まだショウモウ(消耗)って誤読してるの?

漢和辞典で「耗」を見てみましょう。


モウ[慣] コウ(カウ)[漢]
ゴウ(ガウ)[呉]
(『全訳漢辞海』第四版)

モウは慣用音であると、ちゃんと書いてあります。

呉音でモウと読むときもありますが、これは「乱れて、くらいさま」(同)を表す用法にのみ適用される読みで、通常の「減少する」「消費する」を意味するときの読みはコウ(漢音)、ゴウ(呉音)しかありません。

「消耗」は元来ショウコウと読まれていました。

健三よりも七つばかり年上な彼の半生は、あたかも変化を許さない器械のようなもので、次第に消耗(しょうこう)して行くより外には何の事実も認められなかった。(夏目漱石『道草』)

モウと読むようになったのは、旁(つくり)の「毛」からくる誤読が広まったからでしょう。

というわけで、明日から「消耗」はショウコウと読んでください。

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