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自由を我が手に─緊急事態明け直後の日曜夜の出来事─

午後七時。
年の頃70代後半と思われる細身で小柄で猫背のおっちゃんがワゴンのお得パックを物色してた。少し動きが変だったので酔っ払っていたのかもしれない。

すっかり暗くなった東長崎。日曜日は午後六時を過ぎると人通りもまばらだ。商品を選ぶおっちゃんの後ろを犬の散歩をしていた女性が通りかかった。

するとおっちゃんは20パックほどある中からひとつを選んで右手で持ち上げると、驚くべき行動に出た…。

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と、煽り文句のようなリード文を書いてみた。オチを引っ張ることで課金を促そうという算段なのだが(あからさまやろ)、これらは本来飲み屋で「今週のハイライト」としえ笑いを取るためのネタになる。
もうお分かりだと思うが、緊急事態宣言が明けた現在も酒場は21:00で閉めていて、ぼくは寄り道していた場所を失ったままなのだ。

緊急事態宣言が10月1日をもって解除された。にもかかわらず、東京都は独自の対策として飲食店に「酒の提供は20時まで」「時短営業を21時まで緩和」という要請をしている。
飲食店の反応としては「ついに酒提供が『解禁』になった」ことを喜ぶ声が多い。
これまで商売の屋台骨であった酒の提供が実質出来なかった訳だから無理もない。再起動してぜひ頑張ってもらいたい。

しかしながら21:00閉店だと、仕込みなどで遅くなる現状では立ち寄ることは難しい。僕からするとこれまでと何も変わらない。ゆえに昨年まで仲間と飲むことでケアしていた自分自身を癒す術をいまだに探している。

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(写真)店を閉めた時には、こんな感じ

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