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Web3で王になれ ー 世界1わかり易いクリプトの教科書 ー

人はなぜクリプトに熱狂するのか。クリプトの何にそこまでの価値があるのか。

✏︎概要と目的
クリプトの価値を、あなたにとっての必要性を、老若男女誰でも理解できるように

「クリプト」とは何であろうか。暗号通貨、NFT、ブロックチェーン、Web 3.0と、難解な単語ばかり並べられ、調べても結局何が何だか分からないと躓いてしまった人も多いだろう。

👉それ、結局一言で言うと何なの?

事実、私もその1人である。当時、仮想通貨の「か」の字も知らなかった私は、自分が持つ直球ストレートの疑問に、消える魔球で返答してくるこの話題に辟易していた。

しかし、いざ知ってみると、Web 3.0そしてクリプトはもはや「なんか難しいから」という理由で若者から敬遠されるのはインパクトが大き過ぎる。それはこれから私達のインフラの血肉となる肝要な知識であり、権力や制約から解放されるための武器であり、自分の王国を作るための力なのだ。

本稿では、YouTubeチャンネル『CONNECTV』の『なぜ社会はWeb3.0に移行していくべきなのか?』(タップでリンク先へ移動)という動画で得た知見を基に、「いやそれ結局一言で言うと何なの?」「なんか凄そうなのは分かったけど何でクリプト/Web3じゃなきゃダメなの?」といったシンプルな疑問に答え、大志を抱く全人類にクリプトを活用するメリットを説くべく、過去の自分のような何のバックグラウンドのない人に向けた「世界一分かり易いクリプトの教科書」を提供する。

✏︎Web 3.0の定義

Web 3.0によって、「俺のものは俺のもの」になる

まずは物語の根幹、Web 3.0の話から始めよう。Web 3.0は一言で言えば、ネットワークにおける**「データの所有権が確立された新しい繋がり方」**だ。クリプトも多くがこのウェブ形態を前提とされている。

名前からお察しの通り、Web 3.0にはWeb 2.0、Web 1.0といった過去形態がある。

Web 1.0はGoogleやYahoo等を含む、静的な情報源だ。現実世界の本やテレビのように、ユーザー側にいる私達には閲覧することしかできない。

程なく、ネットワークはWeb 2.0へと進化を遂げる。TwitterやFacebookを含むSNSに代表されるように、「ユーザー側からの干渉」、そして「誰でも発信者になる」ことが可能になったのがこの形態である。

そして、本題のWeb 3.0 だ。これによって確立されたのが**「データの所有権」である。言い換えれば、インターネット上のデータにも「俺のものは俺のもの」**とすることができるのだ。

👉は?何当たり前のこと言ってんだこいつ

この概念が、私達日本人が恵まれている故に中々理解しづらく、そのせいで人々をクリプトから遠ざける、言わば諸悪の根源である。

保存した画像は保存したままだし、作ったアカウントは消えるわけでもないし、Web 3.0なんてなくても俺のデータは俺のものじゃんと、それが普通の反応だろう。

ただ、世界的に同じことが言えるか、というとそうでもない。例えば、前アメリカ合衆国大統領ドナルドトランプ氏はTwitterアカウントを凍結されている。何かとネットに規制をかけがちな中国が、自国の巨大企業•テンセントホールディングスを媒介して小学生以下に事実上のゲーム禁止令に近しいものを施行したのも耳に新しい話だ。

つまるところ、『なぜWeb 3.0じゃなきゃダメなのか』と問われれば、『会社であったり国であったり、データは往々にして「お前のものは俺のもの」とされがちだから』なのである。

👉だから私は、Web 3.0。

驚くなかれ、Web 3.0によるデータの所有権の確立の効用は、なにもTwitterで子供みたいに振る舞うことが許されたり、24時間ゲーム出来ること以外にもあるのだ。

その最たるものが、「価値の保証」。現実世界で買った家に他人が入り込み「これ今からオレの家ね」なんてことがまかり通らないのと同様に、ネット上の「価値あるモノ」につぎ込んだお金や資産が保障されるのも、Web 3.0の1つの効用なのである。

その「価値あるモノ」を代表するのが今回の主役、クリプトだ。

✏︎クリプトの定義

クリプトは、あなたを王にする

クリプトとは、直訳すると「暗号」だが、その実、暗号化の技術が使われているクリプトカレンシー(暗号通貨、仮想通貨)やクリプトトークンと呼ばれるモノたちをまとめて呼ぶためのカテゴリーの名前である。

100メートル走や高跳び、ハンマー投げ等をまとめて「陸上」と呼んでいるようなもので、特に身構える必要はない。

👉じゃあ仮想通貨とトークンって何?

この2つの概念については、YouTube上でAlreVOICE Official Channelが有益な見識を発信ている。(出典)まずはそれぞれの一般的な定義を参照してみよう。

•クリプトカレンシー(暗号通貨 or 仮想通貨)とは、インターネット上で資産として利用できる通貨のことである。

•クリプトトークンとは、インターネット上で取引できる仮想通貨資産の一種である。

👉それ…何が違うん…?

一般的な定義を見ただけでは、仮想通貨がオヤブンで、トークンが子分的な存在なのか、くらいの理解しか得られない。本質的な違いは、その用途と特徴にある。その違いを感覚で捉えてもらうために、定義をこう言い換えてみる。

•仮想通貨とは、既存の枠組みからの解放を可能にするものである

•トークンとは、あなたがあなたの国の王になるための統治権を与えるものである

👉いきなり世界観変わったな

✏︎仮想通貨の解説

あなたを既存の枠組みから解放してくれる、仮想通貨

まずは仮想通貨の解説をしよう。

この小カテゴリーに代表されるのは、ビットコインやイーサリアムである。そう、一攫千金のチャンスだとか、貴族の遊びだとか言われがちな胡散臭いアレである。それがどう既存の枠組みからの解放に繋がるのだろうか?

答えは、

•中央管理者がいない

•流通量が決められている

•法定通貨(円やドル等)への換金がタイムレスに行える

ことの三点である。法定通貨は、中央銀行によって管理され、発行量も常に増減している。対してクリプトカレンシーには、そのようなものは一切存在しない。つまり、価値が権力によって直接左右されることはなく、ユーザーの総意によってのみ決定されるのだ。

加えて、法定通貨を使用した通常の海外送金が審査等の必要性から時間がかかるのに対し、クリプトカレンシーを介した送金は圧倒的なスピードで行えるのも魅力の一つである。

👉まずは、自由になってから。

✏︎トークンの解説

あなたに統治権を与える、トークン

仮想通貨とは対照的に、トークンには管理者がいるし、流通量は自由に変えられるし、法定通貨への換金もできない。

👉じゃあ何ができんねんお前

仮想通貨の利点を全否定するようなトークンだが、**その真価は「誰でも発行できること」にある。**もちろんトークンを持っていてもスタバのフラペチーノは買えないし、電車にタダ乗りすることもできないのだが、**それが自社のサービスであるなら話の仮定は覆る。**自分で作ったフラペチーノならトークン引き換えで支払いを受けることもできるし、自分で引いた線路と電車ならトークン保持量が一定を超えたユーザーにタダ乗りさせてあげることもできる。法定通貨のように堅苦しい取り決めがない故に、その利用価値と方法は完全にあなた1人に委ねられるのだ。

国ほど大きくなくても、会社ほど資本がなくとも、自由に、あなたが、コミュニティの血肉となる通貨の発行そして管理をし、それを用いたルールの作成と統治を行う、つまり王になれるのだ。

👉ルールを守る側から、ルールを作る側へ

以下に、トークンを用いたマーケティング戦略の実例を2つ程紹介しよう。

✏︎実例1

お嬢ちゃん、いいもんあげるからこっち来なよ。

ネットワークサービス(例えばTwitterのようなSNS)の価値は、ユーザーに伴って増加するのは理解に難くないだろう。有益な情報、面白い発信者を見るために私達はTwitterを利用するし、それを求めてTwitterに集まったユーザーが更なる価値を生み、それがまた新規ユーザーを呼び込む…と言った連鎖反応が起こる。

しかし、新しくSNSをあなたが作るとしよう。サービス開始初期には、当然ユーザーなどいるわけがない。ユーザーがいなければ価値は生まれないし、価値がなければ新規ユーザーは集まらない、という悪循環が発生する。

投資家Sameerは、自身の記事で、トークンにこそこの初期の悪循環を断ち切る力があると論じた。簡潔に言えば、初期段階にサービス加入したユーザーに適切な価値を付加したトークンを配ることで、サービス加入することの自体の価値を創作してしまえばいい、という戦略が一定数のスタートアップで機能した、との報告と、実際に効果を再現するためにはどのような価値をトークン付与すべきかが論じられている。

具体的に誰が何をやったのか、そして後半の問いの答えは本稿の主旨から逸れるので、埋め込みリンク先の引用元を参照して頂きたい。

✏︎実例2

ドライブするだけで他者貢献に繋がる

Hivemapperという、Web3を前提としたマップ作成を試みているスタートアップがある。つい最近約20億円の資金調達に成功した戦略は、トークンを利用したものだった。(出典)

車に4K画質のドライブレコーダーを搭載してもらい、そこから得た画像データを基にマップを作成する。協力者には対価として、独自のトークン「HONEY」が配られる、といった仕組みである。

マップの作成だけでなく、移り変わる街並みをリアルタイムで反映し維持できる可能性が秘められているのも、このサービスの特徴であると言えるだろう。

✏︎まとめ

一つのルールで管理するには、私達は自由過ぎる。

史上、人類の文明は「コミュニティの更なる拡大」の一途を辿っていた。村から街へ、街から国へ。道路を作り、線路を引いて、電波を飛ばしてより大きな集合へと進化してきた。

しかし現代は史上初の自由意志が尊重され、それを公にできる時代であり、億を超える人口を抱える国や会社には到底支えきれないほどの潜在ニーズがそこにはあった。

Web 3.0、そしてクリプトは、そんな大きく肥えすぎてしまった巨人達から個人の主権を取り戻すための、時代が産んだ文明の利器なのである。

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