vol.143 Q.「いまを生きる」とはどういう生き方でしょうか?(自己内対話73)

A. 「いまを生きる」とか「いまここを生きる」というフレーズは、多忙で我をふと忘れがちな現代人にとって貴重なメッセージかもしれません。

まずは、過去との関連から。「今ここを生きる」ことを意識することで、”過去に飛んでいた意識を現在に引き戻す”という作用があります。自分の今の状態に不満足とか不達成感などがあると、過去の自分を責めたり、出生や環境を責めたり、悔んだり罪悪感を持ったりという状況になります。そうしたことに意識を支配されていると、あなたの人生ミッションや現状でのパフォーマンスを発揮できないのです。もちろん、過去の記憶をすべて消し去ってリセットしてくださいということを言っているわけではありません。過去からの経験のヒントを活かすのも人生です。ですから、過去へのネガティブな思念に現在を支配されないでくださいというメッセージなのです。

似たことは、未来にも言えます。”未来に飛んでいた意識を現在に引き戻す”という作用です。現状に不満があったり、あなた自身の豊かさを感じられていないといったことから、その感覚を未来に外挿し、さらに悪い結果などを頻繁に予想したり、都市伝説のような根拠のない未来予測などに心が支配されている状態、またいつもお花畑のような空想にふけっている状態だと、これまたあなたの人生ミッションや現状でのパフォーマンスが発揮できないですよね。時に、未来の自分の目標を定めることや、あるべき社会の理想状態などを考えることも重要なのですが、それも程度の問題になるということです。

人は今を生きるために、自然に取り組んでいることがあります。例えば瞑想ですね。瞑想は呼吸や食事、散歩などの動作の1つ1つに集中することによって、過去や未来に飛んでいる意識をいまここに集める効果があります。また、武道やスポーツなどでの所作なども一連のルーチンに集中することで、いまここに意識を集めているのです。

あなたにとって、「いまここを生きる」生き方とは、どういったものでしょうか? これらをヒントにじっくり考えてみること、また実際に「いまここを生きる」感覚を研ぎ澄ます習慣をつけてみてください。そしてそのすばらしさをあなたが周りに伝えてあげましょう。

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