見出し画像

合気道開祖、植芝盛平に槍は当たらない!?


合気道を創った、植芝盛平には、神がかり的な力があった、とも言われ、常識ではとても信じがたい、数々の逸話があります。

またそれをお弟子さんたちが、実際に目の当たりにしているのです。


今回は、最も有名な内弟子の一人であり、達人としても有名な、塩田剛三という方の著書、「合気道人生」より、

槍を本気で突いても、全く当たらなかったというエピソードを、一つ紹介します。

これも竹田での出来事でしたが、ある検事が先生を訪問されて、四畳半の部屋で歓談されている最中に、弟子の一人に真槍で思い切り突かせました。

その時先生は羽二重の紋付を来ておりました。四畳半の狭い部屋の中で間合いも極めて小さく、それも思い切り突かせるのですから、体の開きも速やかに行わねばなりません。

突くのと開くのと同時でしたが、槍先が先生の袂に当り袂の端が切れヒラヒラと舞いました。

先生の奥様がご覧になっておられ「もう止めてください」といわれましたのでその稽古はそれで終わりましたが、先生の表情は少しも変わらず、日頃の温和なままで

「どんなに早く突いてもわしの体には当たらぬ。槍の方で避けてくれるのや」

と言われました。

凡人でない先生だからいえる言葉であり、普通の人ならば串刺しでした。このような話は枚挙にいとまがありません。

「合気道人生」塩田剛三著 竹内書店新社 78項 


通常、命がかかった真剣勝負のようなものであれば、表情が険しくなったり、真剣な表情になるものです。

しかし、表情が少しも変わらず、温和なままだった

またどんなに早く突こうとも、当たらない。槍の方から避けるとは、凄い境地ですね。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?