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06 Dear Rocksteady dem

 このアルバムの録音でもはじめの方に録音した曲。
白石トシゾウくん(THG)と言うギタリストが2019年の秋に岡山県倉敷市(デザートタイム倉敷)でライブをした時に「小坪サンセット」なるギターインストを披露していてそれに感銘を受け、その日家に帰って直ぐに「瀬戸内サンセット」と言う曲を数分で作った。ギターだけでメロディを作ったのはこれが初めてだったので妙に新鮮で「あーだからギタリストの作るメロディってこうなのか!!コードから紡ぎ出してるんだ〜!」と夜中に1人乱舞した覚えがある。そのラインで出来たのが「ジャマイカン デュエット」と本作「Dear Rocksteady dem」であり、作りながらアーネストラングリン氏のギターが聞こえてきたりコロナで会えなくなったり活動を断念せざるを得ないメンバーや、遠く離れた故郷仙台の人達、岡山・倉敷・赤穂の音楽仲間を想いながら「みんな元気にしてるのかなぁ。。。」と手紙を綴る様にメロディを書いた。


。。。ハッキリ言わせて欲しい。

自分史上最高の名曲である。

自分がこんな曲が書けるとは夢にも思わなかったし、コロナと言う特殊な状況が無ければ書けなかっただろうし、これ以上の曲はもう僕には2度と書ける気がしない程だ。。。ホントに自分が書いたのかも信じられ無い。もう一度言う。

名曲である。大変だ!

「あの男に連絡だ!」
。。。そうやってスマホにギターだけを録音し田淵キミトを呼び出し聞いて貰う。「ええ感じですね〜^_^それにしても最近ギターうまなったよねぇ。。。」付き合い始めて20年にもなろうかと言う所だが初めて褒められた。間違いないこれは名曲だ〜〜〜!
もう頭の中ではユル〜いジャマイカのリズム、ロックステディが鳴っていた。アーネスト・ラングリン氏は勿論、生きていればローランド・アルフォンソ氏もきっと気に入ってくれたんじゃないかなぁ。。。なんて思ったり。(大きく出過ぎか⁉︎)      
 コロナがおさまったらスティールパンでのバージョンやギタリスト2人でデュエット、ホーンセクションでのハモリ入りバージョンなど夢が膨らんでしまう。ウッシッシ〜。

僕は名曲を手に入れた。

 

この人が居なければこの曲は出来ていなかっただろう「梶さん」の事。

 僕に多大な音楽的影響を与えてくれた梶さん。
僕の大事な数少ない友人である。(前述のカフェのオーナーでもあった)その梶さんが自分の部屋に招いてくれてレコードで聞かせてくれた「A Mod Mod Ranglin」今では超愛聴盤である。僕は気に入ったレコードは何回も何回も聴く、だから一般リスナーやDJの様に全然音楽に詳しくは無いが。。。
 梶さんには朝霧ジャムやフジロックに連れて行って貰ったりして人生観がまるで変わったり、感謝してもしきれない御仁なのだ。
 アウトドアで自然に触れる大事さを教えてくれたのも梶さんだ。めちゃくちゃオープンマインドな人物、彼と一緒にいるとどんどんいろんな友達が増えてゆく。そして数少ない僕の音楽の理解者でもありいつも応援してくれている。彼との出会いは僕の音楽にとてつもない影響を与えている。
 ある時「タケオちゃ〜んクラシックも良いんよ〜」とラヴェルの「夜明け」をレコードで聴かせてくれた。
「おー良いね〜!聞かせて聞かせて〜」とは言いながらあまり期待はしてはいなかったのだが。。。

無音から始まりオーケストラがボチボチ音を出してくる
「あぁまだ空が暗いんだなぁ」
楽器が段々と寄せてくる。。。
「朝靄の山が浮かんできた。。。虫達や鳥達が鳴き始めてる。。。」
遂には楽団のテンションがMAXに!

「ヒョエ〜〜〜!!!ホントに夜明けの景色が見える!山から光の筋をまとって太陽が顔を出したのが見える!白い鳥が太陽の光を浴びて横切っていくのが見える、見えるよ!おとうさ〜ん!!!(意味不明)」

。。。閑話休題。

音楽で景色を見せるってこう言う事かっっ!!!!!

 僕は自分の偏見が崩れ去る瞬間が大好きだ。人間長く生きてたらどうしたってその経験から偏見の多い人間になってしまうもの。それがガラガラと崩れ去り新しい扉が開く瞬間が大好きだ。自分を再構築しなきゃいけないので勇気がめっちゃ要るけども。。。
間違いなく前より豊かになっている。世界の見え方が違う。

「ラヴェルやっべ〜!!!」そう言えば音楽に全然触れる機会のなかった小学生の頃に唯一興味を沸かせたのが運動会で掛かっていたラヴェルの「ボレロ」だった気がする。音のダイナミズム(勿論それだけでは無いと思うが)であれだけの表現が出来るなんて。。。音だけで景色を見せれるなんて。。。

 タングステンの光が仄かに灯り、午前零時を回った頃に僕は音楽で朝日を見た。

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