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私流。平泉寺散策 & 撮影 〖苔の境内〗

 国史跡で日本遺産にも認定されている「白山平泉寺旧境内」(福井県)の撮影を始めて9年目、国特別史跡の「朝倉氏遺跡」の撮影は15年目になります。
 60年以上も前に、NHKTVで「事件記者」という人気連続ドラマがありました。「現場百ぺん」と「夜討ち朝駆け」という言葉を知ったのはこの番組でした。
 私の撮影スタイルも「現場百ぺん主義」です。(さすがに定年退職後は歳には勝てず、早朝・夜間の「夜討ち朝駆け」の撮影は激減しました。)
 幅広く多くの撮影地を撮り歩くのではなく、近場で何回も通い詰めて撮り続ける主義です。

 そしてインプット(撮影)だけでなく、アウトプット(写真展、写真集)にも力を注いできました。質的には決して自慢できるレベルのものではありませんが、量的にはかなり頑張っているつもりです。

   「北野は変わり者だ。訳の分からん写真ばかり撮って!」
 
よく耳にする言葉です。確かに花鳥風月調とはいささか異なります。被写体も有名景勝地のため息の出るような美しい風景にはほど遠いものばかりです。

   「北野さんにはダマされたよ!」
 
私のメイン撮影地の一つに越知山越知神社があります。地元の方々にもあまり馴染みのない神社です。
 私の個展でそのお社を知り、撮りに行かれたある写真クラブの指導者の方から、後日真顔でガッカリした口調で言われました。

   「暗い感じの作品ばかりで、こんな世知辛いご時世に
               なおさら心が暗くなってしまったわ!」
 
これも実話です。
 10年ほど前、2回目の個展会場で見知らない女性が帰り際に私に面と向かって、これも真顔でぶっきらぼうにおっしゃった言葉です。
 私の性分、生きざまが私の写真そのものですからこればかりは致し方ありません。

   「捨てる神あれば拾う神ありだよ、頑張れ!」
 
こんな言葉で慰め励ましてくださる方もたまにおられます。
 私は歳をとっていても人間的には非常に未熟です。
 不本意ながらも、私の言葉に傷ついて離れていった写真愛好家さんも何人かいます。

 老いの戯言、愚痴話になってしまい失礼しました。
 このような調子で私の写真ライフも27年目になりました。
 本格的にライフワークとして取り組むようになってからは15年目になります。

 本題に入ります。
 今回は、「祈り」と「いのち」をテーマに撮影に取り組んでいる「白山平泉寺旧境内」での撮影を通して、平泉寺私感を述べたいと思います。
 写真愛好家さんの撮影だけに限らず、見学者の方々の散策にご参考になるように組み立てた記事です。題して「私流。平泉寺散策 & 撮影」です。

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