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【あがり症Q&A】人前で声が震えたり、頭が真っ白になってしまうことが あるのですがどうしたらいいですか?

動画紹介(文字起こし全文掲載)

今日ご紹介する動画は、「【あがり症Q&A】人前で声が震えたり、頭が真っ白になってしまうことがあるのですがどうしたらいいですか?」です。

人前で声が震える、頭が真っ白になるというのは、経験者にとっては非常に耐え難い体験ですよね。

このような体験に対して、どう考えて、どんなことを実践していけばいいのでしょうか。

具体的な策は、「実○中○」。

まずは一度試してみてください。

きっと新しい体験を得ることでしょう。

(※2019年12月30日投稿動画)

私のカウンセリング失敗体験

今日は、Q&Aコーナーを行いたいと思います。

今まであがり症の方々から受けてきた質問の中で、代表的なものについてお答えしていく対話型のQ&Aコーナーです。質問はこちらです。

【Q】
人前で声が震えたり、頭が真っ白になってしまうことがあるのですが、どうしたらいいでしょうか?

【A】
人前で声が震えて、頭が真っ白になる。

しんどいですよね。

私もそれで悩みました。

4,5年前でしょうか、あるあがり症の方からカウンセリングのご相談を受けたんですよ。

まさに、頭が真っ白になってしまう、声が震えてしまうという方でした。

司法書士の方だったかなと思うのですが、どうしても自分のやっている仕事上、何十人かの人前で法律について喋らないといけないと。

これが怖いということで、トータル10回ほどカウンセリングを行いました。

それで、結論を言うと、良くはなったのですが、私的にはイマイチで終わった残念なケースでした。

どういう風にやったかと言うと、あがり症の仕組みや、どうやってあがり症と向き合えばいいかということを色々と話したんですよ。

森田療法という心理療法がありまして、それを元にお話したんですね。

“人前であがらないようにというのは、そもそも不可能なんです。

とにかく目的に向かって集中しましょう”というように。

例えば、法律のことを人前で話をしないといけないのであれば、法律について集中して話しましょうであるとか、あがることはどうしようもないんですよとか。

あるいは、人生の根幹部分の話をしましょうということで、アドラー心理学のライフスタイル診断という手法を元に話をしたりだとか、そういうことを色々とやったのですが、最終的には、どうしても真っ白になってしまうんですと。

どうしようもないということで、仕組みを理解できたことで症状が軽くはなったんだけど、その方の満足度はおそらく思ったほどではなかったんじゃないかと思うんですね。

私の失敗体験でした。

それで、今にして思えば、どうすれば良かったのかと言うと、もっと不可能というのを体感してもらえたら、まず良かったのではないかと思うんですね。

人前であがるのはどうしようもないし、緊張するのも、声が震えるのも、頭が真っ白になるのもどうしようもない。

まず、治す側としても、とにかく治してあげたかったのですが、その症状を治すことをまず無理だということを、こちらももっとしっかり言えれば良かったのかなというのが一つ。

声が震えないように、緊張しないようにということは、なかなか難しいんですよ。

その点についてをまず、もう少しやれば良かったと思いました。

真っ白になった時のあり方の違い

もう一つは、真っ白になったときの対処法は、その頃、私自身も分からなかったんですよ。

今は講座などで色々とお伝えしているのですが、頭が真っ白になったときに人はどうするかというと、例えば、このように1対1の対話で、頭が真っ白になったらアシスタントの方はどうしますか?

>アシスタント:私の場合は、そのままにします。「真っ白になっちゃったな~、忘れちゃった~」という感じで、話を流しちゃう。

なるほど。これが1対1のときですね。

集団の前だったらどうしますか?

>アシスタント:集団の前だったら、「どうしよう」って思いますよね。経験したことがないので、ちょっと分からないんですが・・・。

アシスタントの方は、あがり症ではないんですよね?

>アシスタント:緊張はしますし、声も震えちゃう。例えば、誰かの前で本や教科書を読むときはすごく声が震えちゃう。だけど、それに何とか慣れていこうと思って、誰かに、少人数から聞いてもらったりして、自分で訓練して、今は少しマシになっているという感じなのですが。大人数の前というのは経験がないですね。

もし、真っ白になったら? 

想像してみると?

>アシスタント:そうですね、私の場合は、あたふたしたり、笑ってしまうかもしれません。「いや~、すみません」みたいな感じで、笑いの場にしちゃうみたいな。

笑いの場に変えることができる?

>アシスタント:笑いの場に変えられるかは分からないのですが、変えるように努力するかもしれません。「すみません、人間なので~」という感じで、笑いの方に話を持っていっちゃうかもしれません。

なるほど~。

だとしたら、やはりアシスタントの方は、あがり症ではない気がします。

あがりやすいタイプくらいの話。

極度のあがり症の方は、このようなときにどうするかというと、絶対に隠すんですよ。

そういうみっともない自分は出せない。

「何とかしなきゃ!」ということで、ぐるぐると考えて、言葉も出なくなる人もいるんですよ。

そうすると何が起こるかというと、固まってしまってしばらく身動きが取れなくなっちゃったりする。

以前相談に来られた消防士の方ですが、真っ白になるということで、具体的に話を聞くと、朝礼などで管理者として部下に話さないといけないときに、真っ白になったんですって。

部下は自分を、「この人大丈夫か?」という目で見ている。

部下の前で恥ずかしい姿はさらせない。

1分ぐらいと言っていたでしょうか、真っ白になった状態で、1分とか、30秒だとしても、これは地獄なんです。

30秒は、体感時間としては何十分感覚の地獄の時間。

本当に固まっちゃって、身動きが取れなくなっちゃったという方がいたんですね。

一回真っ白になると、真っ白な静寂というか、真っ白な状態を打ち破るのが恐怖なんですね。

動けなくなる、固まっちゃうという方がしばしばいるのですが、ここには、いまアシスタントのあなたがおっしゃったような在り方とは、違う在り方があって、思考の中でどうしようとどうしようと考えて、もうしっちゃかめっちゃかですよね。

実況中継と自己一致

あがり症の方は、これをすればいいのか、あれをすればいいのかと、思考の中で解決しようとするのですが、この中に解決はないんです。

なので、このときに何をすればいいかというと、行動しかないんです。

行動とは何かというと、例えば、ページをめくることかもしれない、文章のどこだっけと指を動かすことかもしれない。

他にも、何かを読んだり、喋ることはできるかもしれない、真っ白になっても。

喋る方法のひとつに、実況中継してみるというものもある。

人前でまともに喋りたいという理想があって、真っ白になっちゃった自分を受け入れがたい。

大丈夫な自分を演じようとして、本当の自分とギャップがあるという状態が、真っ白になっているときに起こっている出来事なのです。

これを自己一致させるように持っていく。

理想の“こうありたい”という自分を引きずり降ろして、いまの自分を実況中継するような方向に持っていくと、人はやがて自分を取り戻すことができます。

具体的にどうやればいいかというと、アシスタントさんはさっき何て言いましたっけ?

>アシスタント:え~と、「人間だしな~」でしょうか。

それが言えたらもう最高ですね。

>アシスタント:そうですか(笑)「すみません」みたいな感じで、てへっとやっちゃうと思うんですよ。

それも、ありです。

私がよく言っているのは、「え~、すみません。今ちょっと飛んじゃって」とか、「何を言っているか分からなくなって」とか、自分の今のありのままの状態を表現する。

「どこ読んでたかな。ちょっとお待ちください」、「お恥ずかしいです」といった感じで、自分の状態を実況中継していくうちに自分を取り戻していくんです。

取り戻していく自分は、ダメな自分を表現していて、情けない状態ですよね。

感情としても、緊張や不安、惨めさを感じている。

けれども、それは自分が自分であることを表現しているので、やがて言葉としても、自分の生の言葉が出てくるんですよ。

真っ白になってよく困ってしまう人は、やはり人前では立派に喋らないといけない、あがっている自分はダメだと、この理想をキープして、フリを演じるんですよ。

真っ白がバレないようにという感じで、体裁を取り繕うので、自分の生の声ではない。

だから、何を言っているか相手は分からない。

理屈もしっちゃかめっちゃかになるし、自分にも分からない。

意味も通らなくなっちゃうので、真っ白になったときは、理想を演じるのではなくて、いまのみっともない自分、情けない自分、真っ白になっている自分を、差し障りない表現で実況中継していくといいのかなという気がします。

完璧主義の自分をゆるす

アシスタントの方は、ここまで聞いていてどう思いましたか?

>アシスタント:私はあがり症ではないのですが、真っ白になっちゃったときに、そんな自分を隠したくなる気持ちは分かるなぁ、と。だけど、実際は見られているわけなので隠せないじゃないですか。だから、もう見られちゃってるわけだから、諦めるしかないのかなって私は思っちゃう。だったら、それを認めてしまって、「すみません。私も人間なので、こうなっちゃいました」と自分から言っちゃった方が、たぶん相手も笑ってくれるかなって思います。「そうなっちゃうよね」という気持ちに相手もなってくれるかなと想像して、自分のありのままの状態を言っちゃう。

なるほど。それが出来るかどうかが境目でしょうね。

いま言ったのが、もうバレているしと諦める、自分の状態を認める、自分で言っちゃう。

これっていうのは、理想の自分を降ろしているんですよね。

こうでなければならないという理想の自分を許して、こんな自分ですということで、自分を許しているんですよね。

どうしても、許せない人が多くてね。

>アシスタント:ということは、あがり症の人、人前で声が震えてしまったり、頭が真っ白になる人というのは、完璧主義者が多いということですか?

多いですね。

可能なことへの完璧主義であればありだと思うんですよ。

テストを99点ではなくて100点取るとか、頑張ればできるじゃないですか。

あるいは、完璧主義のメリットとして、防災管理とか向いているんじゃないかと思いますね。

完璧主義ですべてのリスクを抑えるなどは、最適かもしれない。

ですが、不可能なところについて完璧主義になってしまうと、永遠にその完璧が達成し得ない。

声が震えるとか真っ白になるとかは、人間なのですから誰にでも起こることなので、ターゲットの過ちですね。

>アシスタント:ちなみに、完璧主義だと頭が真っ白になって困りやすいということは、完璧主義な自分を緩めていくと、自然とそうならなくなるということでしょうか。生活の中で、完璧主義な自分を「まぁ、いいか」と思えるようにしていくことも大切なのでしょうかね。

そうですね。

ダメな自分になる特訓ですね。

「今日もできなかった、てへっ」という感じで。

理想じゃないとダメだという思いを、いかに緩めていくか。

カウンセリングやセミナーに来られている人を見ていて、その人の完璧主義が緩んだ瞬間というのは分かりますね。

それで、「あ、良くなるな」と感じます。

完璧主義の人は、隙がなくて姿勢や表情などもかくあらねばという感じになっているんですが、緩んだ瞬間にフワッとなるんですよ。

明らかに空気感が変わる。

このときにあがり症は良くなります。

それでは今日のまとめです。

今日は、人前で声が震えてしまう、頭が真っ白になってしまうというご質問でした。

より良い自分を演じてしまって、今の自分を隠しちゃって、何とかしなきゃという思いがあるかと思うのですが、思考ではなくて、目の前の行動をしていくことが大事だということです。

実況中継と言いましたが、手を動かす、口を動かすことが大事なのではないでしょうか。

今やれることを行動としてやるということです。

そうすると、やがて理想でなきゃという自分が少しずつ落ち着いてくる。

このようなことで良くなっていくでしょう。

また、完璧主義な自分をいかに緩めていくか、ダメな自分をいかに実践していくか。

もちろん、仕事上でやらなければならないことなどは完璧主義のままでいいでしょうが、生活の全部、人生の全部を完璧主義でやってしまうと人は病んでしまいます。

他者を、自分を責めます。

結果、人間関係が悪くなって生きづらくなります。

だから、許せる範囲で自分のだらしない部分を生活の中で膨らませていけば、完璧主義も徐々に改善していくのではないでしょうか。

今日は以上になります。

ありがとうございました。

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