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平泉寺と私

 国史跡で日本遺産にも認定されている「白山平泉寺旧境内」(通称、平泉寺;福井県勝山市平泉寺町)の撮影を始めてから今年の6月で丸8年が過ぎようとしている。
 60年以上も前にNHKTVで「事件記者」という人気連続ドラマがあった。確か夜9時過ぎの放映だったと思う。我が家にTVがなくて近所の家へ行っていつも見させてもらっていた。
 「現場百ぺん」と「夜討ち朝駆け」という言葉を知ったのはたしかこの番組だったように思う。

 私の撮影スタイルも、撮影地を絞って「現場百ぺん主義」だ。さすがに定年退職後は歳には勝てず、ゴールタイムと言われる早朝・日没の「夜討ち朝駆け」の撮影は激減した。
 私は、幅広く多くの撮影地を撮り歩くのではなく、近場で何回も通い詰めて撮り続ける主義である。
 平泉寺しかり、一乗谷しかり、越知神社しかり、奥越前の山間の限界集落や廃村もしかり、今ではこれらの場所も写真愛好家さんに知られる撮影スポットになったが、私が撮り始めた頃はあまり注目されていなかったところばかりだった。
 
 現場百ぺん主義の撮影スタンスになったのは一乗谷からだ。その数年後に平泉寺にも目を向けるようなり、さらに越知山越知神社が加わり、次に勝山市北谷町、そして野向町と、人とのご縁をいただき撮影フィールドが徐々に拡張している。
 体力減退(加齢)に反比例して撮影フィールドは拡大しているという皮肉な状況になっている。

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