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「足下をすくわれる」

2005年度の「国語に関する世論調査」では、「卑劣なやり方で、失敗させられること」を表すのに「足下をすくわれる」を使うと答えた人の割合が74.1パーセント、「足をすくわれる」が16.7パーセントでした。

また、2016年度の調査で同様の質問をしたところ、前者が64.4パーセント、後者が26.3パーセントという結果でした。

調査では、後者の「足をすくわれる」が本来の言い方とされる、と述べられています。

足のあたりの意の「足下」ではなく、足そのものを引っ掛けて転ばせるという形容なので、「足をすくう」が正確な表現のようにも思えますが、実は「足下」にも「足の下部」(『日本国語大辞典』精選版)の意味があります。したがって、「足下をすくう」を誤用とするかどうかは微妙なところですが、ほとんどの国語辞典が「足をすくう」を見出しに掲げています。

なお、「足を(足下を)救われる」は誤り。正しくは「足を(足下を)掬われる」です。

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