「ヴ」
欧米の諸言語にある[v]の音に、私は商号などの例外を除き、原則として「ヴ」の表記を使わないことにしています。理由は至って単純で、[v]は日本語にない音価である、また「バ、ビ、ブ、ベ、ボ」で間に合う、というものです。
敢えて「ヴ」を使うのなら、片仮名に転写しようとしている外来語が本当に[v]の音価を示すものなのかどうか、よく吟味する必要があります。Vは英語やフランス語では[v]ですが、他の言語でもそれが当てはまるとは限りません。
例えば、このマガジンで何度も言及しているとおり、ラテン語ではVは[u]ないし[w]を表します。
ドイツ語では、Vは[f]の音になります。一方、[v]を表すのはWです。「ヴ」を使わない場合は、「ワ、ウィ、ウ、ウェ、ウォ」を使うのが慣例となっています。
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