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消耗しないメディアアプローチの方法

いろいろな会社さんでPRのお手伝いをしていると、『メディアアプローチが充分にできない』とご相談を頂くことが多々あります。同業であるPR会社の方と飲みに行った際にも、『案件が多すぎて全てのPRネタを充分にプロモートできない』という業界内の課題を吐露されることがありました。

しかし、メディアアプローチは過度に行うと逆効果、精神的にも疲れメディアから嫌われてしまうのが現実です。

本コラムでは、「毎回アプローチは行っているけれど、理想とする成果が出ない」「案件が多すぎてプロモートするリソースが無い」と悩む方に向けて、私なりのメディアアプローチに対するスタンスを紹介します。

メディアプロモートは気楽にやりましょう

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結論、全てのPRネタに全力を注ぐのは逆効果です。
まず、精神的に消耗する原因になります。そして何より、電話で過度なプロモートを行うと、多忙なメディア担当者から嫌われてしまうからです。記者は一日中、取材や記事の執筆に追われています。WEBメディアの編集担当なんて、一日4本~5本もの記事を執筆していると言われています。プロモートの電話に丁寧に対応している時間はありません。

また、PRネタはタイミングやニュース性が大きければプロモートしなくてもメディアは掲載してくれますしどんなに気合を入れてプロモートを行ってもタイミングやニュース性が無ければ、メディアは掲載してくれません。
アプローチよりもネタ作りにリソースを注ぎ、メディアに掲載されるネタを作り上げることがPRパーソンとしての醍醐味ではないでしょうか?

とはいえ、企業の広報担当者・PRコンサルタントとして業務の責任を担う以上、情報開発ばかりを行っていても成果はでません。
それでは、どのようなスタンスでメディアアプローチと向き合うのが正解でしょうか

通常ネタは基本のルーティン!強いネタは全力投球

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普段のネタは基本のルーティンを粛々とこなし、強いネタが出てきた時に自社のリソースを一気に注ぐのが正解でしょう。

ここで言う、基本のルーティンとは

・プレスリリースの作成
・プラットフォームでの配信(PRtimes・NEWS CAST等)
・自社メディアリストへのBCC送信

となります。
個別で記者に電話をかけて取材依頼をする場合もありますが、日々取材や記事の執筆に追われる多忙な記者にとって、電話での対応は正直迷惑な場合もあります。
普段のPRネタは、掲載獲得の有無に一喜一憂せず、基本ルーティンを粛々と実施するといいでしょう。

それでは、ここぞという時のPRネタは、どんなアプローチを行うと良いのでしょうか?

アプローチ前に取材ができる『機会』『場所』『人物』を準備する

PRネタが強い場合は一気にリソースを注ぎプロモートを実施します。強いPRネタとは、新規性や社会性がある・メディアトレンドに乗っている等『ニュース性が高い』ネタのことです。

しかし、暗雲にアプローチをかけてはいけません。どんなに良いネタであっても、記者が取材を行いやすい環境を作ってあげるのも広報担当者の大切な仕事です。

ここで言う環境とは『機会』『場所』『人物』です。
例えば、飲食店で新メニューが展開された場合は『PRESS向けの試食会』がそれにあたります。通常の営業時間に招待するのではなく、メディア限定で開催時間を設けます。記者がメニューを写真に収めることができるフォトブースを設置したり、食材の産地や調理のこだわりなど記事のポイントとなる情報をまとめた資料を準備します。そして、インタビューに答えられる人物も会場に来て頂けるようにスケジュールを確保しておきましょう。
それらを準備することで、記者が誰にどんなことをインタビューして、どんな写真を撮影できるのか?を取材前にイメージできます
結果的に、掲載イメージが湧きやすくなり取材確率が高くなります。

準備が出来たらしっかりプロモート

取材を迎え入れる準備が整ったら、丁寧に電話・メールで情報提供(プロモート)していきます。この時も、それぞれのメディアの切り口に合わせて説明をしましょう。

■まとめ

全てのPRネタを全力でプロモートするのは逆効果です。
精神的に消耗するだけでなく、大切なメディアリレーションを失う原因になるからです。ネタの強さ(時期・ニュース性)を考慮してリソースを注ぐネタを選別、良いネタは取材できる『機会』『場所』『人物』を準備して、丁寧にプロモートする。

メディアアプローチに対してもう少し柔らかなスタンスで臨むと、時間にも余裕が出来て、よりインパクトのある業務(PRネタの開発など)に集中することができるでしょう。



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