やっと入手してくれました。
お父さん、ありがとうございます。
引退の挨拶を覚えてしまうほどレコードを何度も聴きました。
「昭和33年、栄光の巨人軍に入団以来...」
今でもほとんど言えそうです。
写真集も繰り返し眺めました。
スポーツ選手の動きの中、一瞬静止した映像の美しさを知ることができました。

王選手ももちろん大好きですが、それはまた後ほど語らせていただきます。


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