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語学にタンノウな人

才能が優れているという意味の漢語としては、カンノウと読みます。そもそも「堪」の字音はカンしかないのですが、「堪能」がタンノウと読まれるようになったのには、少々ややこしい経緯があります。

「堪能」には、他に満足するの意がありますが、『日本国語大辞典』(精選版)などによると、これはもともと「足(た)んぬ」がなまったものとのこと。これに対する当て字が「堪能」なのですが、この際「湛(タン)」を当てるつもりが「堪(カン)」と取り違えられたと考えられています。

そして、満足するの意であるタンノウの読み方が、同じ字を書き技芸に優れている意の「堪能」の読みにもそのまま移植されてしまったというわけです。

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