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お土産らぁ麺 応用レシピ vol.2~ワンランク上の牛丼~

料理の難易度:★★☆☆☆ or ★★★☆☆

どうも、にだいめです。本日は応用レシピです。今回は牛丼です。ちょっと変わっています。と言いましても、味自体が劇的に変わるわけではなく、工夫で美味しさを更に増させるという考え方が正しいのですが、それは食べてみてからのお楽しみということで早速、レシピ内容を書いていこうと思います。

・用意するもの(一人前の量)

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醤油らぁ麺 スープ 200g

薄切り牛バラ肉 100g

塩(塩分濃度を気にする場合は投入する必要なし) 5g

しょうゆ(薄さを感じない場合は入れる必要なし) 10~20g

みりん 50g

酢 6.7~8g

料理酒(もしくは白ワイン) 15g

ガーリックパウダー 2g

少し不思議に思われた方も多くいらっしゃると思いますので、まずそれをここで解決していこうと思います。

・何故、ℓではなくgなのか

これは以前、私が影響を受けた「杉野英実」先生に則っているのですが、このお方のレシピは全てグラムで表記されております。リットルは実は不都合な考え方が多く、且つ、細かい計算を用いる必要があります。それは何故か。理由は至って単純なのですが「水以外の液状化されたものには他の成分が重さに関わってくる」のが理由です。例えば「みりん」には40%から50%ほどの糖分。そして14%ほどのアルコール分が含有されております。これらの成分はその液体に対し重さを与えます。要は「水は大体1gなのは間違いないが、他の液体は疑ってかかるべき」というのが私の持論なのです。更には固形物はリットル的な考え方ができません。それらを踏まえ、私は全ての材料を一定値で考える為に、リットルやccという考え方を撤廃しました。この考え方は貴方の料理の腕を更に飛躍させるコツでもありますので、覚えといて損はありません。

因みにこちらが水と調味料のℓとgの比較表です。実はこんなにも違うのです。だからこそ、液体はリットルで考えるべきではないというのが私の持論です。

・お酢? ガーリックパウダー? 醤油?

気になった方が多いと思います。お酢なんて入れるの? と。私はお酢を推奨します。というのも、お酢は実は縁の下の力持ちとして和食にはよく隠し味として入っております。私自身、酸味が強いものをあまり好まないので、初めてそれを知った時は気持ち悪さすら抱きました(笑)

ですが、物は試しです。一回、騙されたつもりで入れてみてください。ただ、お酢は劇薬に近い調味料でもあります。少しでも入れすぎてしまうとこの牛丼は美味しさを凄まじく失います。それ程、シビアな調味料なのです。即ち、私が言いたいことは「失敗を恐れるのならばお酢は使用しない事を推奨」します。

次にガーリックパウダーです。これは牛肉の質に左右されると書いておきます。例えば貴方がこれから使用する牛肉が非常に高級なものであれば、ガーリックパウダーを入れる行為はほぼ自殺行為です。まぁ、高級な食材を扱えるということは即ち、料理に慣れた方でもありますので、ここでこんな警告を促す必要もないのではないかと思う部分はありますが、それはそれとして、その理由は一体、何故でしょうか。これもよくよく考えれば単純な話なのですがガーリックは基本「食材の臭み消し」として考えられています。昨今ではそれが過激さを増して「にんにくの良い香り」なんて表現をされる方もいらっしゃいますが、大切なのは主役を囃し立てる為の食材であるという考え方です(=囃し立てるという言葉の意味にはマイナスのイメージがつきものですが、実は囃し立てるというのは皆が何かに対し盛り上がっている様子を表現しているのです。この言葉の語源として「お囃子」がよく挙げられますが、お囃子は賑やかに楽器を演奏されています。その言葉が現象を表現するようになっただけの話です)本来ならばしっかりと主役(=牛)の味が伝えられていない料理はあまり褒められたものではありません。ですが、自身の経済状況を考えた上で、その主役の能力(=値段や生産地から予測できる臭みや脂の質)選ぶ必要があります。私は庶民でありますので、高級ブランド牛なんて使うことが出来ません。だからこそ、その主役を少しでも囃し立てる為に使用するのが今回のガーリックパウダーなのです。この知識は実は昔からこっそりと牛丼を作られる際に使用されております。そして「今もどうかは不明なのですが」大手牛丼チェーン店を再現する際にこの調味料が使用されております。要は賢い監督が主役の駄目なところを補う為に投入された名脇役であるという考え方をすべきなのです。この考え方は料理を組み立てる時に便利です。是非とも覚えてみてください。

最後に醤油ですが、醤油は「当店のスープに入っている醤油の量だと少し薄めに感じられる可能性が高い」為に、補いの意味で入れております。薄さを感じなければ塩分濃度を上げる必要もないので、入れる必要はありません。

……こんなに文章量が多いレシピ、誰が参考にするんだと思いつつも、自分が苦しんできた過去もあるからこそ、細かい部分を敢えて補足してみました。さて、次にようやく作業工程についての説明です。

・料理の工程の解説

1:食材カット

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玉ねぎを千切りにしましょう。私は実は玉ねぎはあまり好きではありません。理由としては味ではなく、玉ねぎの繊維を噛む感じが好きではないのです。なので、千切りはなるべく玉ねぎの繊維そのものを切る気持ちで細めに設定します。もし、大きめの玉ねぎを使用されるのならば、更に横に包丁を入れるべきかもしれません。その方が食べやすさが増します。試してみてください。

2・みりん 料理酒 お酢 のみを鍋に入れる

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ここ大事です。今回の山場と言っても過言ではありません。何故こんな単純なことが山場なのでしょうか。それは私が冒頭で解説しました「調味料の含有」に関わってくるのです。この3つの調味料には必ずアルコール分が含有されております。このアルコール分が私にとっては「不純物」であると考えております。それを消し去るためにこの3つの調味料を煮立てる必要があります。

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この作業は必ず行ってください。目安としては強火で沸騰してから強中火程に火加減を調整し2〜3分程でいいと思います。その際に注意が必要なのはアルコールは熱で蒸発している状態です。なので近辺に火がありますと、火柱が立つ可能性があり、更にはそれが連鎖して結果、大きな火事になる可能性もありえます。単純な作業だからこそ、そういう危険も含まれているというのを改めて自覚された上で行ってください。因みに我々はアルコールの含有率を確かめる為、敢えて鍋に火を投下し、火柱を立てております。火がなくなったら即ち、アルコール分も減ったという目安になるからです。ですが、これはあくまでも経験を重ねているから出来ることなので、皆様は決して真似をされないよう、よろしくお願い申し上げます。

3・スープの投下

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沸騰を終えましたら、火は一旦切ります。そしてスープの投下です。鍋の中の温度は急激に下がると思いますが、それでもまだ火は着火してはいけません。その理由は次に解説します。

4・牛肉の投下

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牛肉はなるべく熱の入れ方をゆっくりやるべきであるというのが私の考えであります。それは例え高かろうが、安かろうが、ゆっくり愛でてやらなければ微妙な仕上がりへと変わってしまいます。且つ、牛丼に使用される肉は薄めに設定されております。即ち、薄い肉は一枚一枚を丁寧にほどくように剥がしとっていかないと、肉と肉が熱の影響を受けくっついてしまい、結果、微妙な食感になってしまいます。しかしその作業は地味に手間と時間が掛かります。その為に敢えて火を落とし、焦らず、じっくりとその作業に費やせるようにしているのです。

5・中弱火で牛肉を煮ていく(分岐点あり)

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まず分岐点について説明をします。ここは事前に食べてもらう相手に相談した上でどちらの分岐を進むべきなのか判断していただきたいのですが、その内容が「玉ねぎを先に煮るか、もしくは牛肉を先に煮るのか」ということです。

私の今回のレシピは玉ねぎを後で煮るパターンを採用しております。それは何故かと申しますと、玉ねぎのしゃきしゃき感を微妙に残したいという考えから、玉ねぎを後入れするという方針を取りました。しかし中には「あのしゃきしゃき感が駄目」って方もいらっしゃると思いますし、更には「味の染みてない玉ねぎなんて食べれるか!」って方もいらっしゃると思います。なので、ここは一度、食べていただく相手に対して相談をすべきかもしれません。細かいことかもしれませんが、料理とは細部を真剣に考える作業の連続です。どうも昨今のレシピはこういう部分の解説が不親切だと思い、私は敢えてミクロをマクロにという考えの元で文章を書いております。レシピ本にはなかなか存在しない分岐点という表記に困惑された方も多いかもしれませんが、どうか料理を考えるという観点からご納得いただけたら幸いです。

さて、私と同じ道を歩む決意をされた方は加熱作業を行います。加熱に関しましては極弱火から弱火あたりで15分から30分程と考えてください。これも理由は単純で牛肉は強火であれば強火であるほど変な硬さになってしまうからです。その際に注意としてはなるべく鍋に菜箸は極力入れないことです。言ってしまえば放置でも構いません。混ぜるな危険、です(笑)

私とは逆の道を選んだ貴方はまず出汁を沸騰させます。その後、味見をした上で、追加の醤油とガーリックパウダーを入れた後に中火に落とし、玉ねぎを投下した後10分から15分程煮込みましょう。ここも混ぜるな危険です。

※何故菜箸を入れてはいけないかはいつの日か解説しようと思います。

6・玉ねぎ(or牛肉)の投下

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玉ねぎの投下です。そして味見を行い、その上で醤油とガーリックパウダーを投下しましょう。その後、火は弱中火程に上げて30分煮込みます。

牛肉の後入れを選びました貴方はまず一旦、火を落とします。そして牛肉を入れるスペースを確保する為に、玉ねぎを端に寄せます。その後、牛肉を一枚づつ丁重に入れていき、全てを投下しましたら極弱火で加熱の再開です。その際も決して菜箸を入れる回数は極力少なくしましょう。加熱の目安は5分から10分程です。

6・完成

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おつかれさまでした。

・いかがでしたか?

自分で言うのも何ですが、牛丼というレシピにここまで書く人は早々いないと思います(笑)

ですが、私は料理レシピの背景にある淡白さが好きになれない部分があります。物事は完璧に伝えるからこそ価値があるものへと昇華するわけであり、ただの情報伝達は「切って、入れて、煮て、完成」と、正直、誰でも出来ることなのです。私自身にも完璧ではないところが沢山あるからこそ、自分が読んで「料理することに対しての意味」を見出せれるようなレシピを心がけて書き上げております。

次回もまた細かい描写が多いと思いますが、是非ともお楽しみにしていただければ幸いです。