結婚について
23で独り暮らしを始めてから、四半世紀が経とうとしています。一人は気楽でいいっちゃいいのですが、年齢を重ねるうちに「一生ひとりでいいのだろうか」という疑念も湧いてきている今日この頃です。今回は、そんなお話。
バツはおろかマルすら付いたことがないにもかかわらず、私は世間的には既婚者だと思われている節があります。「彼女いるんですか?」「結婚してるんですか?」といった質問をすっ飛ばして「お子さん何人いらっしゃるんですか?」と聞かれることなどざらですし、行きつけのバーで深夜に飲んでいると、隣に居合わせたお客さんに「奥さんに怒られませんか?」と心配されることもままあります。趣味でやっている武道の同僚とサシで飲みに行った時も、私が独身だと知ってえらく驚かれたことがあります。それなりの人物と認めていただいていると感謝しなくてはいけないのかもしれませんが、どこか損をしている気がしてなりません。
でも、独身丸出しで生活するデメリットも認識しています。サラリーマン時代、女性社員から同性愛者という噂をたてられたことがありましたから。かつて、俳優の中井貴一さんが独身だった頃、とあるインタビューで「独身で居続けると同性愛者と思われてしまう」と不安を口にしていたことがありました。「まさか、そんなことないでしょ⁉️ましてや、中井貴一さんが」とその当時は思いましたが、そのまさかが自分の身に降りかかってきた時、初めて世間の冷たさというものを知りました。ただ、独身の女性に対してそのような疑いを持つことはまずないのに、男性にはそのような眼差しが向けられることについて個人的には納得がいってません。せめて「ずっと以前からお慕いもうしておりました」くらい言ってくれたらいいのに…。
そんな冗談はさておいて、この他にもサラリーマン時代の私にはいろんな誤解がつきまとっていました。
「家でもスーツ着てそう」
「家にテレビ以外の家具があることが想像つかない」
「ひとりでいた方が楽だってオーラ出しすぎ!」etc.
まぁ、最後のに関しては最近も似たような指摘を受けたので、あながち間違いでは無いのでしょうが。膝をつき合わせればいい奴だとすぐにわかるはずなんだけど、その最初の入り口が最もハードルが高いというのは結構致命的かもしれませんね(汗)。こんな状況なので、今のいままで結婚とは無縁の状態が続いています。
で、そんな私がなんで結婚したいと思うようになったのかというと、ひとつにはフリーランスになってある程度自分のやりたいことが出来ているという実感が持てるようになったから。つまり、気持ちにゆとりができたんですね。それで、あと自分に足りないものは何かと考えたら、出た結論は結婚だったということ。逆に、サラリーマン時代はこんなこと思ったことはありませんでした。結婚してしまうと、家庭以上に会社に縛られてしまうという感覚が強かったから。「仕事が嫌になっても、家族がいたらおいそれと辞められないじゃないか」と考えたら、とても結婚しようなんて思いませんでした。だから、サラリーマンを辞めた時は40を目前に控えてましたが「独身でよかった❗」と心から思いました。そして、あともうひとつの理由があって、それはコロナ禍の影響です。実はコロナが流行りはじめた頃、夏まで埋まっていた予定がすべて飛ぶという経験をしました。その一年前に引っ越しをしたこともあって蓄えがあまりなかった時期だっただけに、この時は本気で廃業を覚悟しました。でも、そういう時はその時のニーズに合った仕事が出てくるもので、運良くそういう仕事にありつけて、持続化給付金も貰えてとしているうちに何とか糊口を凌げたのですが。こうした経験をしたことで「一生1人は危険だ」と直感しましたね。困った時に助け合えるパートナーがそばにいた方が心強いことを、コロナ禍では身に染みて感じました。
そんなこんなで結婚を意識し始めたのですが、相手を探すにあたっての条件を自分なりに考えてみました。それが以下の3つ。
①一緒に中野に住んでくれること
②結婚後も仕事を続けてくれること
③自分のやることに余計な口出しはしないこと
あれっ⁉冷静に考えると、今の生活をあまり変えたくないということですかね。①に関して言うと、実はお袋の実家がかつて中野にあったので、幼少のころから愛着と多少の土地勘があったこと、そして実際に住んでみて改めてその良さを体感できたことが大きいですね。だから、東京に住み続けるにあたって中野から離れるのはちょっと名残惜しい。②については、自分ひとりの収入で誰かを養う自信がないし、そのつもりもないので。それに、夫婦それぞれが自分の財布を持っていたほうがいいと思うんですよ。DVやハラスメントをする奴って、相手の経済的自立を奪うことから始めるといいますから。いざというときに自活できる状態を作っておくということは、セーフティーネットの確保にもつながります。③については、もうこれだけ長く独身を続けているとライフスタイルに関する価値観も確立されているので、そこは尊重してほしいなと。つまり、大人な女性を欲しているというわけですな。折り合わない点があるなら、話し合って解決しましょうよ、ってことです。
さらに言うと、自分と同じ境遇の女性に出会いたいなと。センシティブな部分に関しては何ら変わったところがないにもかかわらず、なぜか結婚しなかった、あるいはできなかったという人と。いると思うんですよ、十分。それに、結婚って属性が近い者同士がしたほうがうまくいくそうなんですよね。先ほど触れたDVやハラスメントは、収入や育ってきた家庭環境などの格差が発生の一因らしいですから。
もちろん、簡単ではないことは承知しているつもりです。大体そんな女性に結婚願望があるのか、という問題もありますから。結婚って、女性の側が積極的でないと成立しないとも聞きますし。それに、恋愛結婚が主流になったことで同世代婚の割合が格段に上昇する一方、男性年上婚というのは急激に減少しているのだとか。要するに、私のような中高年男性は結婚・恋愛市場ではあぶれまくっているんですよね。そもそも、そういう対象として見てもらえないという現実がある。最近、20代後半の女性と知り合う機会がありましたが、年齢の許容範囲は10歳上までと断言していました。いや、これでも世間相場的にはかなり寛大なほうだと思いますよ。ほんと。
そんな厳しい状況に直面しながらも、私は結婚も子供を持つことも諦めません。やっぱり、愛し合う人と苦楽を共にし、命や血縁を繋いでいくことって素晴らしいことだと思うのですよ。今の仕事を始めて出会った大先輩から「養子を取ってでも子育ては経験しろ」と訓示もいただいてますし。もっとも、子供に関しては相手があることなので実際にどうするかは相談してからになりますが。なかなか機会がない中でも、惜しい出会いはいくつかありましたし、まだまだイケると自分に言い聞かせています。
今回は、ここまでにしたいと思います。
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