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【コメント】岩瀬浩介社長、山田尚幸キャプテン(2019/12/19 秋田市長表敬訪問終了後)

あけましておめでとうございます。
本年も、何卒よろしくお願い申し上げます。

ブラウブリッツ秋田が2019年12月16日、2020シーズンの吉田謙監督の就任を発表。3日後に就任記者会見が開かれました。会見内容もさることながら、会見場に入退室するときの吉田監督のぴしっとした挨拶に、こちらも背筋を正さなければ、という心境になりました。新チームの稼働がほんとうに楽しみです。

さて。上記の記者会見そのものは11時スタートで、その約1時間前に、岩瀬浩介社長と山田尚幸キャプテンが秋田市の穂積志市長を表敬訪問しています。

表敬訪問を終えたあと、岩瀬社長と山田キャプテンに短いインタビュー時間が設けられました。岩瀬社長のコメントでは、経営面での改革と吉田監督に求めるものについて。山田キャプテンのコメントからは、2019シーズンのチーム状態の移り変わりについて。取材日から少し時間が経ちましたが、新チームが動き出そうとするいまこの時期だからこそ、興味深い内容なのではと思います。

岩瀬浩介社長

--観客動員数が減少した要因は。
ふたつあって。ひとつはわれわれの要因で、無作為な無料招待はやめましょうと。Jリーグのほうで、3000人の平均観客動員数がなければいけないという(J2ライセンスの)ルールが撤廃さましたので。中長期で考えたときに、いつまでも無作為の無料招待をやって、チケットの価値を下げていくことをやっていてはよくない。
約1500人って今年数字が出ましたけども、その方々ってきっと、雨が降っても槍が降ろうと雪が降ろうと来ていただける方だと思うんですね。経営の安定化のためにそういった方々を1人でも多くすることを考えたら、無作為な無料っていうのは止めなければいけないねと。施策をもってちゃんと無料招待をしていきますよということで、今年はもう(動員数が)落ちるということも自分の中で納得させて進んでいるので。
ただあれだけ減ったにも関わらず、実は入場料収入は伸びて、去年よりも伸びて上回っているという状況なので、そこの部分は間違いなかったのかなと思います。
無料招待しないってわけじゃないですけども、単なる無作為なっていった部分は、実際、無料招待のチケットて着券率が42%くらいなんですね。1000枚配っても420枚しか帰ってこない。580人は、欲しいですと言っても、当日の天候だったり、面倒くさいからいいやと、要は捨てられちゃってるわけですよね。そういった意味からすると、その行為をした人たちってきっと、なにかあったときにお金を払って来るのかなっていうとなかなか難しいのかなというところはあるので。ただ我々の試合を観たことがない人ってまだまだたくさんいると思うので、ライト層をいかに来ていただけるかというきっかけはしっかり作って行きたいなと。

もう一点は、調べていただけたらわかると思うんですけど、今年はもうとにかく天候に泣かされたなと思ってます。(たとえば)台風の日にやってしまった。あれはもうちょっとリーグとの調整も含めて日程的にもやらざるを得なかったというところで。安全に対する考慮といった部分も時間を早めた形ではやりましたけども、実際ほかの市内の興行というかイベントは全部中止で、ウチだけが開催と。実際に雨だとか風と駆っていうのはそんなに大きく支障がなかったですけども。そういった日に開催して、あのときは700人くらいでしたからね。最終戦も含めてやっぱり天候に今年は悩まされた部分があるのかなと。
その天候でも来てくれる方があれだけ、最終戦の気温で1500人くらい来ましたね。来ていただけるてことは潜在能力というかポテンシャルは十二分にあるのかなと思うんで。その人たちを1人でも多くすることをやっていこうと思っています。

--2019シーズン後半戦の戦いと、吉田監督の招聘について。
(来季に向けての)期待感は出ましたよね。冷静に皆さんも振り返ってほしいのは、2017年に優勝したシーズンも、2016年の期待感があった。良いチームになったな、仕上がったなということでフィニッシュして。それで翌年、監督が変わって優勝という形で。その積み重ねはこのあとも続けられる、引き継がれるものなのかなと。そこにプラスアルファ、(2017シーズンに)杉山前監督のアクセントが入ったように、吉田さんのしっかりとしたアクセントが入れば、全然変わったチームになるんじゃないかなと。ベースがありつつもというところで。
守備ベースというところではないですけれども、シュウさん(間瀬前監督)のスタイルも守備をすごく重視してましたから。攻撃的な守備なのか、しっかり守る守備なのか。言葉の表現の違いかなというところはあるので。やっぱり今年の反省点で、ゴール前のシーンでシュート数がどうしても伸ばせなかった。あそこはやっぱり課題だったなていうところはすごくあるので。そういった部分を補えるというところが吉田さんだと。

--2019年はプレシーズンがうまくいっているように感じられたが開幕で失速した。
うまくいってなかったですよ。表面上でみんなうまくいっているように思ってますけど、まだチーム戦術が確立していない相手と戦っていきますよね。レベル高いところでJ1やJ2のクラブとも(TRMを)やらせていただいていましたけれども、やっぱりなにかそこでできちゃった分、リーグ戦に入ったという部分もありますし。戦い方だとか、そういった部分で、どこかで忘れてしまっていたというか。ようやくそれが全員が向き合えたのが前半戦終わって途中かなと。あとはシーズン終了報告パーティでもシュウさんのほうからあったとおり、怪我人が増えてしまった。それもひとつのマネジメント。もうひとつはシステムっていうところはあったかなとは思います。

--新スタジアム整備に向けて取り組むことは。
僕らがやるべきことをしっかり見せていくことが大事かなと。機運という言葉で話をしましたけれども、自治体、行政のトップとして、僕らはやっぱり(スタジアム整備が)やりやすい環境を、やっていただけるような環境を作ることは大事かなと。これは何かというと、やっぱり一つひとつの勝利を積み重ねること。そしてご指摘のあった来場者を増やすことに尽きるのかなと思っています。

--なぜスタジアムが必要か。
チームとして必要な理由というよりもこの町にとって必要ですよね。いろいろなご意見があるのもしょうがないと思うんですけれども、秋田のいろいろな問題が山積している中で、待ったなしでそれはやってきていて。
僕らが9月15日にビジョンを掲げてあの絵を出したあとに、すごく反響があって、しかもそれは若い方々からの反響がすごく多かったんですよね。突然声をかけられて「社長、ああいったものが秋田にできると思うと本当にワクワクします」と言ってくれた若者がいたりして。若者たちにとって、この秋田で希望を感じることって他にあるのかなという部分も含めてですね。僕はこの町にとって、この町の未来にとって、必要なものなんじゃないかなと思います。僕らに必要じゃなくて、このまちにとって、この県にとって必要なものなんじゃないかなというところです。

山田尚幸キャプテン

--今シーズンを振り返って。
今シーズンは選手もレベルが上がったと、ブラウブリッツの選手はみな感じていると思います。今年はJ2に本当に行けるんじゃないかとスタートした中、やはり個の力では相手を上回ったものの、チーム力としては相手のほうが上回っていたなっていうのが、スタートしてから思ったことで。後半改善できたのも、いろいろありますけど、キャプテンの交代もありましたし。選手一人ひとりがチームのことを考えだしたのもそうですし。チームのことを考えて自分の技術をチームのために活かせたのが後半戦だったのかなと。
その成果が出たのが後半戦の成績だと思いますし。なので来年はぜひ。個の力のレベルアップも必ず必要なことですけれども、チームとしてももっともっと、チーム力を上げていかないといけないなと感じたシーズンです。

--来シーズンにつながるものとは。
間瀬監督は技術の面だと、周りを見るということをすごく常々言っていたことなので。そこは選手一人ひとり周りを見る力は成長した部分、他の面だと、ピッチ外のところでもサッカーのことを常に考えて行動しろとは言われ続けていたので。一人ひとりがチームのことを考えてというのは、後半、監督も意識してやられたことだと思うし、選手一人ひとりもそれを痛感したシーズンだと思うので。そこは来年も引き続き継続していければ。

--吉田監督について。
沼津のサッカーなので。すごく球際に厳しい監督だなとは感じています。沼津の吉田さんは堅いサッカー、すごく勝ちにこだわったサッカーを感じますし、間瀬監督もそうだったので。通ずる部分はたくさんあると思うので。非常に面白いサッカーになるのかなと感じています。

--後半戦に見せた秋田らしさについて。
走力だったり球際だったりという部分で、吉田監督が考えるサッカーには通ずる部分があると思うので。そこは秋田らしさを全面に出してシーズン開幕からやっていけたらと思います。

--穂積市長の言葉について。
本当にありがたい言葉ですし、スタジアムがあるとないとでは選手のモチベーション、あとは秋田の人のモチベーションも全然変わってくると思うので。ぜひスタジアムを作ってほしいです。

--前半戦はどのようなチーム状態だったか。
選手一人ひとりがバラバラだとは感じていなかったんですけれども、やっぱり上のカテゴリからたくさん来た選手たちがいたので、自分をアピールしようということをまず考えてたのかなとは感じていました。なのでチームのことを考えて、一人ひとりプレーしていたかと言われると、後半戦と比べるとそこまでできていなかったのかなと。自分がミスすれば、その人はもちろん切り替えてすぐ奪い返しに行きますけど、その人を助けるためにみんながチームのことを考えてカバーし合った結果が後半戦でたのかなと感じています。

--ここを変えたから良くなったというポイントは。
自分が言うのもなんですけど、キャプテンの交代によって僕が意識したのは、間瀬監督が言っていることを選手にうまく伝えるということだったので。最初スタート時点で間瀬監督が言っていることに対して、選手は。新しく来た選手は特に「?」の部分が多々あったと思う。僕に変わってからは、監督が言ったことを、自分の言葉に直して、選手に伝わるように変換して伝えていた部分はあったので。そこがうまく監督と選手の間にうまく入れたのが良かったのかなとは思うので。そこは来年、またキャプテンやるかどうかはわからないですけど。

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