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政権のセイトウセイ

大学で政治学を学ぶ人がまず始めに習うのは、被治者の意に反してでも自らに従わせることのできる権力を有するには、統治する側に相応のセイトウセイが要求される、ということです。通常このセイトウセイには、legitimacyに相当する語として「正統性」の字があてられ、特定の価値判断を含む「正当性(justness)」とは区別されます。

例えば、敗訴した原告側が判決を「不当」つまり「『正当』でない」と考えていたとしても、判決を下した裁判所の権威そのもの、すなわち「正統性」までは否定していないと見ることができます。もし原告側が裁判所の判断を社会で通用するものとして認めていないのなら、初めから司法に訴えようとはしないはずだからです。

参考


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