vol.142 Q.赦し・許可がもたらすメリットは何でしょうか?(自己内対話72)

A. いわゆる赦し・許可については、対他者(社会やとりまく環境を含む)に対するものと、対自分に対するものなどがあるのですが、最終的には自分に返ってくることなのでひとまとめにして説明していきます。

まず、対他者に対する赦しについて。
他者から自分が正当な理由なく身体的・精神的な苦痛を負ったり、なにか不愉快な言動や行動を受けた時、許せないという気持ちになり相手を罰したい気持ちになったり、正当な回復のために行動を起こしたりというのは人間として自然なことです。それをひたすら我慢して耐えましょうということをここで言っているわけではありません。

その前提で、しかし、これも程度の話で、いったん落ち着いた後に、そのことをずっと引きずっていたり、処罰感情・不満の念を消さずにいると、その波動はネガティブであるため、あなたにとって最終的にはプラスに働いていきません。あなたの周囲でもいないでしょうか?いつも何かにあるいは誰かにイライラしていて怒り・恨み・妬み・不満等の波動を出している人です。あなたは、こういう人といっしょに働きたいとかつきあいたいとか思わないと思います。ですから、あなたがその当事者にならないことを祈ります。

他者を赦していくプロセスでは、どこかにすっきりしない想いや、何か”許したら自分が負け?”や”なぜ自分ばかりが我慢しなくちゃいけないの?”という感情を伴うことがあるかもしれません。しかし、そこに勝敗や我慢という波動を持ち込む必要はないのです。俯瞰的な視点から言うと、人類がよりオープンハートになっていくことには、他者に対する受容力の向上ということが含まれています。あなたがより高い精神の持ち主を目指すならば、許しについて探求してみてください。ただ「赦さなくてはならない」という義務感や我慢からではなく、許すことであなた自身も自由になれるというメリットを感じながらです。

次に、自分に対する許可についてです。これは自分の信念体系とも深く関わっています。「これこれはこういうもの。こうでなくてはならない」という信念体系の変更を許したくない時があると思います。しかし、それを継続していると、やはりループしてそこに戻ってくる。それが元になって自分自身を苦しめる、自分の自由さを奪っていく、そんな感覚があるときです。

一例として、あなたは職場のリーダーとして責任感を持ってチームを陣頭指揮しているとしましょう。そこにいろいろ意見をしてくる後輩がいたとします。ある程度の説得力がある意見だけれども、あなたにとっては知識・経験のない後輩からの言葉なので、これを受け入れることは負けであるように感じらるし、それを認めることであなたのリーダーとしての地位も保てない状況に陥る。ここで許可を出さなければ、今後もそのようなことは続き、ひたすらあなた自身を守ろうとする行動になるでしょう。逆に、そういう意見も取り入れてみよう、自分の地位は二の次なのだからという”許可”を出して行動したとします。そのとき、あなたはこれまでとは違うリーダーシップの要素を獲得し、より一歩自由になるというわけです。

このように、許可と自由獲得、自分のバージョンアップとは深い関係があるのです。いろいろな制限を自分そして他人に課すと、自分も他人も自由でなくなっていく。もちろん最初からすべて無制限というのに人間は慣れていないから徐々にではありますが、許しの持つパワーを実感することは、あなた自身とあなたに関係する周りの人たちの自由を拡大することは覚えておいてください。

赦しや許可は、大きい事象では、宗教対立や国家間の戦争まで規模は拡大された話になります。地球人ひとりひとりが、今よりも深い赦しの理解と実践が行われたとき、劇的に地球は変わっていくのです。その大きなキーワードが赦しであるということも重要なので、お伝えしておきます。


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