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QBハウスのシステムに感銘を受けた話

  
床屋に行くタイミングは人によって様々だが私の場合は、大体寝るときに決心する場合が多い。
枕に頭をあずけたときに首に髪先がちくちくと刺さって煩わしさを感じるのを合図にして、「よし。髪を切ろう。」と思い立つのだ。

しかし、「髪を切る」それだけのことで私は憂鬱になる。

床屋の店員との間に発生する全く無益な会話が原因だ。
「なんで知らん人間と一対一でさして盛り上がりもしない会話をせねばならんのか、髪を切るという行為に付随して発生する面倒な作業が多すぎないか?」と、私はいつも床屋に行くたびに思っていた。

ところが、なんとなく入ってみた「QBハウス」でその杞憂は全く無駄になったのである。

【 QBハウスのシステム 】

QBハウス店内に入るとまず、券売機でチケットを購入する必要がある。
選べるメニューは「カット」だけ。実にシンプルだ。

チケット購入後は店内の待機用の椅子に座るのだが、座席には番号が振ってあり1番の人が呼ばれたらそれ以降の席の人がだんだんと前に詰めていくという非常にわかりやすいシステムになっているのだ。

自分の番になったら荷物を鏡の裏にある棚におさめて、カットの注文をしてスタート。
ここまでで重要なのが店員との会話が最小限に抑えられているということである。順番に座席に待機させることで台帳に名前を書く必要もないし、会計もすでに済んでいる状態だ。

カットが終われば、もちろんすでに会計は済んでいるので荷物を回収したらそのまま退店できる。清々しいまでにシンプルだ。

そしてカット後には、よくドライヤーで余分な髪の毛を吹き飛ばす作業があるものだが、QBハウスでは吹き飛ばすのではなく吸うのである。
掃除機のようなもので頭を思い切り吸われる。そしてこれがドライヤーとは比較にならないほどに髪の毛がよく取れるのだ。頭をワシャワシャと触ってみたがほとんど手に髪の毛がつかない。正直こんなことは今までなかったので私はかなり驚いた。
あの掃除機はぜひ体感してもらいたい。

店を出てから気づいたのだが、入り口のところに信号機のような妙なランプがついていた。実はこれは店内の混み具合を可視化したもので、店の外からでも待ち時間を把握できるように設置してあるのだと言う。
どこまでシステマチックなんだ。

【 企業としての強さ 】

QBハウスはグローバル展開しているチェーンの床屋である。東京などでは、狭いスペースにコンパクトに収められたQBハウスの店舗をよく見かけるが、これはQBハウスの客の回転率の高さから、店舗に広さが必要ないのだろう。
このあたり牛丼チェーンなどと似ていると思う。

調べれば調べるほどQBハウスの思想に共感してしまう。

カット以外の作業を極力省略することで店員の負担も軽減できているし、なにより無駄なコミュニケーションをしたくないという私の願望が完全に叶ってしまった。

全く、今までQBハウスを使わなかったのが悔やまれる。

ステマじゃないよ。


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