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ゴムの刀が『剣』になる理由 ~映画るろうに剣心の秘密~


こんにちは、竹光堂です🎋
うちには映画「るろうに剣心」が好きすぎて作品中のセリフを全て暗記した社員がいます。もう"愛"の一言ですね。

そんなアクション研究に熱心な竹光堂が今日解説するのは、映画『るろうに剣心』の刀が鉄の刀に見える理由です。あれ、実際は表面の素材がほぼゴムなんです。でも作中では硬い金属の刀に見える。そのトリックをお話していきます。



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『日本刀×アクション』
Present by 竹光堂

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■それ、ゴムっす。


衝撃の事実です。るろ剣で使っているあの刀、実はゴムでした。
なぜそんな事が言いきれるのか?ではこちらの10~14秒辺りをご覧ください。

こちらの動画はアーティストのオフィシャルグッズなどを販売するオンラインショップ、アスマートさんの購入特典映像。いわゆるメイキングですね。

さて10~14秒あたりで聞こえませんか?剣心が振った刀が敵に当たりパンッパンッっと音を立てています。そうなんです。実はこの刀の表面はゴムに近い素材で、ラバー刀と呼ばれているんです。以下の記事で詳しく解説しています。

ちなみに表面はゴムですがそれだけでは硬さが足りずフニャフニャしてしまいます。そこで芯は「グラスファイバー」と呼ばれる硬い素材になっています。
こちらはるろうに剣心シリーズのアクション監督である谷垣健治さんが、2021年4月24日放送の日本テレビ系「世界一受けたい授業」の中で語っていました。他のメイキング映像を見るとポキっと折れる刀(5:10~5:15)も写っています。中身は硬い素材なので折れはするんですね。



■『SE(エスイー)』が大切!!


じゃあなぜゴムの刀が鉄のように見えるか?なぜかっこ良い映像となって映るのか?そこには巧妙に仕組まれた2つのポイントがあるんです。それが、

①効果音(SE)を厳選すること
②手元の撮影(アップ)時には金属の刀を使うこと

です。


①効果音(SE)を厳選すること

作中に流れるBGMとは違い、鳥のさえずりや刀がぶつかり合う音は効果音、特に業界ではSE(エスイー、Sound Effectの略)と呼ばれています。
映画るろうに剣心の切り合いが本物のように聞こえるのはまさにこのSEのおかげ。何も編集していない状態ではパンッパンッっと軽い音でも、編集でキンキンッと音をつければあたかも金属のぶつかり合いのように聞こえるんです。

ちなみに同じ金属音でも、作品によってSEはぜんぜん違うんです。例えば大野智さん主演の『忍びの国』。忍者が縦横無尽に闘うこの映画では金属がぶつかり合う音が重く響いています。

またこだわりがあるのが現在公開中のるろうに剣心最終章The Final。同じシリーズの作品でも戦う相手の武器により音が変わり、最終決戦の剣心vs縁では日本刀vs倭刀のため空気を伝い響く音の反響が大きく編集されています。こだわりますね...!

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(公式ホームページより)



②手元の撮影(アップ)時には金属の刀を使うこと

もう一つ重要なのは「ここぞ!」という場所で金属の刀を見せること。例えば作品のはじめに金属の刀を見せると、観客としては「あ、この刀金属なんだ」と脳が記憶します。人間の脳は一度思い込むとなかなか抜け出せないもので、金属と思い込んだ刀は金属になるんです。その刀はゴムや竹かもしれないのに..。

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ちなみにこの刀、素材は何に見えますか?金属っぽいですよね。でもこの刀、実は竹です。竹光堂で扱っている商品の1つで、舞台やドラマで使われています。もう本物に見えますね。笑



いかがだったでしょうか?
アクション映画はあの手この手で本物に見えるよう五感を操っているんですね。見た目にも金属、音も硬そうとなれば日本刀は本物にしか見えません。
皆さんもよーく目を凝らして見てみてください!「あ、ちょっと違うかも」と気づくはずです。

そしてさらに興味が湧いたら竹光堂で刀を借りたり、アクション撮影に参加してみましょう!きっと楽しいです。

ではまた次回お会いしましょう。

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