「暴太郎戦隊ドンブラザーズ」が面白い件について

私の家にはテレビがありせん。…が、最近ハマりつつある番組があります。それが、「暴太郎戦隊ドンブラザーズ」です。

もともと特撮ヒーローは好きでしたが、本格的に観るようになったのはここ2年のコロナ禍の影響が大きいです。特に、コロナが流行りはじめたころは夏まで埋まっていたスケジュールが全て飛ぶという経験をし、一気に空き時間が増えました。その埋め合わせをするかのように見始めたのがきっかけです。最初は、昔を懐かしむ意味で子供のころに見ていた番組をAmazonプライムで見ていましたが、そのうち自分の世代以外の作品が気になりだし、ついには東映特撮ファンクラブ(以下TTFC)に加入して、暇を見つけては観ている次第です。

そんな中で現れたのが「暴太郎戦隊ドンブラザーズ」でした。近年では、戦隊ものについてのニュースがネット上に溢れていて、特段意識しなくても目につくようになりましたが、このタイトルには度肝を抜かれました。各所で指摘された「致命的にダサいネーミング」は、本当に正当なスーパー戦隊シリーズの作品なのか疑いましたし、5人の隊員のうち2名がアバターという設定には「これからの戦隊シリーズは一体どこに向かおうとしているのか⁉」と不安になったくらいです。さらに、天女が舞う中さらしをまいた男たちが担ぐ神輿に乗ってやってくるというドン・モモタローの登場シーンには不可解さしか抱けませんでした。しかも、この天女や神輿を担いでいる男たちもドン・モモタローのお供なのか、現時点では不明です。しかし、内容的にはすごく気になる…。

幸い、TTFCでは放送終了直後から見逃し配信をしているので試しに見てみることにしました。そしたらなんの、これがなかなかに面白い!本来、戦隊ものの主人公はレッドーここではドン・モモタロー/桃井タロウーが原則ですが、作品世界としてはオニシスター/鬼頭はるかの視点で描かれていきます。その鬼頭はるかが、桃井タロウという人間に触れることでいろいろな気づきを得るという点では、鬼頭はるかの成長物語の様相を呈しています。

登場人物も、配達員、女子高生、サラリーマン、指名手配犯、風流人と個性的な面々ばかり。4月2日放送回(第5話)で初めて素顔で一同に会しますが、全員がお互いを仲間と認識し切れていないところも斬新です。まだ個としてバラバラな現状から、どうやってチームになっていくのか見ものです。

戦闘シーンでは、海賊戦隊ゴーカイジャーで行われた過去の戦隊への変身が採用されており、過去作品へのオマージュが感じられます。このシーンでは、アバターとして登場するイヌブラザーやキジブラザーも人間態としてアクションを披露するので、スーパー戦隊としての醍醐味はしっかりと守られています。

ネーミングとは裏腹に、コメディーを基調としつつも大人のドラマとして成立している点は注目に値すると思います。放送開始からまだ1か月ということで、全容が明らかになるのはこれからですが、いろいろと気になる要素満載で先の展開が楽しみです。「一年間逃げ切れば恋人を返す」という約束の元、人には言えない罪を背負って逃走犯になったイヌブラザー/犬塚翼の行方はどうなるのか?一年と言ったら番組終了まで犯人のまま出演し続けるわけですから、その辺りは一体どうなるのでしょうか。さらに、その犬塚翼の恋人とキジブラザー/雉野つよしの妻を同じ役者が演じていることも、何か大どんでん返しが起こる予感がして今からドキドキしています。

とにかく、これまでのスーパー戦隊の概念を覆すニューヒーローから今後も目が離せません。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?