ドラマシリーズ「チェルノブイリ」観賞レビュー


今まで海外ドラマシリーズとよばれるものを最後まで見たためしがない自分ですが、この「チェルノブイリ」だけは2日で見終わった。

圧倒的リアリティーと脚本、演出のクオリティーの高さ。ミニシリーズなので五話完結というのもあるが、あっという間の約五時間だった。

終始絶望感を漂わせながら爆発事故、検証、隠蔽しようとする政府との対立、裁判と、緊張感が途切れる間もなく予想通りの救いのないラストへ突入する。

事故を究明する研究者サイドの視点と平行し、被害者となった市井の人々の凄惨極まりない破滅の過程も描かれる。

避難命令で誰もいない住宅地にとり残されたペットを次々と駆除していく元兵士エピソードが印象的だった。

作品内で何度も出てくる、「爆発など論理的にあり得ない」という言葉が突き刺さってくる。福島の原発事故も原因は「想定外」と東電は逃げ切った。残されたのは被害者となった人々である。

そして事故後すぐさま「アンダーコントロール」と言って事実を隠蔽しようとする政府とのありようが、まんま日本と同じだったことは笑うに笑えない哀しい滑稽さを感じた。

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