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真空管PCC89の変換アダプターを作ってみた

真空管アンプとの出会い

なんとなく、ずっと前から真空管アンプへのあこがれがあって「いつかは作りたいなー」なんて思いながらも、「作るのはちょっと面倒だなー」ということもあって、10年くらい前にヤフオクで真空管アンプを購入しました。中国製でパワー管が6L6系、プリ管がECC88系、整流管は5AR4のアンプです。ヤフオクといっても新品です。今もそのアンプはリビングでジャズなどを聞くときに活躍しています。そして、オークションや秋葉原のいくつかの店舗、オーディオフェアなどでちょこちょこと真空管を購入し、差し替えて音の変化や見た目の変化を楽しんでいたりもします。

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PCC89という真空管

秋葉原に行くと必ず立ち寄るお店の一つに「サンエイ電機」があります。そこで見つけたのが Mullard のPCC89でした。PCC89はECC88と同等規格であるもののピン配置が異なる真空管です。ピン配置さえ変えてしまえば、うちのアンプでも動くぞ! 店舗を訪れるたびに、この真空管を買うか、買うまいか数回悩み、最終的には「えーい、ピン位置の変換アダプタを作ってしまえ」と決心し、二本一組2500円で購入したのでした。

変換アダブターの制作

さて、アダプターを作るぞ!と言っても具体的なイメージはありません。色々と調べた結果、真空管試験機などで使うソケットセーバーが使えそうだと思い、ヤフオクで4個組のものを落札しました。

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これを分解するとこうなります。

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まずは、ソケットからピンを外します。具体的にはハンダを除去して分解します。

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次に、ピンを基板に固定したいところですが、ソケット内に収めるための基板を作るのはちょっと難しい・・・いや、単純に面倒くさい。そこで、アクリル板で代用することにしました。アクリル板にUVレジンでピンを固定しようという荒業です。パソコンで書いた下書きをアクリル板に貼り付けて、ピンの位置に穴を開けた後にアクリル板もOKのハサミでカット。そして、先程取外したピンをUVレジンで固定します。

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ちなみに、UVレジンはダイソーで購入したものですが、硬化させる紫外線ライトは、真空管を購入した「サンエイ電機」と同じラジオデパートにある「Shigezone」で購入したもので、その紫外線ライトの電池(18650)は、同じくラジオデパートの「トモカ電気第3営業所」で購入しました。私の記事「UVレジンの使い方」もご参照ください。

さて、あとはソケットと結線すれば完成です。ピンアサインは以下のとおりです。PCC89の7ピンと8ピンはカソード1です。最初は7ピンを接続せず浮かしたままとしていましたが、最終的には7ピンと8ピンを結線しました。

ECC88  -  PCC89

1(2P)  -  3(aⅡ)         :アノード2
2(2G)  -  2(gⅡ,s)       :グリッド2
3(2K)  -  1(kⅡ)         :カソード2
4(H)   -  4(f)           :ヒーター
5(H)   -  5(f)           :ヒーター
6(1P)  -  9(aⅠ)         :アノード1
7(1G)  -  6(gⅠ)         :グリッド1
8(1K)  -  8(kⅠ),7(kⅠ)  :カソード1
9(IS)  -  X              :使用せず

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はんだ付けはかなりいい加減。ちょっと心配なところもありますが、UVレジンで固定してショートはしないようにしています。これをソケットとして組み立てます。

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PCC89をさします。

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アンプに挿して音出し。

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うまくいきました! なかなかいい音です。

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