見出し画像

DIYアニメ感想

中学校入学式の日。「中学生になったんだから何でも一人でやれるようになるよ。だからもう大丈夫」。せるふがぷりんに言った何気ない一言はぷりんの胸に突き刺さり、深く傷つけた。せるふに世話を焼き、面倒を見ることこそがぷりんの生きがいだったからだ。主従関係のぷりんが主、せるふが従。(この関係性については宇宙よりも遠い場所 第5話・Dear my friendを参照)。突如として生きがいを喪失したぷりんはこじらせ、ツンデレの変異種化。せるふとの間にわだかまりが生まれる。

高校生になって、ぷりんなしでもDIY部を新たな居場所とし、仲間を見つけて人生のエンジョイ勢になったように見えるせるふをぷりんが快く思うはずがない。DIYなんてカビの生えた云々〜もDIYが嫌いなわけではなく、せるふを奪ったDIYと自分の手から離れたせるふへの当てつけ。

ただ、素敵なのはせふるがこのわだかまりを埋めるべく、昔みたいにぷりんと語らいたいからベンチを作りたいと動くところ。DIY部に入部しており、ぷりん主導だった関係性をせるふ発信で呼び戻そうとアクションを起こす。二人のみでの関係修復は難しかったと思われるが、DIY部の面々、とりわけジョブ子が仲を取り持つリンクマンとして良い仕事をしてくれた。

ぷりんがジョブ子を触媒にして「個性的なアイデアを出せるのがせるふの良いところ」と伝えたとき、せるふの表情がパッと明るくなり闇落ちからの完全回復verとなる。終盤はせるふにしてもぷりんにしても表情に心の機微がよく描かれていた。

ツリーハウス設計〜竣工で二人のわだかまりも夏に溶けてく〜。たったひとつのこと約束したんだー、これから二度と離さないとー。最終回でジョブ子と未練なく別れ、”せるぷり”に多くの時間を割いてくれたのには大きな意味があったと思う。要するにせるぷりは尊いということ。共依存なんだけど、ぷりんがせるふに強依存。ときどき狂依存。何度も反復された幼少期のぷりんがせるふにお菓子を食べさせる描写。”食べさせる系”は肉体関係のメタファーだと聞いたことがある。

ぷりんが懸念していたであろう、以前せるふにあげたウィンドチャイムの行方。せるふは「大切な宝物」として丁重に保管しておりました。これを知ったぷりんの表情たるや。ほぼイキかけてます。正統派ツンデレ、幸福の絶頂。その先でふたりは、やがて百合になるーー。

Do It Yuriself!!


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?