さいたま新都心地区の学校が超過大規模校にシントシティ児童を選択地域設定し対策へ
今、さいたま新都心地区は急激な人口増に伴い、学校施設が足りない状況になっています。人口増の最も大きな要因として挙げられるのが、２０２０年に建設された県内最大級１４１１戸を誇る巨大マンションのシントシティです。
私は、シントシティが完成した２０２０年の一般質問で、周辺の学校施設や保育所、学童などが足りていないことを指摘し、改善を求めてきました。とりわけ、小学校については新たな学校建設を視野に入れないと児童が通学する大宮南小が超過大規模校になることを指摘しました。
当時、市教育委員会が試算したシントシティから大宮南小に通う児童数の想定は２８０〜６８０人程度でしたが、その想定が大きく上振れすることが、今回の質問で明らかになりました。
仮に、シントシティの児童全員が、大宮南小に通学した場合の児童数と学級数は★図1の通りです。
文科省が示す学級数による学校規模の分類に当てはめると、大宮南小は超過大規模校化してしまい、もはや教育活動が成り立たない状況になりかねません。 ２０２０年の一般質問時に私から提案した対策は新たな学校建設、もしくは近隣にある上木崎小への通学を可能とすることでした。
当時の答弁を見直すと、真剣に受け止めていない印象を持ちますが、事態が明らかになった今年、市教育委員会が新たな対策として打ち出したのが、シントシティの児童が半数程度、上木崎小に通学することができるようにする「選択地域設定」でした。 この選択地域設定を行った場合の想定児童数と学級数が★図2です。
見ていただくとわかる通り、両校ともに過大規模校の状態は維持され、問題の本質的な改善には及んでいません。やらないよりはマシといった対策にとどまっています。
実は大宮南小は選択地域設定が打ち出される以前から、度々、同校が抱える課題を議会で指摘してきました。特に、問題視してきたのは、同校の体育の授業を大宮高校で行っていることです。これは、校庭に仮設校舎を建設した関係で、十分なスペースを取れないため実施をされてきた対策で、現在はその状態が解消されたものの、再び実施することも十分に考えられます。さらに、今後は上木崎小についても２つの仮設校舎を建設する予定で、両校とも十分な校庭や教室確保に課題を抱えたまま教育活動が行われる可能性があります。
6月に行われたシントシティ児童の保護者向け説明会では、上木崎小の詳細説明はされたものの、大宮南小の抱える課題等の説明が乏しく、保護者からも「もっと比較させてほしい」と意見が出されました。選択地域設定が行われたとしても、半数程度は大宮南に通うわけですから、当然の意見です。この点を議会で指摘し、再度の説明会実施を求めると「実施する」との明確な答弁を得ることができました。
また、説明会の中で新たに出された課題として、上木崎小へ通う児童が定員を上回った場合の選考方法が問題となっています。現在の検討状況では、選考は抽選で行い、兄弟姉妹の関係は考慮されない可能性があることも議会で明らかになりました。この点については改善を求めていく必要があると考えています。
もとより、シントシティという一つの巨大なコミュニティで通う小学校が異なることでの課題も当然考えていかなければなりません。引き続き、議会で対策を求めていきたいと思います。
繰り返される「過ち」ではなく 教訓を活かしたまちづくりの転換へ
今、清水市長は2都心４副都心を中心とした都市開発とコンパクトシティの名の下で、人口を一部地域に集中させる施策を進めていますが、同時に必要な公共施を削減する方向性が鮮明です。
巨大なマンションを誘致する一方で、教育施設を建設しなかった武蔵浦和地区と新都心地区、さらに現在、浦和駅西口開発と合わせて、巨大マンションを建設する一方で、学校用地が足りずに、駅ビルの中に学校を建設する計画が持ち上がっています。何度、繰り返すつもりなのか。
私は２０２０年の質問時、マンション建設時は、必要な子どもの施設を作る規制を提案をしました。この提案はその後、マンション建設時に業者と市が「事前協議を必ず行わなければならい」との制度に結実したものの、その対象は保育所と学童に限定されており、学校は対象外とななっています。ここから改善を求めていきたいと思います。
目先の利益に飛びついたまちづくりで深刻な影響を受けるのが子どもたちであっていいはずがありません。さいたま市の若い家族が「住んでよかった」と思ってもらえる対策を全力で進めます。
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