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タリーズコーヒージャパン創業者の松田公太氏から学ぶ『起業論』

皆さんコーヒーはお好きですか?(唐突に)

コーヒーはスタバ派ですか?タリーズ派ですか?価格重視ですか?

先日ブランドビルディングが得意だと標榜するコンサルティング会社から営業をうけた際に『スタバとタリーズの違いって何ですかね?』と質問してみたところ『タリーズは喫煙できるから好きですね』と返答があり、思わずずっこける体験をしました。
もうちょいブランディングの観点から違いを述べなさいよと。そんなんでコンサル料取れるならワシでもやるわと思いましたが、コンサルってそんなレベルの人結構いますよね。やれやれ。

そんなきっかけではありましたが、普段何気なく利用しているカフェの違いが気になりまして。スタバとタリーズの違いなんてこれまで考えたこともなかったですが、両店舗とも生活圏にできたら嬉しいし、ゆっくり過ごしたい時などは安価なチェーンが近くにあってもスタバやタリーズを選ぶ率は結構高い気がします。
それはつまり彼ら(友達か?)が目指しているブランド戦略が成功していることだと思いますので創業者がどのような思いで企業を成長させてきたのか、また、人の振り見てでは無いですがタリーズとスタバの違いくらいは語れる大人になろうと思い、本を読み比べてみましたよ。

経営者自伝としてはこの2冊ですかね。

すべては一杯のコーヒーから 新潮文庫 / 松田公太 【文庫】

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スターバックス成功物語 [ ハワード・シュルツ ]

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感想(7件)

タリーズコーヒージャパン創業者の松田公太氏と創業者ではないですがスターバックスを今ある姿に築いたハワードシュルツ氏の自伝になります。

まずは(薄くて)読みやすそうな松田公太氏の書籍から紹介します。

商品説明
スターバックスのライバルとして知られ、ナスダック・ジャパンへの上場で一躍有名となったタリーズコーヒージャパン。本書はその創業社長である松田公太の自伝である。
著者は、水産会社に勤める父親の仕事の都合により、幼少期をセネガルで過ごし、青春時代をアメリカで過ごした。大学から日本に移り、筑波大学卒業後三和銀行に勤務するが、アフリカでは「中国人」、アメリカでは「アフリカ人」、日本では「アメリカ人」と呼ばれ、どこに行っても異端視されるという複雑な思いを経験したようだ。そのことが、「食文化を通じて世界中の国々がお互いを理解し、尊重し、そして一つになる」という夢につながっていった。

本書には、著者の幼少期から創業、ナスダック・ジャパン上場までの軌跡が、スピード感ある文章で書かれている。ボストンで出合った1杯のコーヒー、タリーズ本社との交渉、三和銀行との決別、家族の死、その過程で出会った人々…。ライバル、ハワード・シュルツとのちょっとしたやりとりなども含まれており、楽しく読むことができる。本書には、起業のノウハウなどはほとんど書かれていない。ただ、起業して成功した人々に共通する大切な点―― 人との出会い、そして情熱を持ち続けることの大切さをあらためて教えてくれる。あまりに多くの不幸を乗り越え、成功を勝ち取った著者の半生に、胸が熱くなる1冊である。(土井英司)出版社からのコメント
タリーズコーヒージャパン起業物語。金なし、コネなし、普通のサラリーマンだった男が巨人 アメリカで出会ったスペシャルティコーヒーに惚れ込み、大手銀行を退職。米タリーズ会長を“アポなし”で突撃訪問、日本展開のライセンスを獲得。28歳で銀座に1号店を開業、店に泊まり込んで1日20時間働き、様々な工夫と、人材の発掘で急成長を実現。2001年7月会社設立後3年2ヶ月、スターバックスに先がけて、飲食業界最速で上場を達成。ベンチャーの新星タリーズコーヒージャパンの痛快サクセスストーリー。若き起業家の夢と情熱、普通のサラリーマンだった男になぜできたのか?amazonより


商品説明にある通り、本書には起業ノウハウ的なことはあまり書かれていませんが『圧倒的な熱量』と『たゆまぬ努力』そして『チャレンジ精神』など『できるビジネスマン』として生きていく上で必須とされる能力をどのように発揮するべきかがご本人の経験をベースに熱く、熱く語られています。デフレが加速していた日本で、スペシャルティコーヒー市場をどう根付かせたのか。その道のりは文字どおり山あり谷ありだった訳ですが、本書を読んだ方はタリーズコーヒーと松田氏に好意的になることは間違いないでしょう。
少なくとも私は『男が惚れる男』に認定させていただきました。
残念ながらタリーズコーヒージャパンは2006年に某社から敵対的買収を受け、回避策として伊藤園に持ち株を売却したことで松田氏は経営を退くことになり、現在では伊藤園の子会社になっています。
創業者でありながら株の保有率が低くかったことが要因の一つですが、それは株主と同じ目線で成長していきたいことの意思表示だと2002年執筆の本書にも書かれているだけにビジネスの世界の厳しさを痛感させられる出来事だとも言えますね。

ただ、タリーズを利用した際に感じる店員さんのホスピタリティや居心地の良さは松田氏が理想としていたお店なわけで、それが退任から15年以上経過してもなお継承されていると考えると改めて偉大な創業者だったのだと感じます。

そんな松田公太氏はタリーズの経営を退任後、ハワイで人気だったEggs ‘n Thingsの日本での展開権を取得(得意のパターン)しパンケーキブームを作ったり、参院選に当選し議員として活躍されたりしています(現在はEggs ‘n Thingsに再就任)

飲食業界はコロナ禍で大きなダメージを負ってしまいましたが、ようやく日本のコロナ対策も経済活動との両立にシフトしつつありますので逆境にすこぶる強い氏のここからのますますのご活躍に期待したいと思います。

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