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「スー・チー政権」

一部の日本メディアは、ミャンマーの国家顧問の名前を「アウン・サン・スー・チー」と表記していますが、ラテン文字表記の「Aung San Suu Kyi」は音節で区切ったもので、一つひとつが姓や名、ミドルネームなどを示しているわけではありません。

一般的にインドシナ半島では、ベトナムを除いて姓を持つ習慣はありません。ビルマ族も家系を表す姓はなく、人名は親の名前や土地の名前などを組み込んで一語とするのが通例です。

ミャンマーの国家顧問の場合、「アウンサン」は父親の名前、「スーチー」は父方の祖母の名前「スー」と母親の名前「キンチー」から1音節ずつとったものです。このようにいくつかの要素から成り立ってはいるものの、名前としてはあくまで一語なので、日本語では「アウンサンスーチー」と一続きで表記するのが適切です。また、原語で分割されることはないため、「スー・チー政権」ではなく、「アウンサンスーチー政権」とすべきです。

姓の記入を求められるとき、便宜的に敬称などを当てる場合があります。国連事務総長を務めたウ・タントの「ウ」は男性に対する敬称です。

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