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久保田翠が考えるシリーズ

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NPO法人クリエイティブサポートレッツ代表であり、くぼたたけしの母でもある久保田翠が考えるシリーズ。「家族」や「自立」、「生活」について日々の想いを綴ります。
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#親

たけしの自立生活4 「新しい地平」は開かれるのか

壮(たけし)の自立性生活を始める2019年10月、私はある決意をした。 「ここからたけしの自立生活が始まる。彼の新しい人生が始まるのだから、私は手出ししない!」と。 結構きつめに決断したはずだった。 しかし、6か月を終えた2020年3月。 たけしは家に帰ってきてしまった。 6か月。まあ、いろいろな理由はあるのだが、結果的に、たけし自身が「家にいる。家族とも暮らす」という選択肢を手放さなかったのだと思う。  先日、あるシンポジウムに参加した。障害者(知的障害者も含めて)自己

親なき後をぶっ壊せ~たけしの新しい生活が始まる~

10月から久保田壮は重度訪問介護で、たけし文化センター連尺町の3階で生活を始まる。 重度知的障害者では浜松第1号だそうだ。 たけしは重度障害者で強度行動障害もあり24時間見守りが必要な人だ。 1日だいたい、障害福祉施設アルス・ノヴァが8時間、ヘルパーが3時間、計11時間はフォーマルなサービスを利用している。そして残り16時間は親(わたし)が介護する生活だった。 そのうち寝る時間はあるとはいえ、いつ起きるかわからない、起きて何をしだすかわからない。となると親である私は残り16