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アーミー退職記念ツアー!(その2)

気合の6時半起床。
昨日も6時半には出発だったので、ホニャラには珍しく、連続で早起き生活だ。
Fさんが「健康的でいいですね」とポツリ。
というのも、今日のアーミーのラストは8時14分発の列車出し。
これに間に合わなければここまで来た意味がない!

外に出ると雪景色が非常にまぶしい。
カリッカリに凍る車を解凍して、全員集合。いざ出発だ!
トンネルだらけの快走路は渋滞など無縁。40分少々で糸魚川駅のアルプス口に降り立った。

ぐっさんが握ってくれたおにぎりを頬張り、別の車で来たぐっさんと、さらには新潟・五泉市のゲストハウス・五ろりの斎藤夫妻も合流。
総勢、7人で糸魚川駅新幹線ホームへと向かう。
全員が入場券を購入。なかなかこんなに入場券が売れる日も少ないだろう。
ホームに上がると、丁度通過列車監視のため、アーミーもホームに居た。
続々と上がってくるメンツを見て、一言。「なんか多くね?」
予告していないメンバーもいたので、そりゃビックリだろう。

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↑駅員を囲む怪しい集団

猛スピードで通過する東京からやってきた、下りのかがやき。僕らがいるのは東京行き上りホーム。後で聞いた話によると、合理化のため、反対ホームから通過列車の監視をするケースが出てきているのだそう。
さあ、いよいよ8時14分発、はくたか554号が接近。
感慨深げなアーミーを、七人の仲間が見守る。
確認事項を一つ一つ読み上げ、これが最後となる基本動作を一つ一つ。

そんなアーミーの姿を見守りながら、僕も3年前の自らのラストランを思い返していた。
「JRを辞めて宿を始める」
周りからは酔狂だと思われがちな道。
元々大好きでJRに入社した僕だが、自らの考えの変化、気づきもあり結局退社に至ることになった。

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↑最終勤務日の僕。友人を呼んで、ささやかなイベントを開催した

会社では基本的に受け身であった(そうならざるを得なかった)こともあり、一番最後だけでも自分らしく、楽しい泊まり勤務にしようじゃないかと、友人を呼んで勝手にラストラン企画を遂行。
その結果、鉄道会社人生に悔いなく、そして次へのステップとして最後を終えることが出来た。

アーミーのめでたい門出、ぜひ関わりある皆で見守り、祝いたい。そして、最後の勤務を思い出に残るものにしてほしいな…という、ちょっとしたお節介心もあり、今回の旅を企画したのだ。

入ってくる車両には目もくれず、アーミー一挙手一投足に注目。
列車が到着すると動きは慌ただしくなる。
ホームドアの操作、列車の状態確認、そして時刻・乗降終了の確認。
そして最後の出発指示合図と共に、ドアが閉まり、普段通りに列車は発車。
静かになったホームに、線路・架線に異常が無いことを確認喚呼するアーミーの声が響き、アーミーの鉄道員人生が無事に終わった。

引継ぎ等があるので、しばらくは自由時間。
斎藤夫妻が気になる神社があるとのことなので、少しブラブラとみんなで街歩きすることに。

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糸魚川の町を歩くのは初めてかもしれない。確か、初めて梢の雪に泊まった時も、ぐっさんと共に来たが、お昼を漁港近くで食べて、郊外の海岸に行ったと思うので、街中は歩いていないはず。
駅から山側に少し歩いたところに、その神社があった。天津(あまつ)神社
歩行者専用の狭い通路を歩くと境内に。
なんかちょっと変わったレイアウト。
瓦葺の屋根が立派な神社だ。

海へ向かって歩きはじめると、冷たい雨が降ってくる。瑛美ちゃんは寒いから駅で待つことになり、他のメンバーで、小雨の中海を眺めに行く。

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日本海を一望。しかし、天気が悪すぎて、折角の眺望が台無しだ。

僕は駅のお土産屋さんで、少し物色。
大糸線で昔、活躍していたキハ52が展示される待合スペースでノンビリしたりして、アーミーの勤務終了を待つ。

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ほどなくアーミーも合流。
しかしお昼ご飯のポイントが開くまで、もう少し時間がかかる。
外もあまり良くない天気なので、結局先ほどの待合スペース・ジオパルで時間を潰すことに。

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10時からオープンした、鉄道模型エリアがなかなか面白い。
北陸地方を走る列車を中心とした、さまざまな種類のNゲージやHOゲージが。30分500円で運転体験することもできる。
まだ1時間近く時間があるので、ならやってみるか。と、ハンドルを握る。

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一通り体験したら、みんなにもお裾分けして交代。仲間内での交代もできるのでなかなか良い。
さまざまな鉄道部品の展示や、この地方の鉄道の解説などもあり、テッちゃんなら半日は過ごせそう。鉄道雑誌もあるので、そちらを読みだすと止まらない気がしたのであえて目を背けた。

移動して、お昼ご飯。ぐっさんおススメのところはお休みだったので、もう一つのお店へ。
やはりここまで来たら海鮮。ちょっと豪華に海鮮丼を頂いた。

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さて、ここから梢の雪に帰るのだが、アーミーに運転代行をお願いして、僕とFさんは大糸線に試乗することに。
最初は梢の雪最寄りの、中土駅までかな?と思ったが、Fさんの希望もあり、南小谷まで行くことになった。

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最初は僕とFさんだけかと思いきや、瑛美ちゃんもアーミーから、もう無くなるかもしれない貴重な機会だよと言われ、一緒についてくることに。
コンビニでコーヒーを買い、いざ大糸線へ。
JR西日本の路線ではあるものの、新幹線とは乗り換え改札さえもなく、えちごトキめき鉄道に完全に飲み込まれる形で改札も共用。行き止まり式のホームから発車するようだ。
当然の如く1両の列車。乗り込むと、マニアと思しき人がチラホラ。ボックス席は一応すべて1人ずつ座っているぐらいの乗車だ。

発車すると、直ぐに新幹線・元は北陸本線だったえちごトキめき鉄道・日本海ひすいラインからはカーブして別れる。
根知駅辺りまでは、まだそれなりに飛ばしていた(と言ってもせいぜい60キロ程度)ものの、山が迫ってきたらもうノンビリモード。
時折現れる、25キロや30キロ制限の標識。
これは明らかにカーブのための制限ではなく、保線費用を少しでも浮かすために設定しているのだろう。
運転席後ろで立って、前面展望を楽しむ。というより、座ったら程よい暖かさもあり、速攻で眠りに落ちてしまいそうだ。
トンネルを抜けるたび、徐々に雪の壁も高くなる。大雪の際には運休になることも多いため、豪雪の様子を見ながらの車窓風景は、案外貴重なのだとか。
およそ1時間の列車旅を終え、南小谷駅へ。見ていたところ、途中の乗降はゼロ。糸魚川で乗った乗客が全員、南小谷まで乗車した。

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1両のディーゼルカー、そして松本行の電車(2両)、そして特急あずさ(長大9両)こんな図が見れるのも、あとどれぐらいなのだろうか?

先ほど糸魚川駅で別れたアーミー達と合流。
途中で道の駅で休憩しても、充分に間に合ったのだとか。
再び梢の雪へ。午後のこれからは、テントサウナを楽しむことに!
ぐっさんが先に帰って準備してくれていたため、あとは入るのみ。

服を脱ぎ捨てて、雪の中を足が埋まって悲鳴を上げながら、テントサウナへ向かう。中に入ると、少し温度は低めか。他のみんなは少し躊躇しているのでしばらくは貸し切りになりそう。遠慮なく薪をくべて、じわじわ温度を上げる。しばらく椅子に横になってぼんやり。
しっかり汗をだしたところで、雪降る屋外へ。
チェアーに横たわり、至福の時間を味わう。時折振り込んでくる雪が、火照った体を冷やしてくれて気持ちいい。
水風呂は冬季は残念ながら閉鎖中。それでも十分な満足感。
少しずつみんなも集まってきて、思い思いのペースでサウナを楽しむ。
いや~、最高だ!
一足早めに切り上げてコタツでゴロゴロ。
みんなもサウナから戻ってきたところで、なんと、ぐっさんが温泉に連れて行ってくれることに。

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夜の道をかっ飛ばして、到着したのは猫鼻温泉。
国道から谷底へ降りて、さらに砂利道を走るという秘境にある温泉だ。

まさしく山小屋という感じの建物。中に入ると、かけ流しの湯が待ち受けている。ササっと体を流して、どっぷり漬かる。
ああ、気持ちいい!
ちなみにサービスのお菓子も待合室に置いてあり、なんとうれしいことか。また是非、来たいところだ。

大満足で梢の雪に戻り、夜ご飯の準備を手伝う。
今夜も鍋だが、また一味違うみぞれ鍋。
ジャガイモをすり下ろすので、どうするのかな?と思ったら、ノリで包んで揚げイモモチ風に。なにか小麦粉などを入れるわけでもないので、とても簡単。しかしこれはつまみとして最高だ。
そして、アーミーの門出の日ということで・・・

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ドンっと!鯛の尾頭付き!
贅沢な料理を味わいつつ、夜更けまで囲炉裏を囲んで語らう時間だった。

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