見出し画像

【妄言】水星の魔女21話を受けて グエルとラウダへの祈り

21話を受けて、兄弟の行く末がサプライズビッグプレゼントみたいにここまで引き延ばされて、突然ラウダが物語の表舞台に出そうな終わり方をして、阿鼻叫喚になっておりますが。

私はラウダが大好きで、彼がずっと報われて幸せになって欲しいと願っている人間で、だから不穏なフラグが立ちまくっているラウダの今後について、祈りと自分が落ち着いて本編を見られるように、自分の考えや今後こうなるんじゃないか、こうなってほしいというのを書いていこうと思います。というわけで、考察ではなく妄言ですね、はい。これまでに出てきた描写や自分の考えも参考にするんですが、本当にお祈りに近い文章です。あとラウダを中心に考えているから、必然的に彼の出番が多いような、主軸になるような話の構築をしているので、公式が引き続きサブキャラ1という感じでラウダを使うんだったらいつも通り全部お蔵入りです。

ラウダというキャラクターと置かれている現状


これは私が勝手に感じているだけですが、ラウダというキャラクターについて今回、21話でミオリネに感情の矛先を向けているので、かなりキツイことを言われているし、実際にその通りなんですが、しかし彼の本質から変わっているかと言われるとそうではなく、そして彼の事情や性格、描写を見ていると、そうなるのも無理はない下地は作られています。

ラウダは冷静で理性的と公式プロフィールにあるし、基本的には冷静に物事を見て理性的に立ち振る舞うキャラクターではありますが、それはそれとして内側には激情を抱えていて、それでいて子供っぽい妙な素直さがあります。

ジェターク社の評価や自分のプライドを傷つけられればムッとし、時には声を荒げ、しかし彼は与えられた情報で物事を判断し、それ以上のものを自分から調べたり憶測で判断したりはしません。

ヴィムから与えられた排熱処理の裏工作に加担するけれども、父親がそれとは別にAIに工作をしていたのを知らされていないので、それ故にグエルが苦しんでいることに気づかない。今回のミオリネへの憤怒も、ヴィムが毛嫌いして潰そうとすらしていたガンダムを自分たちに造らせ、地球での鎮圧と言う名の虐殺の引き金を引き、それがきっかけで学園がテロに巻き込まれ、ジェターク社にまで汚名を波及させている、という情報からのものです。

もちろん、それらはミオリネのせいではないということをグエルたちは知っていますが、それはあくまで一部の人間であり、ラウダは知らされていない。だからラウダはニュースや身の回りで起こっている事実の情報のみで判断し、それはミオリネが確かに悪い。

兄であるグエルに確認を取ればいいじゃないか、ということですが、ラウダは彼が変わってしまったと感じているので、それも難しい。実際グエルは、落ち着いたとかそれ以上に、先ほども言ったように父親が毛嫌いしていたガンダムをミオリネと一緒に開発している。

さらに今回、グエルが父親を殺害した上で今いるのだということがわかったので、ラウダから見れば父親を殺してしまったことにグエルは思い悩んでいるように見えないというのもあります。

グエルは地球に上がった時点で懺悔を繰り返して時間を無為に過ごすのはいけない、と吹っ切って戻っているので、PTSDには悩んでいても父親を殺したことに対して思い悩む段階はとうに過ぎている。でもラウダにとっては、尊敬する父を殺したグエルが何も思い悩まず、バリバリ仕事をして平気な顔で自分たちに接しているというのは、恐らく異常事態なはずです。ラウダは2週間ずっとグエルが自分が死んでいればと考えるほど思いつめていたことを知らないし、父親の死を表向きには吹っ切ったことを知らないので、それはもう「兄さんが変わってしまった」としか言いようのないことなのです。

それにミオリネが関係あるか?と言われるとタイミング的に微妙なんですが、しかしラウダは彼らがいつ手を組んだのかもわからないし、温室でのやり取りを知らないので、自分と話し合いをする前にはもう彼女と手を組んでいて、学園に戻ったのはミオリネと最後の打ち合わせをするためだ、という考えもできてしまう。

それでグエルに確認するのではなく、ミオリネに行ってしまうのが、どうしてもラウダが嫌われてしまう要因にもなりますが、でもそれでも彼はグエルが大好きで、たった一人の家族です。

大好きでたった一人しかいない家族に、もし確認をして、自分が受け入れられない答えが返ってきてしまったら、私は耐えられる自信はありません。もしぶつかって、グエルの変化が不可逆だと突き付けられたら、受け入れられない兄を兄として受け入れることができるのかと言われれば、それも私は自信がありません。

グエルにもラウダしかいないように、ラウダにもグエルしかもう家族はいない。

そしてグエルは、ラウダを遠ざけてしまっています。ラウダが言葉を交わそうとしても、それについては答えてくれない。もちろん状況が状況なのでグエルだけが悪くはありませんが、ラウダには全体を見る術がないので、ミオリネを単純に自分よりも優先している、ように見えているのかもしれない。

それも確認して、もしグエルにラウダよりもミオリネが大切だと言われてしまったら、恐らくもうラウダは立ち直れない。

現状、ラウダにできるのは、ずっとふさぎ込んで何もしないでいるか、それともミオリネに何らかの制裁を加えて責任を取らせて、ジェターク社=グエルを彼女の呪縛から解放するか。そのどちらかしかないのです。正当性はありませんが。

ミオリネに何をするのか


シュバルゼッテの前でラウダが佇んでいて、ミオリネに呪詛を吐いているので、このままガンダムに乗ってカチコミに行くようにも見えますが、ここでフェードアウトしているので色々とまだ可能性があります。

1.このままガンダムシュバルゼッテに乗ってミオリネをしばきに本社へ行く
2.正式にジェターク社としてグループ総裁のミオリネの身柄を確保しに行く
3.ガンダムシュバルゼッテに乗ってクワイエット・ゼロを破壊しに行く

最後の選択肢なに?ですが、それは置いておいて。

まず「1.このままガンダムシュバルゼッテに乗ってミオリネをしばきに本社へ行く」ですが、これはどのくらいラウダが冷静さを保っているかによると思います。

ラウダは1期ではどんなに気に入らなくてもスレッタに直接暴言を吐くことはせず、むしろ関わり合いにならないようにすらしています。直接対決をするのも、ランブルリングという命のやり取りや身体を損ねる危険性のない、学園の安全な戦闘で決着をつけようとする。

ミオリネに対しては歯に衣着せぬ物言いが目立ちますが、それでもグエルのように暴力に訴えかけることはしません。そしてスレッタに対しても。

このことから、ラウダはなるべく暴力を避けようとしている思考パターンが見られ、彼が直接暴力に訴えかけ、脅すにしろ殺す危険性がある(しかも多分まだシュバルゼッテには学園レギュレーションが搭載されていない)手段を、普段ならラウダは絶対に取らない。ただそんな人間が思わずやってしまうぐらい今回は頭にきているという表現をする可能性もあるのでこの可能性も十分あります。

次に「2.正式にジェターク社としてグループ総裁のミオリネの身柄を確保しに行く」

これは1に比べればラウダらしいパターンだと思います。告発したペイルとは違うけれども、正式なルールにのっとってすべての責任者であるミオリネを確保する。

ルールを順守する傾向が強く、暴力も好まないラウダにとっては、ルールでぶん殴れる方がいくらも気分が楽でしょうから。

最後に「3.ガンダムシュバルゼッテに乗ってクワイエット・ゼロを破壊しに行く」です。

突拍子もないですが、クワイエット・ゼロは、世界的にはベネリットグループが建造した大量破壊兵器、すなわちミオリネの計画です。だからそれを破壊することは、彼女の計画、夢を破壊することに等しい。

さらに、ミオリネの後ろ盾は現在ジェターク社、グエルです。

当然ミオリネが責められるのなら、グエルも共犯になる可能性が高い。そこで彼の身内で、ジェターク社CEO代理も務めた自分が、彼に代わってクワイエット・ゼロの破壊に向かえば、ジェターク社は少なくともクワイエット・ゼロに賛成していなかったという意思表明が可能です。

それからラウダは、決闘委員会というガンダムの情報がロウジのハロに記録され共有される立場で、エアリアルがファラクトと共鳴した戦い、グラスレー寮をオーバーライドした戦いを見て、スコア8のオーバーライドをまさに自社MSであるダリルバルデが受けたことがあります。

だからそれらから、ガンダムならば例えばスコアが同じか上回ることができるなら、共鳴することもオーバーライドされることもないと判断し、シュバルゼッテに乗ろうとしている。という見方もできます。

もちろんソフィのようにガンダムでもガンビットが奪われ、スコアを無理やり上げてパイロットを殺せるんですが、その時ラウダは気絶していて、学園の外で行われたので記録も取れていない可能性がある。

それから、シュバルゼッテのシェルユニットに色がついている可能性があるとしたら、ラウダはエリクトと同じくデータストームに適応している人間という可能性もあります。

パーメットの色が明るい青色をしていることがデータストームに適応しているサインである、という事実しかないかもしれませんが、今のところそれができたのはエリクトしかいないため、青色でなくともあの金属のような赤色以外の色が出れば、適応しているサインである、という可能性もあります。

データストームに完璧に適応している人間でなくとも、ルブリスが希望であるとカルド博士が言っているので、ガンダムの呪いを克服するのは「パイロット」ではなく「ガンダム」に秘密があるのなら、シュバルゼッテがそれを満たしている可能性もまたあります。

そしてカルド博士はルブリスに対話をしていて、エリクトの言葉にルブリスは活発に反応していたので、その秘密はAIにあるのだとすると、最新鋭のAIを搭載しているであろうシュバルゼッテが、一番それに近い可能性もまたあるのです。

ラウダはそこまで気づいていなかったとしても、ミオリネがジェターク社にもたらした罪の象徴であるシュバルゼッテに乗り、罪そのものであるクワイエット・ゼロを叩き潰すのは、彼にとってジェターク社のイメージを回復し、ミオリネの罪を糾弾する強い意味を持ちます。

1はラウダがどのくらい冷静でいられるか、2はラウダの性格的に可能性が高い、3はミオリネへの意趣返しとしてありえそうなライン。

ただ1と2はグエルに絶対に怒られるし、ラウダが完全に悪いし、この精神状態の二人が言い争いをするのは地獄なので、個人的には3であって欲しいです。あと3であると、水星の魔女のテーマに接続する前準備と、ラウダが突然キーパーソンになった理由ができるんですよね。

死に対する恐怖


ラウダは、指摘しましたが、どれだけ憎かろうが「死」を与える危険性がある方法で報復するのを避ける傾向があります。

そして21話を観て、彼は「他者の死」そのものに対して強い忌避感や恐怖があるのではないかなと感じました。

それが、彼が激怒している理由に父親の死が含まれていないことと、ペトラを一度も見舞いに行っていないような描写です。

父親の死を考えれば、グエルを責める思考になってしまうので思考から外している可能性もありますが、彼は父親が死んだ直後も「悲しむ暇もなく」とペトラが言っているので、葬式もろくにあげないでジェターク社の再建に取り掛かったのではないかと思われます。もしくは葬式をあげたとしても、すぐに仕事に戻っている。

これはそういう状況でもありますが、彼が父親の死を考えたくないから逃避していた結果としても見ることができます。現段階ではですが。グエルに対しても、「生きていた」ことに喜んでいるので、死んでしまったのではないかと一度は考えても、彼はずっと動き続けているので、ジェターク社が大事であったからもあるでしょうが、やはり兄が死んだということを考えたくないから、がむしゃらに働いて、スレッタに怒りをぶつけていたのではないか。

ペトラのお見舞いをしないで、側にいないのも、彼女は今死亡する確率の方が高い、非常に危険な状態です。つまり、死そのものでもある。

それを直視したくないから、ペトラから離れている。

彼がもしここまで死を拒絶しているのなら、ミオリネに直接食って掛かるのは、彼女の生命を脅かしかねない、自分が誰かを殺すことに繋がってしまうので避ける。またここまで死に恐怖しているキャラクター性を備えているとすると、水星の魔女の物語に、今のタイミングで関わることになる必然性もまた生まれてきます。

一期の最終話から、水星の魔女は「死」というテーマを常に抱えていますが、そもそもPROLOGUE時点で大量の死者が発生したことからスタートし、エラン4号も秘密裏に殺害されています。

テロによって奪われた死、スレッタが奪った死、グエルが下した死、私利私欲で死んでいく大量のアーシアンとスペーシアン。それらは全て意義あるものではなく、本当に無意味どころかマイナスの死です。

しかし逆に、スレッタや学園の子供たちで救った命や、被害を食い止めようと立ち上がった宇宙議会連合の大人たち、犠牲をもう生み出したくないミオリネたちなど、「生」へと向かおうとするプラスの行動が生まれ始めている。

そして「生」へと向かうスレッタと、「死」を見つめて止まってしまったラウダと、対比が生まれます。

だから直接衝突するのか、というところですが、多分キャラクター同士でぶつかり合うというのは、あまりないんじゃないかと思います。一番はちょうど壊していい大量の無人兵器があるということもありますが、スレッタは対話をしたいのにその前に一発ラウダを殴ってから行くというのは、彼女のこれから行いたいことに対してあまりにも乱暴な手段です。それにスレッタ相手に何もない状態でラウダが弱味をさらけ出せるかと言ったら、まぁありえない、殺されそうになったってラウダは言えないのではないかと思います。

だからラウダを追いつめるのは別の人間で、今出ている中でそれができるのはクワイエット・ゼロが一番ちょうどいい。

そして死を恐怖して動けなくなってしまっている人間を助けるのは、まさにレスキューの役割でもあり、スレッタはレスキューの役割を思い出したベテランであり、ペトラの願いを知る唯一の人物です。

ラウダは二人の関係がどうあれ、ペトラの生きる理由になっているのだから、最期の言葉を聞かなければならない立場です。その背中を押すのは、敵対者ではなく、寄り添える人間です。その点スレッタは、水星でも学園でも数多くの死を見届けてきた人であり、今はエリクトに向き合おうとしている、まさに死と対峙する大切さを知る人間です。

まぁこれは、私がこういうテーマだったのなら、戦いの中ではなく、静かな一対一の対話でやるべき、そのぐらい重要なテーマだろうと思うからこう書いているだけでもあるんですが。

でも死に対峙するというのは、恐らく水星の魔女で一番大切なテーマなのではないかと個人的には思っています。

というのは、まさにエルノラがエリクトの死を受け入れることができなかった、彼女を現世に繋ぎとめてでも死と対峙することから逃げた人なんですよね。

そのせいでクワイエット・ゼロが呪いであり復讐の道具になり、カルド博士の希望だったルブリスはエアリアルに改造され、世界に絶望をもたらすものとなってしまった。未だに彼女をはじめとしたヴァナディースの仲間や、夫のナディムが所属したオックス・アースは、プロスペラ、ベルメリア、世界から利用されて凌辱されている。

でも死んだ人は、静かに眠らせて、弔われなければならない。生きている人はいつまでも死者に囚われていてはいけない。という話に収束していくのだと思います。

だから、生と死のテーマが強く出てきた終盤でクローズアップされたラウダもまた、生と死に強く関係しているということではあるはずです。

魔女の子“ラウダ”


そのまま魔女の娘であるスレッタが印象的ですが、ラウダもまたわかりやすい魔女の息子としてのバックボーンを持っています。

彼は愛人、つまり不貞行為を犯した女性の子供、魔女の子です。

このことを恐らくラウダは非常に気にしていて、「自分のせいで家族がめちゃくちゃになった」という負い目も感じているような気がします。

それが、彼が「お前のせいでおかしくなったんだ、全部、何もかも」「お前のせいで兄さんは変わった」ということで激怒する点です。前者ではスレッタに対してで、ラウダらしからぬランブルリングでの直接制裁を行い、ミオリネに対してはシュバルゼッテに乗るか乗らないかはわかりませんが、何かしらの報復措置を行おうとしている。

罵倒する人というのは、実は自分が言われたくないこと、コンプレックスに思っていることを言ってしまう、ということがあります。例えば足が短いことにコンプレックスを持っている人は、とっさに出る罵倒も「足が短い」になるとか。

これをラウダに当てはめると、ラウダにとっては自分の世界や周りがおかしくなること、兄が変わることを、非常に恐れていることになります。(大けがを負ったペトラにも言及しているので、大切な人が傷つくこともそうですが)

そしてなぜ恐れているのかという点で、彼には「自分のせいでそうなった」過去や自覚がある可能性があるのです。

ラウダは後からグエル達の家に引き取られたことが明言されています。そして設定画を見るに、グエルの母と自分の母がヴィムを見捨てて出て行ったのはラウダが引き取られてからだとすると、ラウダが家にやって来てからすべての歯車が狂っていった、ということになります。もっと言えば、ラウダが生まれなければこんなことにはならなかった。

どういう事情かは知らないので置いておくとしても、ラウダがいなければラウダをグエルの家に引き取るという事件は発生しなかった。ならばグエルの母親が出て行くこともなかった。女性を二人失って、子煩悩で明るくて、息子に尊敬されていた父が、横暴になってしまうこともなかった。グエルが母親を失ってしまうなんてこともなかったし、尊敬する父親が変わっていくのを見せられて、苦悩することもなかった。ましてや大好きな父親に苦しめられて、それを殺してしまうなんてこと、絶対になかった。

全部ラウダが生まれたせいだ。

ラウダ個人がそう思って苦しむのと同時に、スレッタがもう婚約関係は解消したのに、個人的にミオリネの所業を責められているので、愛人の子であるラウダもそういう攻撃にさらされていたかもしれないとすると、幼いころから自分からも他人からも「自分がいなければ」と自分を責め続けていた可能性は十分にあるのです。

そして、ラウダはグエルの苦しみや大きな転機になる感情を、グエルよりも先に体感しているような描写が目立ちます。

・グエルがダリルバルデの制御権を父親から奪われる、自分の自由意思をはく奪されて父親の命令をただ聞くだけの人形として扱われる。
→ラウダもグエルを勝たせるために父親の裏工作に加担させられ、反論はするものの聞き入れてもらえず彼の手足として動くしかなくなる。

・グエルがスレッタに「結婚してくれ」と生涯を誓う
→ラウダもグエルへ「兄さんを支える」と初対面で誓う

・グエルは大人の世界で働き、事件に巻き込まれて相手のトップと相対するも決裂
→ラウダはインキュベーションパーティーでプロスペラと相対するも株式会社ガンダム設立というアクシデントが起き失敗

・融資元の協力や、隠されたガンダムもあり会社経営が上手くいかないグエル
→父親が死んだ直後からジェターク社を取りまとめるも、信用回復には至らないラウダ

・シャディクがすべての元凶であるとグエルが気づき怒りをぶつける
→(八つ当たりではあるけど)グエルが出て行く原因となったスレッタにラウダが怒りをぶつける

・ラウダと連絡が取れないことに苛立つグエル
→グエルが音信不通なことに苛立つラウダ

とまあこのように、細かく見ていけばもっとでしょうが、グエルが感じたり経験した苦しみや感情を、ラウダはもっと前に経験しているのです。そして、ラウダがグエルを「支える」ことを決めたのは初対面の時、ということでかなり昔のことであり、グエルがスレッタにプロポーズするのも、ラウダがグエルを支えると決めるのも、二人にとってはその後の人生を決定づけるターニングポイントであるとすると、「親を殺す」「自分が悪いんだと責める」「会社=家族をもう失わないと決意する」のも、もっと前に経験している可能性があります。

グエルが父親を殺したので、ラウダが母親を(結果として)殺したのか、というのは私としてはその可能性はあるなと思いますが、そうでなくともこれが原因で家族が決定的に崩壊したので、引き取られた直後に家庭が崩壊したラウダと被ります。そしてグエルを守るために自分ができることなら何でもする、というのは、もう絶対にグエルを失いたくないという決意が裏にあるから、結果としてスレッタやミオリネに原因を追究してグエルにはぶつかれない。

そして、自分が悪いんだと責めていたグエルは、「自分が代わりになって死ぬべきだった」と生きていることにすら自罰的な思考をしていて、ミオリネに「お前は悪くない」と言っても自分はPTSDに悩んでいたし、ジェターク社のことは相変わらず一人で背負っているので、死ねばいいとは思わなくても自分が悪いんだという思いは消えていません。

これがラウダにも適用されていた場合、彼は引き取られて家庭の崩壊を目の当たりにし、「自分が生まれなければよかった」と思い、「こうなったのは全部自分のせいだ」「だから自分が守らなければならない」と今もずっと自分を責め続けている。ということになります。

もちろんこれは私がそう思いたいだけで、まだどうなるかわかりませんが、それでも彼がグエルと自分を比べて卑下しているという事実がある以上、異母兄弟で彼が引き取られてから家庭が崩壊したという事実がある以上、そういう可能性はあります。

そしてこれはエアリアル(エリクト)にも当てはまります。

彼女は「生まれなければ」ではないかもしれませんが、「生きていたから」母であるエルノラはプロスペラとなり、何よりかわいい妹であるスレッタが、彼女の鍵として産み落とされ、巻き込まれてしまった。自分がいなければ、優しい母は復讐鬼にならずに済み、スレッタが傷つき利用されることもなかった。

ゆりかごの星でそういう自分を責める描写はありませんが、エアリアル(エリクト)はスレッタを必ず守ると決めていて、例えどんな選択肢を取ろうと決して見捨てないと決めています。結果として手放しますが、それもスレッタを解放するためで、彼女を裏切って機能停止する時には「ごめん」と謝罪します。本当はスレッタからミオリネを取り上げる計画をしたくはなかったけれど、母親の意思に逆らうことができない。彼女もまた、エアリアル(エリクト)が生きていたせいでおかしくなってしまったのだから、裏切ることができない。

生まれながらに罪を背負い、兄妹がどれだけ大切でも、罪のせいで親に逆らうことはできない。
ラウダとエアリアル(エリクト)は根本的に抱えている問題が似ている。

ってなると、エアリアル(エリクト)は救われるがラウダは救われないとかができそうですが、でも最終的に水星の魔女がハッピーエンドを目指しているなら、むしろ似たキャラは救われなければならない(し、現時点ではラウダはそこまで罪を犯していない)ので、信じてぇ~。まぁこれも私の憶測でしかないんですが、過去捏造ですしね。元気にミオリネに突貫してたら笑ってください…。

赦しあう兄弟


それでまぁ、これらの妄想が当たっていたら、という話になってしまうし、もはやこういう風なエンドを迎えて欲しいという祈りの方向性が強いんですが。

エアリアル(エリクト)とスレッタ、グエルとラウダ、二組の兄弟はどちらも「お互いの罪を赦しあう」関係に落着してほしいな~と。

存在自体が赦されないもので大切な兄弟を傷つけてきたという罪を抱えるエアリアル(エリクト)とラウダ。
スレッタとグエルの罪は重なる部分はまだ出ていませんが、今出ている情報だけ、エアリアル(エリクト)とラウダが対になるように二人がこと姉弟に対しては対になるとして、姉弟が苦しんでいて守ってきてくれたことに気づかず、自分のやりたいこと(リスト/エースパイロット)を優先して生きていたことが現段階では罪になるでしょうか。スレッタは何も知らなかったので。グエルの悔恨はラウダと同じとして出される気がしますが。

私はグエルとラウダが大好き人間なのでグエルに注目すると、やはりグエルの父殺しに対してラウダもまた罪がないとすると、不均衡なんですよね。殺人はどう言い訳をしようと、たとえ正当防衛でもグエルが罪であると思っている限りそれは罪であり、それに対するリアクションは裁くか赦すかです。そしてラウダが赦すことを選択すると、罪のないラウダが一方的に受容するということで、ラウダに負担の天秤が傾いている。

もちろん、ラウダは裏工作に加担して、それのせいでグエルはラウダとわだかまりができましたが、殺人と罪の重さは釣り合いませんし、今のグエルは恐らくそれを罪として感じていません。なぜなら主犯である父親が、それでもずっと自分を変わらず愛してくれていたことを知っているので、同じように父親の目を盗んで退学届けを隠したラウダはもう、グエルに愛の証明をしているので、グエルの中ではラウダは父親と同じく自分を愛してくれていた存在です。実際グエルは自分の今までの所業を謝罪していて、むしろ自分の方が罪人であると深く悔やんでいます。

だから、そんな彼に釣り合う罪を、ラウダは持っている。これがラウダが母親を殺してしまったんじゃないかと言っている理由でもありますが(もちろんラウダは直接手を下すどころか関係ないはずですが、ライバルの頭をぶっ叩いてきたヴィムの妻や愛人である彼女たちが、本当に何の後ろ盾もない状態でいたら危ない。そしてそうなった遠因はラウダに行きつくのでラウダが原因として受け取ったとすると)、ただそうでなくとも、家族がバラバラになり父親がどんどん強権的になったのがラウダが引き取られた後だとしたら、家族を壊したという意味でグエルとラウダは同じ罪を背負っています。

互いに罪があることを認め、受け入れ、赦し合う。

主にアルコール依存症だったり、犯罪被害者だったり、それこそ何らかのトラウマを抱えている人には、受け入れてくれる人も必要ですが、自助会などの辛い思いを抱えた人との繋がりや対話も重要な要素になります。

グエルはもちろんラウダも、自分の罪を自分だけで抱え込んでしまっていて、誰も助けてくれない状態です。
でもお互いがそうであるならば、受け入れてくれる家族であり、辛い経験を共有できる仲間という、かけがえのない二つの繋がりを互いに持てる。しかも彼らは元々が仲のいい兄弟なので、相手の癖や思考を最初から理解し、本音をさらけ出すハードルも低いので、最高のパートナー関係を築ける。

…ようになってくれんかな~!私の予想はことごとく外れているんで何とも言えないんですが!

でも「誰からもいらない」という自意識がラウダにはあるから、シュバルゼッテのパイロットになるのかな~という気はします。シュバルゼッテも、製造者であるヴィムからも後を継いだグエルからも厄介者として扱われ、ラウダに至っては存在すら知らずバレたらまた嫌われて。プロスペラもシュバルゼッテを何で作ったのかわからないほど(多分技術盗むため)思い入れがないので、シュバルゼッテは偽物の子供にすらなれない、誰からも誕生を祝福されない赤ん坊。それを初めて祝福してくれたのがラウダで、だからパーメットの色が変わっている、パーフェクトマッチをしてくれた。かつてのエリクトとルブリスのように。

カルド博士がガンダムルブリスを希望と言い、パイロットを改造して無理やり適合させるベルメリアの理論を反対しているので、データストームはともかくガンダムに適応するのは人間ではなくガンダムからの信頼が必要なんじゃないか、そして他者を自分の意思で信頼するってそれはもう一つの生命体のような思考力を持っているので、かなり高度なAIが必要で、他のルブリスではなくルブリス試作型が特別なのはAIという内部。そしてAIについてはジェターク社の意思拡張AIがまさに高度な知能を持つAIならば、シュバルゼッテがカルド博士が開発したガンダム以外で初めて人間を選び、自分に乗るパイロットを決めたガンダムになる。ガンダムの呪いを解くのは対話と理解で、技術だけでは足りない領域なんだ、という。これも妄想だし何回言うんだよですが、それでも苦しむ子供たちはもう見飽きたので、これからはせめて自機が原因でのデータストームが起きる展開は来てほしくないなぁ、と。

まとめ


ラウダがとにかく大好きだから、彼も愛される展開きてくれ!!いい子なんです!本当は!

という祈りと、ラウダ、お前、そんな子じゃないよね?だって、こんなに描写が…。という妄言集でした。いや、本当にこのままだとラウダが誤解されたまま終わってしまうし、底が浅い、深掘りなしの便利屋で終わったら本当に私は寝込みますよ…。

オマケとして、上では本編描写からお祈りしていましたが、メタ視点から見てもラウダを雑に切ってくることはないだろうと、そこら辺を書いております。いや、アニメがそれを凌駕するはずなので、私は座して死を待つのみなんですが、はい…。





メタ視点


メタ視点でラウダがミオリネに直接報復しないんじゃないかというお話。メタなので身もふたもないです。

・グエルの人気が上がり過ぎているからラウダも上げる必要があるはず
ジェターク寮ラジオのMCとして、グエルだけでなくラウダ役の声優さんを据えていて、初回放送はYoutubeでの特設スタジオ顔出し生放送という破格の待遇で、その後のジェターク寮ラジオでも香水の第二弾決定発表と同時に、初めて持ってきたグエルの香水と合わせて発表されたばかりのラウダの香水を持ってきているので、公式は二人をセットで売り出しています。アニメの一期でも、ラウダはもちろんグエルもラウダを気にしている描写が挟まれているので、公式スタッフの中では二人はセットであり切り離せない関係で、視聴者にもセットとしてグエルとラウダ両方を好きになってもらう必要があるはず。
けれども現状グエル単体が大人気キャラとなっているので、彼のセットとなるには同じとは言わないまでもラウダがグエルのパートナーとしてふさわしいと視聴者が納得できるぐらいには、ラウダが視聴者に好かれる必要がある。そして現状、恋愛対象としてグエルからも接触が多くて視聴者からも応援されていたスレッタ、恋愛対象ではないけれど良き相棒として現在コンビを組んでいるミオリネが、ラウダのライバルで、これまでの描写ですら彼女たちに勝てるか怪しいのに、明確にグエルの足を引っ張ったら、仮にラウダに正当性があったとしても視聴者からの好感度はだだ下がりで、最終的にパートナーとしてグエルが納得したとしても、どうしてスレッタやミオリネじゃないんだ、と反発がくる可能性が高い。特に21話のミオリネへの怒りは、ラウダのファンから見ても好感度が下がる行為なので、一般の視聴者からは挽回できないぐらい好感度が下がってしまっている。これを挽回するのは後述の理由もあってかなり難しいので、いっそ動機は間違っていたのに答えはクリティカルに正解をたたき出すということで、視聴者からも明確な敵であるクワイエット・ゼロに突貫すれば、敵の敵は味方論で受け入れられる下地はできます。面白いし。

・ライバルとしてはシャディクに勝てない、味方としてはミオリネに勝てない
グエルの敵として出るには、すでに父親の仇でジェタークの真の敵だったシャディクがいて、彼の方がグエル個人のライバルとしての要素は上で、グエルも彼相手にすでに死闘を繰り広げているので、あのバトルに勝てるぐらいの熱量と理由を作らなければならない。深層ではグエルの味方でグエルにとっても大切な弟であるラウダでは、かなりグエルに動機があってラウダも兄からの怒りに凹んだり変な方向に舵を切って闇堕ちしてしまうとしても、シャディクの方が間違いなくベストバウトになって、グエルのライバルとはなれない。
かと言ってグエルの味方として出るには、ミオリネに怒りの矛先を向けてしまっている以上、もしミオリネに直接刃を向けるとしたらもうその時点で味方としては間違いなので、ラウダの本質は味方なのに味方としても出ることができない。だからミオリネに矛を向けたままではどっちも中途半端で好感度の回復ができない。

・スレッタのメインテーマから外れる
スレッタは母親を武力鎮圧するのでもなく、不毛な対話をするのでもなく、エアリアル(エリクト)とただ話をしたい、という理由で危険なガンダムに乗ってクワイエット・ゼロに行くわけですが、スレッタの抱えているテーマは「家族との対話」もしくは「対話」で暴力ではないんですよね。だからラウダをぼこぼこにするのは、スレッタとしても間違いになる。

・シュバルゼッテに見せ場が絶対にある
シュバルゼッテはガンボルヴァと同時に出てきたお披露目自体は早かったのに今の今まで活躍がなく、ずっとあっためられていた秘蔵のガンダムです。ガンボルヴァと一緒に出たので、まだ無人機の可能性が捨てきれませんが、いずれにせよ購買意欲を刺激し、買い求めた人をがっかりさせないだけの戦いをする必要性があります。それじゃあ大暴れする相手というと、なにも人間相手ではなく、ド派手に壊しても全く問題のない無人機が大量にいるんですよね。実力も連合の艦隊を圧倒し、同じ無人機であるガンボルヴァの暴れっぷり、エアリアルのガンビット捌きから、たとえ無人機であろうとそれらをバッタバッタとなぎ倒したら十分インパクトがあります。
それにスレッタは対話をするために来るだろうから、彼女の代わりに戦い、道を切り開く役割を担う人間が必要で、これ以上隠れガンダムがいなければ、シュバルゼッテがその役目を負うはずです。ガンダムでない機械はオーバーライドが避けられず、ファラクトはすでにオーバーライドで負けているし、エランが「行きたいところができた」と言っているので、多分彼が行きたいところはクワイエット・ゼロじゃない。

・ラウダがクワイエット・ゼロに行くと、グエルが直接行く理由ができる
グエルはラジャンと同じかラジャン以上の立場になっていて、いつの間にか一兵士ではなく司令官になってしまっているんですよね。実際彼はダリルバルデを失っているので、乗れるモビルスーツがないし、クワイエット・ゼロはエースパイロット一人でどうこうできる次元をとうに超えているので、このままだとグエルが無理に動く理由ができない。
けれどラウダが一人でクワイエット・ゼロに突撃すると、弟を守るという理由ができる。乗るモビルスーツどうすんねんという問題は、現在対ガンダムに心血を注いだグラスレーのパイロットが全員ムショにぶち込まれているので、代わりにグエルが乗るっていうのも、ロマンがある展開かな~と。これは完全にメタと妄想が混ざっていますが、シャディク最終的には逃走する可能性があるなと。グエルの動向を知っていたので、フォルドの夜明けとつい最近までコンタクトを取っていたので、この混乱に乗じてナジたちが助けに来る。その置き土産とグエルが自分を追跡しないように、さらに強力なアンチドートを搭載した試験機とかを渡してラウダの方に行かせるとか。
そうすると、グエルがラウダを仇敵であるシャディクを見逃してでも助けたい大切な存在であるというのを一瞬で説明できるし、アーシアンを助けたかったのは本当だけれどやり方を間違えたシャディクが、それでもアーシアンを助けたいという志を捨てない仲間が見捨てず助けに来てくれて、今回の失敗を踏まえて成長した状態でまた戻っていく。グエルは引き続きシャディクを許さないでまた追い続けて今度こそ捕まえて罪を償わせてみせると、水星の魔女がここで終わるにしろ続くにしろ、この二人の因縁はまだ終わらないんだという引きを作り出すことができる。
そしてグエルはミオリネと繋がっているので、ラウダを助けるのがスレッタなら、そのスレッタを助けに行かないのかとミオリネに一緒に行こうと誘うだろうということで、ミオリネがクワイエット・ゼロに乗り込む理由と足が生えてくる。

・ベルメリアの贖罪とエリクトのリベンジ
ラウダがガンダムと適合した、エリクト以来の人間になるという前提ですが、もしそうであればラウダはプロスペラにとって「自分の娘は失われたのに自分たちを苦しめた御三家の息子はのうのうと生きることを許されている」状態になるので、ラウダを苦しめて殺したいと願うんじゃないかと思います。どう苦しめるかって、やっぱりデータストームを発生させるのが一番苦しい。完全適合している人間にどうやってデータストームを発生させるかっていうのはまた別として(可能性としてはパーメットを無理やり注入するとか)、データストームの過負荷や戦闘での疲弊などが積み重なって、ラウダが死にかける展開をすると、これは助けられなかったエリクトのリベンジにもなります。そして、データストームやパーメットによって苦しむ子供を助けるのは、ベルメリアの贖罪にもなります。
ベルメリアは強化人士を生み出し、それはカルド博士に止められていた彼女自身の理論が正しいと証明するためであり、強化人士たちがデータストームに苦しむのは彼女にとって予定調和で、想定内で、負担を軽減することはしても死へ向かうデスマーチを止めることは最初から諦めていた。まだできないから。そんな彼女が、死に向かうデスマーチを止めるために、自分の責任で命を助けることを選ぶのは、彼女にとっての贖罪になるんじゃないかなと思います。またエラン5号も「行きたい場所」はペイルのAIをぶっ壊すことなんじゃないか?と思っているので、あの装置でラウダを治療するのを助けるとすると、データストームで死んでいったこれまでの「エランたち」の弔いにもなる。
んでまぁこの役割は、データストームで苦しんで本音を吐露してその後も戦い続けて、最後には瀕死になるというものすごいハードな役回りなので、最終的にクワイエット・ゼロを脱出してミオリネと何かエモい感じのことを言うだろうスレッタは、最後まで意識を失うわけにはいかないとなると、ラウダが非常にちょうどいいんですよね。もちろん他のキャラでもいいんですが。

・いろいろな問題を短縮できる
ラウダがクワイエット・ゼロに突撃する、ラウダは自分が生まれたことでグエルの家族や母親の人生をめちゃくちゃにしてしまったことを後悔している、データストームで苦しんでその本音を吐露する。
ということにすると、ミオリネにヘイトを向けるラウダの好感度を上げる、グエルが苦しんでいることを最も理解できる人間がラウダとなってパートナーとしてふさわしい立ち位置になる、それらを死にかけながら吐露することで二人の間に横たわっていた問題が一気にひとつに収束して、物語を進める推進剤になる。と、グエルとラウダで起きていた問題のスピード解決と、これまでのラウダの描写不足、ラウダが突然メインストーリーに絡んでくる違和感を全部まるっと納得できる形で収めることができるんですよね。
特にグエルとラウダの問題は、未だに全然解決してないどころか解決する糸口すら見えていないので、残り3話でまとめてやるとなると、このぐらい根本的ででっかい問題をぶつけて他の解決できていない問題を吹き飛ばして、それどころじゃない状態にする、と素人考えだとすっごい便利だよな…と思う、っていうそういう感じですが。

・他こもごも
ラウダに関しては以上なんですが、他にもメタ的な視点でこうなんじゃない?という思いつきを…

・エアリアルはエリクトではなくあくまでエアリアル
これはいろいろ言われていますが、一人称がわたしからぼくになっていたり、ママがお母さんになっていたり、あとエアリアルはゆりかごの星を見ると自認が人間と言うよりモビルスーツという感じがするので、エリクトをコピーして演じているルブリスなんじゃないかな~と。そうなるとラウダが「生まれてこなければよかった」と考えているとしたらですが、エアリアルも「僕が生まれなければエリクトも失われず、お母さんも狂わず、スレッタもこんなことにならなかったのに」というところで、さらなるシンパシーが生まれる。ラウダの性格が本当は幼少期の設定画通りすこしぼーっとしたところがある抜けた子だったのに、グエルを支えないと家族を守らないとと、今のキツイ性格に無理してなったんだとしたら、エリクトを演じるエアリアルとそこも被るし。
あと物語の落としどころとして、元人間だったとしたら、機械生命体として生きる末路を辿るのは不幸だ、とか、もし死ぬ展開がきたとしたら反発がそれなりに起きそうだけれど、元がAIで機械の身体こそが彼女の本当の姿だったら、そういう意見が軽減されるかな~なんて下種な勘繰りを…。あとエアリアルは最終的にキャリバーンのAIになるのかなと。母親の作った身体=支配を脱ぎ捨て、スレッタと一緒にいる未来を選ぶ的な。キャリバーンもAI非搭載の完全マニュアルガンダムなんじゃないかな~。だからAIが調整するんだろうスコア調整ができない、パイロットが高めようとするといつの間にかどんどん高まって限界を超えてしまうんじゃないかなと。それでAI非搭載だからこそ、エアリアルがノーリスクで乗り込むことができる。クワイエット・ゼロがデータストームの拡張機能でエアリアルがそこを自由に動けるんなら、逆に抜け出して新しい体に入り込むこともできるんじゃないかな~と。
んで最終的に、ホルダーをかけてスレッタがパイロットのキャリバーン(エアリアル)と、ラウダがパイロットのシュバルゼッテのガンダム同士で決闘して、グエルが立会人をするとか、そんなのになったらいいな~。最後に命の憂いも、賭けるものもない、純粋にお互いの譲れないもの(スレッタはホルダーの称号とミオリネへのプロポーズ?ラウダは兄の名誉)を守るために戦うって、学園ものとしても最後の爽快さとしても最高だし、スレッタとラウダも決着が先延ばしにされているので、そこも回収されるとすんごいスカッとする。

・ペイルのAIはエラン5号が破壊する?
エランたちの悲劇が始まったのは、ペイルにあるAIのせいで、最終的に破壊されて、それをするのはエラン5号なんじゃないか?と思うんですが。
その前にAIにデータストームの肩代わりをさせることができるなら、遠隔でそのAIと繋がって本物のエランがファラクトに乗るのかな、と。それでペイルのAIがクワイエット・ゼロ、いいじゃん。と考えて、本物のエランがプロスペラに協力してクワイエット・ゼロのガンドノードを動かすとか。スレッタとの話し合いをしている間、ビットを動かす精神的な余裕が果たしてエアリアル(エリクト)にあるのか未知数なので、その穴埋めをするとなると、本物エランが今フリーで存在感がないからちょうどいいとか?ファラクト個人で戦うなら戦闘技量がないけれど、ガンドノードは集団戦なのでそれこそ本物のエランが一番得意としそうですし。
そもそもこのAI、明らかにAIとして優秀すぎるしペイルがガンダムにこだわりすぎなので、GUNDを使った疑似的な脳を使っている倫理観ぶっちAIの可能性もあって、そうなるとファラクトの中ではなく本社でエラン4号が死んだとしたらこのAIの方に吸われていて、AIを破壊しに来た5号を助ける、みたいな展開になったりするのもまた面白いなと。