20代後半からのトランスの私なりの心構え

私が性別移行を始めようと決断に至ったのは27歳の12月、
そして実行に移したのは翌年2月からでした。

性別移行を始めるにあたっての決意や心構えを
今回は3つほどここに記しておこうと思います。

1.性自認の再確認

トランスを始めるにあたって、一番大事なのは性自認を明確にすることだと思います。
「男性ではなく女性として生きたい」「女性ではなく男性として生きたい」
……などといった明確な意識のもと、迷わずに進む意志が必要です。

というのも私の場合はホルモン療法を始めるわけでして、そうすると次第に
男性機能が徐々に衰えていき、いずれは永久に喪失していくこととなります。

これを性自認があやふやなままに開始してしまうと、
いずれ不可逆的な要素に対する深い後悔の念に苛まれる事となるでしょう。

自分は性別を変えたいのか?
性別に囚われない生き方をしたいのか?
中性的でありたいのか?
異性装を楽しみたいだけなのか?     ……等々。

性自認の形は多様性に富んでいます。
だからこそ、後に後悔しないよう自身の認識を固めることが大事だと思います。

2.薬の効果を調べておく

ホルモン剤とひと口に言っても種類は様々です。
似たような効果はあっても成分が違ったり、
主作用ではなく副作用としての女性化作用があるもの、
また効果の大小や組み合わせる種類、
錠剤か注射か、または外用薬か、
どのような副作用がありどの程度生活においてのリスクがあるか
……などを事前に調べておく必要があります。

特に副作用に関しては、ホルモン剤という血液に作用する薬であるため
血栓症のリスクに対する認識は把握しておいたほうがいいです。

また、人体は絶妙なホルモンバランスによって保たれています。
これを薬で弄るわけですから、バランスが崩れることで精神や肉体に
大なり小なり影響は出てきます。

また、すでにトランスを始めている方々の経験談や、
薬のレビュー、口コミなどを読むのも参考になります。
勿論全てが真実だと鵜呑みにするのではなく、
またあくまで個人差がある事を理解したうえで、
「一般的には」こういう効果があってこういうリスクがある…と
自身で薬の評価を纏めていくことが大切です。

3.過度な期待はしないこと

20代も後半となると、骨格は男性として成長し完成しきっています。
10代や20代前半の成長途中でホルモン療法を始めるのとは違うため、
どうしても理想とする女性らしさには限界があります。
この理想を高く持ち過ぎると、非常に精神が不安定な状態に陥りやすいです。

また、ネット上では……特にTwitterなどでは、
純粋な男性であり女性ホルモンを摂取していない方でも、
非常に綺麗な顔立ちで女性と見紛うような美しい方々もたくさん活動しています。
そういった方々と自身を比較した際、
「なぜ私はこのような綺麗な容姿になれなかったのか……」と
非常に暗く辛い気持ちになります。

しかしあくまで他人は他人であり、自分は自分でしかないのです。
ないものねだりはせず、自分ができる範囲での最大限の努力を目指すことが、
この歳からトランスを始めるにあたっての大切な心構えだと私は考えます。

長文を書くのはなかなか大変ですね……。
今回はこの辺りで切り上げます。
読んで頂きありがとうございました。

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