お土産らぁ麺 応用レシピ vol.3.2 洋風濃厚魚介豚骨塩らぁ麺 本編

皆様、こんばんは。最近は夜配信のパターンのにだいめです。本日は洋風濃厚魚介豚骨塩らぁ麺のレシピの解剖へと進めていこうかと思っております。

難易度:★★☆☆☆(慣れてれば)〜★★★★★(やったことなければ)

・材料(60人前分)

お好きな煮干し(魚の種類は問いません):目分量

アルカリ水:目分量

豚骨:7kgを三日間分、用意

以上が出汁の材料。以下、これらのブロックをAと表記する。

カルピスバター:1650g

オリーブオイル:目分量

セロリ:一本

にんにく:一株

以上が香味油の材料。以下、これらのブロックをBと表記する。

・目分量表記は何故か?

一つ目は企業秘密です。私、煮干しのグラムを算出する際の独自の計算方法(本当にしっかりとした方程式です)を持っているのですが、この計算方法は世にバラしたくはないので完全に企業秘密とさせていただきます。なので、ここは大変申し訳ないのですが、ご想像にお任せします。ただ、それだけですと少しこちらも申し訳ない気持ちになりますので、敢えてヒントを申しますと、煮干しはそのまま食べてみてください。これが私から出せる唯一の情報です。

二つ目はニュアンスです。これはオリーブオイルに言えることなのですが、この部分だけは香りが頼りです。なので、明確なグラム数を表記することはできません。それが即ちニュアンス、またはエチュード(=即興)、更には男の料理とか言われていますが、私は自身のセンスを信じてニュアンスと表記します。皆様も是非ともエチュードに身を任せてみた料理を楽しんでください。スリルがありますよ!

では、作業工程の解説です。まずはAブロックからです。

血抜き作業

血抜き作業は様々な方法がありますが、大まかに分類しますとたった二つです。それは沸騰させるパターンと沸騰させないパターンです。私は大抵、沸騰させるパターンを採用させます。血抜き作業で大事なのは「如何に余分なものを取り除けれるか」ということです。この余分を排除するには血抜きは徹底して行う必要があります。では、余分なものとは一体、なんなのか。それは「雑味を与えてしまう可能性があるもの」と考えられます。即ち、内臓や血は出汁に雑味を与えてしまうと考えられているのです。これらを排除する為にはやはり煮沸することが私は一番手っ取り早く余分なものを排除できるのではないかと思っております。理由としては「タンパク質は58度程度から固まる」という化学的な考えに基づいています。豚骨を用いて出汁を引く際の最大のターゲットは髄です。この髄から如何に旨味成分を引き出せるかがポイントなのです。ということはこれを逆転した考え方をしますと「それ以外のものは余分なものでしかない」という結論に至ります。そこから更に延長した考え方をしますと「それらの物を熱によって固めて、その後、人間の手で取ってやればいい」という答えが導き出せます。そうです、余分なものを視覚的、触覚的にも分かりやすくさせる作業として煮沸した血抜きを私は推奨しています。

豚骨を煮沸してる間、灰汁(あく)は恐ろしいほど出てきます。ですが、これらをいちいち取ってあげる必要はありません。茹で汁はほぼ使い物になりませんので、こちらは勿体無いと思われるかもしれませんが、捨てます。これに関しても何度も書きますが「料理とは如何に余分を排除しきれるか」というところに尽きます。ここはもうそう割り切るしか手はありません。私も貧乏性なところがあるので、この考えは未だに飲み込めないところがありますが、職業として割り切っております。

さて、無事に豚骨の血抜きを終え、余分なものを水洗いされたと思います。その後、豚骨は必ずハンマーで叩きます。前述通り、豚骨を用いて出汁を引く際のターゲットは髄です。髄は骨の中にあります。そこから効率良く、旨味を徹底して引き出してやるには骨を真っ二つにするしか手はありません。その為のハンマーなのです。

これにて血抜き作業は完了です。

・出汁を引く

画像1

(豚骨と魚介出汁が混ざってます)

さて、出汁を引きますが、実はこの作業が一番簡単ですし、特に注意することはありません。何せ濃厚な豚骨を出すという目標であるからこそ、それをメインにする為には豚骨という食材をイジメ倒してやるしか手がありません。

1日10時間強火でずっと煮込みます。

以上です。これを2日繰り返します。

注意としては鍋底が焦げないように混ぜてあげることが一つ目です。そして次は水分の蒸発量が半端ではないので、そこに差し水(私の場合は魚介出汁を使用)をしっかりとすることです。蒸発しきってしまっては意味がありません。どこまで濃厚にするのか。それを乳化する(乳化とは本来混ざらないものがある現象によって混ざることです。ここでの場合は水と豚骨から出てくる油が長時間強火で煽ることによって乳化します。豚骨らーめんのドロドロは水と油が混ざった結果なのです)イメージを頭の中に描きながら合計20時間は頑張りましょう(笑)

画像2

(3日目は豚骨を取り除き、煮干しを投下します)

3日目は煮干しを投下します。これを少し対流が起こるくらいの中火で2時間行えば完成です。料理経験者(特に和に強い)な方がこの文章には違和感を感じると思います。それは「何故、煮干しを沸騰させ続けるのか」ということです。これは豚骨スープの旨味成分が強すぎるせいで、本来ならば「煮干しは沸騰させない(何故なら対流という現象が起こることにより煮干しが鍋の中で踊ってしまい、結果、出汁に雑味が広まるからです)」という考え方が「そこまでしてやらないと魚介の風味が豚骨スープに広がってくれない」という考え方になってしまうのです。だからこそ、敢えて「雑味を出す覚悟」でやらなければならないのです。これは様々ならぁ麺職人が考えに考え、至った結論だと私は思っております。職人の工夫がある意味、出汁を引くことに新しい革命的な方法を生み出したのです。

以上で、出汁は完成です。お疲れ様でした。

・序章:香味油の答え合わせ

さて、序章を読まれた方なら今回はどのような香味油を作るべきなのかは何となくご想像できている筈です。そう、1番目の「香味油優先型」なのです。

あら? 納得いかないですか?

実は上記の出汁の引き方は平たく言いますと「淡白」なのです。この淡白とはどういうことかと言いますと「それぞれの味の印象が強すぎるせいで、逆に平坦に感じてしまう」ということです。意外と豚骨スープって淡白なのですよ。だからこそ、香味油がリードをする必要があります。この考えは父から教わりました。そう、あの府中店でしか食べられなかった「鶏白湯らぁ麺」からです。これが僕の今回のアイデアの原点なのです。

画像3

(たけにぼ府中店限定:鶏白湯らぁ麺)

鶏白湯は平たく言いますと「鶏ガラ版豚骨らーめん」みたいなものです。本当に平たく言いましたので悪しからず(笑)

当店の鶏白湯の香味油は「バター」を使用しております。更にはトッピングに「セロリ」と身内の私でも当時は衝撃を受けました。ですが、これが非常に面白いくらい合うのです。この「セロリ」というラーメンとは縁遠かった食材を使用するという衝撃に「まさかこれが味のキーパーソンである」という衝撃は料理革命でしたね。父はこういうところがあるから凄まじいです、本当に。

今回はこの香味油でいくことは決めておりました。ですが、通販で販売するというのが私の目標だったが故「セロリ」の扱い方が難しかったのです。

そう、だったら香味油にセロリの味を移してやればいいのです。

・香味油の作り方

画像4

(セロリとカルピスバター)

まずセロリとにんにくを千切りにします。セロリは葉まで千切りにしましょう。

画像5

(オリーブオイルとカルピスバター)

次にカルピスバターを溶かします。私の方法はまずカルピスバターに熱を入れ、その合間合間にオリーブオイルを入れて、オリーブオイルの香りとバターの香りが両立するところを狙いました。なのでここは完全にエチュードです。皆様も自身に酔いしれて即興してみては如何でしょうか?(笑)

画像6

(バターが完全に溶けたらにんにくを投下しましょう)

香味油で何かを揚げる際に注意が必要なのは「揚げ物感覚でやらない」ことです。あくまでも食材の香りを油に託す作業なのです。だからこそ、温度はなるべく弱火でやってあげた方がいいのです。強火は「焦げた臭い」が油についてしまう可能性があります。優しく香りを託生するかの如く、神経質に調理してください。にんにくが少しきつね色へと変わってきたら、遂にセロリを投下です。

画像7

(セロリの香りを油に託す)

にんにくの説明とほぼ同じなので特に書くことがありません……(笑)

画像8

(セロリの香りが感じられたら火から離しましょう)

最後に盛り付けです。

画像9

(完成図)

おつかれさまでした。

・いかがでしたか?

ね! 簡単でしょう! ……ん? こんな面倒なの作りたくない?(笑)

ご安心を!! 現在なら通販にてこちらの作品が買えちゃうのです!!!!

やりましたね。まさかのプロモーションだとは。にだいめ、なんか賢くなってきましたね。これはいやらしいですぞ。

というわけで、是非とも私は作っていただきたい気持ちもありますが、手っ取り早く食べてみたい方はたけにぼ通販で買ってみてください。

よろしくお願いいたします。

それでは、お土産らぁ麺応用レシピの第三弾はこれにてお開き!

解散!