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免疫関連有害事象irAEマネジメント mini、これはirAEを診ない先生も楽しめる名著

峯村信嘉先生の、「免疫関連有害事象irAEマネジメント 膠原病科医の視点から」のアップデートmin版

とっても良かった。楽しかった。激アツだった。irAEを見ない先生にもぜひ読んでもらいたい。俺なら副題としてこう付け加える。

「自己免疫疾患との最強の戦い方がここにはある」


現地点で自己免疫疾患の治療を学ぶ本としてこれを超えるマニュアル本はないと思う。膠原病という垣根を超えた、皮膚、関節、肺、腎臓、内分泌、心臓、腸管、さまざまな自己免疫疾患との戦い方がここに凝縮されている。

考えてみると、エビデンスのなかったirAEの戦い方は、もともとその臓器の自己免疫疾患との戦い方で通常は行くわけです。だいたいステロイドはこんな感じで入れて引いていく、MMFなどの免疫抑制剤はこんな感じ、生物学的製剤は、血漿交換は、IVIGはこんな感じ、という専門家の感覚を臨床に落とし込んでいったストーリーの集合体だといっていい。

つまり帰納的ではなく演繹的な論理で治療戦略が組まれているので、それを学べるし盗める。しかもこのirAEという敵がモンスター級に凄い。それこそEPGAの心筋炎や成人スティル病のhyperinflammation、MDA5+DMみたいなことがどんどん起きている。これとどう戦う?、という専門家の問いの答え、それこそステロイドいれる、いやこのときはデカドロン、MMFいれるけどこのときはタクロリムス、これはアクテムラ効きそう、でもこのときは注意、TNF阻害は?などなど、限界の戦いから多くを学び感じることができる。

膠原病内科の若手がこれを読んだら一皮むけると思う。もちろんirAEとの戦い方のマニュアルとして秀逸なのだけど、そこを超えた、自己免疫疾患を診ているすべての専門家がいま読んで学ぶべき本が本書だと言える。いやー、しびれた。

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