等の話(その17)

等の乳首に異変が起きたのは今朝のことだった。
あんなに痒くて痒くて仕方なかった左の乳首がまったく痒くないのだ。
代わりに右の乳首が激しい痒みに襲われていた。
等はすぐに悟った。
連日激しい痒みに悩まされ続けている左の乳首をすぐ隣で見続けていた右の乳首が左の乳首を見るに見かねて激しい痒みを譲り受けたのだと。
愛であった。
それはまさしく無償の愛であった。
等は感動した。

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