合気道の受け 手首の持ち方
合気道では技を行う人が「取り」、それを受ける方が「受け」と言いますが、「受け」というのは、一般に余り馴染みがありません。そのため特に初心者にとっては、よく分からないものでしょう。
これも少しずつ勉強していけばいいですが、ただ「受け」の本当の意味は、何十年やっている人でも、実の所、余りよく分かっていないものです。
そのためダンスのような合気道になったり、道場の中でしか通用せず、本当に効く技にならなかったりもします。
そうなると、折角合気道を続けているのに、勿体ないですね。そのため技ばかりに気を囚われず、受けを学ぶことは、とても大事な事です。
またそれだけ受けは奥が深く、受けが極意でもあるのですが、今回は、受けの手首の持ち方について説明します。
・手首は、ただ持てばいいものではない
これから片手取りの技をやるという時、初心者であれば、ただ手首を持ちさえすればいいと思うでしょう。
また男性であれば、そこで力を入れたりしても、これから行う技が、ちゃんと出来ているのであれば、効くものだと考えるかもしれません。
しかしそうではありません。
「どういう持ち方をするのか」というのは、とても重要な事で、それによってかける技は変わる、もしくは変えなければならないためです。
もしどんな持ち方でも、その技が通用するのであれば、片手取りの技は一つで十分なはずで、いくつもの技を稽古する意味はないでしょう。
・一つの形の技が、全てに使える訳ではない
細かいことを言えば、合気道の技は最終的に、一教、入り身投げ、四方投げの三つの技に集約されていきます。また開祖は、「四方投げ一本出来ればいいんじゃ」と言われたとも言います。
しかしそれにしても、どんな状況にも一辺倒の技ではなく、四方投げであれば、相手に合わせた四方投げの応用になるのであって、一つの形が、何が何でも通用するものではないのです。
ちなみに少し余談ですが、合気道で一般的に知られている教科書的な技は、あくまで教科書的な技であって、それを実戦で使う訳ではありません。もっと言えば、実戦技はまるで違うものです。
・その技用の手首の持ち方をする
「これからこの技を稽古する」という時には、その技用の持ち方をする必要があり、違う持ち方をしたのであれば、これから行う技と全く同じ技は、合わなくなって出来ません。
ではどういう持ち方をすればいいのかですが、それはもちろん、それぞれの技によって変わります。
ただ基本的なことを言うと、手首の持ち方には、横から持つ、上から持つ、下から持つの三種類。力の出し方にも押す、引く、静止するの三種類合があり、その組み合わせです。
正しく出来なくてもいいので、まずそうした違いがあることを、理解して下さい。
・技に合わなくなる受けの例
横から持たなければならないのに、上とか下から持つ。もしくは押してくるものに対して、引く、静止するなど、違う力の出し方をすると、技が当然合いません。
初心者では、力を入れない様にして持つといいです。それと手首を返して持たせる技の時では、わざわざ下からこねくり回して持つことがあるので、気を付けて下さい。
また時には、力を入れて耐えることもあるかもしれませんが、その場合にしても、正しい持ち方、正しい力の入れ方の延長で力を出すのであって、
ただ技をかけられないようにする、力比べのような耐え方をやっていたのでは、いつまで経っても、「理」というものが、分かるようになっていきません。
この辺は、段を取った人でも、理解していない人が多く、中々分かりにくいようです。
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