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東京さくらユニバーシティ物語【第六章 大学4年のRINAの迷い】

キャンパスの春はいつも新しい出会いと別れを運んできます。RINAとYUKIは、緑が美しい公園のベンチに座り、将来について話していました。RINAはTAKUと交際中で、彼女の心は複雑な感情でいっぱいでした。また、TOSHIへの未練も彼女を悩ませていました。

「YUKI、本当に迷ってるの。海外で勉強するか、東京で就職するか…」RINAは悩みを打ち明けました。

YUKIは親友の悩みを真剣に聞いていました。「どっちも魅力的だよね。でも、RINAならどっちを選んでも大丈夫だよ。」

「でも、TAKUとのこともあるし…」RINAの声は小さくなりました。彼女はキャンパスでTOSHIを見かけるたび、心がざわついていました。しかし、TAKUとの交際中であるため、声をかける勇気がありませんでした。

「TAKUとはどうするつもり?」YUKIが静かに尋ねました。

「わからない…TAKUはすごくいい人だし、支えてくれる。でも、TOSHIのことも忘れられなくて…」RINAは複雑な心境を吐露しました。

「TOSHIね。あなた、一年生のときから彼のことが気になってたもんね。」YUKIは友達の複雑な気持ちを理解していました。

「うん…でも、TOSHIには声もかけられない。ただの憧れだったのかもしれないけど…」RINAはため息をつきました。

「RINA、大切なのはあなたの気持ちよ。TAKUとの関係も、TOSHIへの思いも、そして未来への選択も。」YUKIは優しく言葉を選びました。

「ありがとう、YUKI。でも、決断が怖いの。失敗したらどうしよう…」RINAの声は不安に満ちていました。

「失敗を恐れて何も選ばないのが一番の失敗だよ。RINAが幸せになれる選択をしよう。TAKUとちゃんと話してみたら?」YUKIは励ましました。

ある日の午後、RINAは大学の廊下を歩いていた。心は海外留学についての決断でいっぱいだった。そんな時、彼女の前に意外な人物が現れた。TOSHIだった。彼はギターケースを手に、何かを考え込むように立ち止まっていた。

「おっ、RINAじゃないか。久しぶり!」TOSHIがにっこりと笑いながら声をかけてきた。

「TOSHI、本当だ、久しぶりね。元気?」RINAは驚きつつも、嬉しそうに応えた。

「元気だよ。ちょうど良かった。実は相談があって…」と、TOSHIは少し戸惑いながら言った。

「相談?」RINAは興味津々で尋ねた。

「うん。実は海外での音楽活動について考えていて…」とTOSHIが始めた。

その瞬間、RINAの心は跳ねた。彼女自身、海外留学について悩んでいたからだ。

「それって偶然ね。私も今、海外留学についてすごく悩んでるところなの」とRINAが打ち明けた。

「本当かい?どういう風に悩んでるんだ?」TOSHIは真剣な表情で尋ねた。

「うーん、自分の将来について、どうしたらいいかわからなくて。東京で就職するか、それとも海外で新しいことに挑戦するか…」とRINAは心の中を話し始めた。

TOSHIはじっくりと彼女の話を聞いた後、「RINA、大事なのは自分の心が何を望んでいるかだよ。海外での経験は一生の財産になるし、新しい自分を発見できるかもしれない」と励ましの言葉を送った。

「ありがとう、TOSHI。君も同じようなことで悩んでるんだね」とRINAは感謝の気持ちを伝えた。

RINAは廊下でのTOSHIとの会話から、心がずっと軽くなった気がしていた。彼との会話は、彼女の悩みに対する新たな視点を与えてくれた。そして、彼からの次の言葉は、彼女をさらに驚かせた。

「実はね、僕が考えているのもカリフォルニアなんだ」とTOSHIが言った。

「えっ、本当に?私もカリフォルニアに興味があるの!」RINAは信じられないという表情で答えた。

二人の間には、偶然とは思えないほどのつながりが生まれていた。同じ場所

RINAの妄想(RINAとTOSHO)

に心惹かれていたことが、何かの運命のように感じられた。

「そうなんだ。僕は音楽の道を深く探求したくて、カリフォルニアはその最高の場所だと思っているんだ」とTOSHIは目を輝かせて語った。

「私も、新しい環境で自分を試したいの。カリフォルニアなら、きっとたくさんの刺激があると思う」とRINAは夢見るように言った。


ある日、RINAは、心を重くしてTAKUのアパートへと向かった。彼女の胸の中には、TAKUにまだ話していない重要な決断があった。彼女は海外留学への道を選ぼうとしていた。この夜が、おそらく二人が共に過ごす最後の夜になるだろうと、RINAは思っていた。

アパートに着いたRINAを、TAKUはいつものように温かく迎え入れた。二人は普段通りに夕食を共にし、日常の些細な話で笑い合った。しかし、RINAの心はどこか遠くにあった。

夜が更け、二人がベッドに横たわった時、RINAはとうとう口を開いた。「TAKU、私、話があるの。海外で勉強したいと思っているの。カリフォルニアに…」

TAKUはしばらく黙っていたが、やがて優しく言った。「RINA、僕は君のことをいつも応援しているよ。君が選ぶ道が何であれ、僕は君の幸せを願っている。」

RINAは涙を流しながら、「でも、この決断が私たちを離ればなれにするかもしれないわ。今夜が、私たちの最後の夜になるかもしれない」と打ち明けた。

TAKUは彼女を強く抱きしめ、「離ればなれになっても、僕たちの絆は変わらない。遠くにいても、心はいつも繋がっているから」と励ました。

その夜、二人は長い時間をかけて未来について話し合った。彼らの会話は時に笑いに包まれ、時に涙にくれた。RINAとTAKUは、互いへの深い愛と尊敬を再確認しながら、それぞれの夢に向かって進む勇気を持つことができた。

朝が来て、RINAはTAKUのアパートを後にした。彼女の心には寂しさがあったが、同時に新たな旅立ちへの希望もあった。TAKUとの最後の夜は、二人にとって大切な記憶となり、これからの人生を歩む上での大きな支えとなるだろう。


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